Match Preview
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≪相手の高い個の力に対し、より全体での守備を心掛けながら、チーム一丸で勝利を目指す≫
雨中の激闘となったJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝・第1戦から中2日。セレッソ大阪は、息つく間もなく明治安田生命J1リーグ第24節、ヴィッセル神戸との“関西ダービー”に挑む。真夏の公式戦5連戦の3試合目、蓄積疲労との戦いでもあり、まさにチームの総合力、底力が問われる一戦だ。7月はリーグ戦3勝2分と快進撃を続けたセレッソ。5試合すべてで複数得点を奪うなど、どこからでも点が取れる攻撃力も発揮。2位・鹿島アントラーズと勝点差2の4位まで浮上した。8月に入っても勢いは止まらず、直近のルヴァンカップ準々決勝・第1戦では、川崎フロンターレを相手に追いついての1-1。序盤は圧倒的に攻め込みながらも決め切れず、先制される苦しい展開となったが、終了間際にアダム タガートが起死回生の同点ゴールを決めた。
公式戦8試合連続で途中出場の選手がゴールを挙げる結果となり、まさに18人全員で戦う現在のチームの真骨頂が発揮された。殊勲の背番号9も、「ウチのチームは先発11人だけではなく、選手全員が先発を張れる力がある。スタートの選手、途中から出る選手それぞれに役割があるので、みんなが与えられた役割を果たすことが大事」と胸を張って話した。過密日程となる今節も、まさにそうしたチーム全体で支え合い、勝利を目指す一体感が欠かせない。次なるヒーローは誰か、楽しみに待ちたい。
対する神戸は、現在は再びJ2降格圏に位置しているが、7月に入り吉田孝行新監督のもと、一時はリーグ戦3連勝を飾るなど、息を吹き返した。最近では途中出場で効果的な働きを見せている大迫勇也にアンドレス イニエスタ、元日本代表の山口蛍に酒井高徳と、各ポジションにタレントが並ぶ。さらに、この夏の補強でムゴシャ、飯野七聖、小林祐希、マテウス トゥーレルと複数の新戦力も加えており、選手層に厚みは増した。今節に向けて吉田監督がどのような配置で挑んでくるか。セレッソとしても、相手の出方を見極める必要がある。
近年、両チームの一戦は、僅差での決着になることが多く、競った展開になる傾向にある。今節に関しても、セットプレーやスローインなど、リスタート��含めて細かなところもカギを握りそうだ。神戸には1発で仕留めてくるタレントもいるだけに、守備で気の抜けない戦いも予想されるが、セレッソとしては、ここまで積み上げてきた組織力を遺憾なく発揮し、チーム全体としての力で相手を上回りたい。
『ヤンマー #Football is our engineサポーティングマッチ』として開催される今節。多くの来場者が見込まれるだけに、しっかりと“関西ダービー”を制し、試合後にサポーターと喜びを分かち合いたい。夏場の過密日程、シーズン全体の中でも最も厳しい時期だが、今節もホームでできることを力に変えて、大きな1勝を掴み取りたい。
≪試合前日コメント≫
■高橋大輔コーチQ:夏場の連戦はコンディション管理も重要になると思うが、今節に向けた練習の様子について
「普段の流れと変わらずやっていく中で、しっかりコンディションを整える選手と、トレーニングに打ち込む選手がいて、状態を見極めることができた2日間でした」
Q:より注意を払いながら、見極められた感じですか?
「そうですね。(コンディションは)繊細な部分もあるので。ただ、トレーニング組でしっかりコンディションを上げて表現してくれている選手もいますので、その中で、ベストなメンバーで試合に臨むイメージをしています」
Q:ヴィッセル神戸は補強で選手も何人か加わりました。入れ替わりもあったと思うが、どう分析されていますか?
「まず守備のところで、吉田監督になられて整理されている印象があります。ただ、やはり攻撃のメンバーに技術が高くてタレントが多い中で、高い攻撃力を発揮してくるチームだと感じています」
Q:そうした意味では、チーム全体での守備が、より大事になりそうですか?
「より、というよりは、いつも通りにやることが重要ですが、その中で、全体の共有が、より大事になってくると思います」
Q:明日はイニエスタ選手も先発に復帰する可能性もあるが、改めて、神戸の攻撃を止めるために必要だと思うことは?
「(神戸は)しっかり中盤を構築する力もありますし、フィニッシュの部分で、アタッキングサードでの個のクオリティーも高いので、チーム全体としてハードワークをして、組織的に戦うことが大事だと思います」
Q:現在、どのような感じで小菊監督と選手はコミュニケーションを取っているのでしょうか?
「基本は、私が監督と常にコンタクトを取りながら、必要なことを選手に伝えています。いろいろ監督と情報を共有しながら、選手に発信する形です」
Q:映像を通して小菊監督がミーティングに参加するわけではない?
「そうですね。もちろん、(監督や選手から)要望があれば、そういうアプローチもしていこうと思っていますが、今のところは、そういう方法は取っていません」
Q:小菊監督は、神戸の吉田監督と滝川二高の先輩・後輩という関係性ですが、高橋コーチに対して、小菊監督から何か伝えられたことはありますか?
「いろんな話をする中で、以前、その話も出たことはありますし、私自身もそのことは認識しています。今回に向けて、特別何かを伝えられたことはありません」
Q:ルヴァンカップ準々決勝・第1戦では、鳥海選手が後半の早々に交代し、北野選手も試合中に裂傷を負ったが、状態について
「2人とも、状態に関して問題はありません」
■キム ジンヒョン
Q:夏場のコンディション維持で、心掛けていることはありますか?
「特にはないですね。いつも通り、試合に向けて、いい準備をすることは変わりません」
Q:明日の相手、ヴィッセル神戸の印象は?
「監督も代わって、結果も出るようになっていますし、元々、いい選手が揃っています。個人の能力も高い。戦術の部分でも、自分たちで修正できる選手が揃っています。監督が代わり、よりハードワークもできている印象です」
Q:イニエスタ選手、大迫選手ら、攻撃陣には試合を決定付ける選手がいる中で、明日はどういう守備を心掛けたい?
「小菊さんのもと、今まで積み上げてきた守備をやることが選手の役割です。特に神戸はイニエスタ選手を中心に中を崩してくることも多いと思うので、 より中を堅く締めないといけないと思います。いつも通り、前からプレッシャーをしっかりかけていけば、簡単には失点しないと思うので、全員で一つになって戦うことが大事です」
Q:最後尾から見て、前線の2トップ、サイドハーフのハードワークをどう感じていますか?
「だいぶ助かる部分があります。前にプレスをかけるだけではなく、後ろにしっかり戻るところ��でやってくれるので。体力的には厳しいと思いますが、毎試合、出し切る気持ちでやってくれています。出し切った後に出てくる選手も、攻撃力を持った選手がいる。前半から相手にダメージを与えることで、後から出る選手たちが、より攻撃に出ていけると思います」
Q:ビルドアップについて
「全員がいい立ち位置を取らないと、ボールは回りません。みんなで連動してつなぐ意識を持っています。一人だけではなく、全員が動き直すことも意識しているので、ボールを出す選択肢も増えます」
Q:「ボールを出す選択肢」という話では、ジンヒョン選手自身、中盤にポトンと落とすパスが増えたと思うが、どのくらいから自由に操れるようになった?
「ロティーナ監督の1年目に、いい立ち位置を取ってつなぐサッカーをやっていたので、そこ(フリーの選手)にボールを入れないといけないと思い、練習から意識を持って蹴っていました。でも、まだまだ全然です。もっと成功率を上げていかないといけません」
Q:ロティーナ監督が代わっても、そこは引き続き、練習されている?
「そうですね。小菊監督も、つなぎたい思いがありますし、立ち位置を大事にするサッカーを求めているので。そこは選手もトライしないといけないですし、練習から、なるべく試合と同じような状況を作りながら、集中力を高く持って、やっています」
Q:神戸のGK、飯倉選手の印象は?
「飯倉さんは、昔から素晴らしいGKだと思っています。身長は低いですが、スピードがあって、足元も自由にできる。最近また試合に出始めてから、結果も出していますし、ベテランらしく、いい経験もされています。いいGKだと思っています」