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Match Review

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■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ) https://www.cerezo.jp/matches/2022-10-22/
30回目のJリーグYBCルヴァンカップ。昨年の雪辱を果たすべく2年連続でファイナルの舞台に立ったセレッソ大阪が、サンフレッチェ広島とタイトルを懸けて激突した。先発は、浦和レッズとの準決勝・第2戦と同じ11人。直近のリーグ戦で負傷交代した山中亮輔と鈴木徳真もピッチに立ち、広島との今季4度目の対戦に臨んだ。
立ち上がり、広島の勢いを受ける形になったセレッソだが、4分、カウンターから決定機。上門知樹が持ち運び、右サイドの毎熊晟矢へ渡すと、毎熊の折り返しに上門が走り込んでシュートを放つも枠を外れた。16分にもセレッソにビッグチャンス。左サイドでボールを受けた加藤陸次樹がドリブルで進入し、カットインからシュート。際どいコースへ飛んだが、GKの好セーブに阻まれた。前半、セレッソは広島にボールを持たれる時間こそ長かったが、攻から守への切り替えも速く、広島の武器であるカウンターを受ける場面は数えるほど。ファイナルらしい、緊張感のある堅い展開で進んだ前半は0-0で折り返した。
後半はセレッソが勢いよく試合に入ると、53分、先制に成功する。広島のCB、佐々木翔からGKへのバックパスを加藤がカット。GKをかわして持ち込み、角度のないところから無人のゴールへ流し込んだ。勢いに乗ったセレッソは、58分にもGKキム ジンヒョンから一発のパスで決定機。裏へ抜け出した毎熊がそのままフィニッシュに持ち込んだが、シュートはGKに防がれた。続く59分にもCKからマテイ ヨニッチがヘディングを放つも、わずかに枠を外れた。63分には広島に決定機を作られたが、ナッシム ベン カリファのヘディングはキム ジンヒョンが好セーブで阻止。64分には奥埜博亮のパスに上門が抜け出し、決定機になりかけたが、トラップが大きくなり、シュートには至らず。
2点目こそ奪えなかったが、悪くない流れで試合を進めていたセレッソだったが、77分、この試合を左右するプレーが起こる。広島のロングボールからナッシム ベン カリファとマテイ ヨニッチが競り合い、マテイ ヨニッチの手が相手に入ってしまう。最初は警告が示されたが、VARが介入し、主審はオンフィールドレビューを実施。映像確認を行った結果、一発レッドの退場へ、判定は変更された。そこからセレッソは[4-4-1]でしのぎ、耐えていたが、示された9分という長い後半アディショナルタイムをしのぎ切れず。90+6分、鳥海晃司のハンドで与えたPKを決められ同点に追い付かれると、90+11分には、CKからピエロス ソティリウにこの日2点目のゴールを決められ、土壇場で広島に逆転を許した。
試合はこのまま1-2で終了。待望の3つ目の星を刻むことはできなかった。試合後は涙を流す選手の姿も見られた。あと数分で優勝まできていただけに、「まだ気持ちの整理はついていない」(加藤)状態の選手、スタッフ、サポーターも多いだろう。昨季のファイナルでの敗戦を糧に、今季の“小菊セレッソ”はここまで成長を遂げてきた。悔しい逆転負けとなった今回のファイナルも、「今日、負けたから、チームが来年さらに強くなったと言えるように」(北野颯太)日々のトレーニングに励み、さらに攻守を磨いていきたい。ほぼ全選手で戦ってきた今大会。試合前には、選手、スタッフ全員で円陣を組み、サポーターへ挨拶。チーム一丸で戦ったファイナルだった。試合後の会見で、「やはりタイトルを獲ることは簡単なことではないと、改めて実感しています」と第一声を発した小菊昭雄監督。「私自身も、選手も、強く、逞しく成長して、必ずリベンジしたい」と誓った。細部を詰めて、勝ち切れる“強いチーム”になるために。日々の練習から、チーム全体で取り組んでいきたい。

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