Match Preview
- 4/9 札幌戦
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“難敵・札幌”を撃破し、今季初の連勝で上位進出を目指す
4月に入り公式戦3試合目となる今節。セレッソ大阪は、前節に続きホーム開催となり、ヨドコウ桜スタジアムに北海道コンサドーレ札幌を迎える。昨季はホームで引き分け、アウェイでは逆転負けを喫した相手。その雪辱を期し、セレッソは勝利だけを求め、試合に挑む。
開幕から1分2敗と出遅れたセレッソだが、直近のリーグ戦は3戦無敗(2勝1分)と復調。特に前節は昨季のJ1王者、横浜F・マリノスを倒したことで、チームの士気も一気に上がった。星も五分に戻し、いよいよここから上位争いへ。そうした段階へ突入していく。自身もコンディション不良で開幕には出遅れた中で、J1リーグの第3節から復帰し、好パフォーマンスを見せているキム ジンヒョンは、現在にチームについて、「監督とともにチーム全員で目指すサッカーに近づいていると思いますし、ちょっとずつ良くなっています」と話す。課題であった試合終盤の守備にも変化が見られる。従来は、試合途中で選手が代わっても最後まで守備ベースは[4-4-2]を崩さず戦っていたが、前節は後半から[4-5-1]で中を締め、ラスト10分は[5-4-1]でクローズした。試合展開や状況、対戦相手との兼ね合いに応じて、[4-4-2]のハイプレス、[4-5-1]のミドルプレス、5バックでのリトリート。様々な戦術を駆使できるようになれば、チーム全体の対応力も増していくだろう。今節以降も引き続き高めていきたいポイントだ。
今節の相手、札幌はペトロヴィッチ監督の哲学が浸透したアグレッシブなチーム。しっかりつないで崩してくる攻撃、マンツーマンで人に付いてボールを奪いにくる守備、攻守に前向きの矢印を前面に押し出してくる特長をもつ。セレッソとしては、そうした相手の特長とどう向き合い、逆手にとっていくか。「ストロングを出させないように、ウィークをしっかり突いていくこと」(小菊監督)が求められる。守備では、相手のビルドアップに対してこちらがどうプレスをかけるか。前線から始まる連動性がカギを握る。攻撃では、つなぐところと、相手のプレスを裏返すボールをどう使い分けるか。前からくる分、相手の背後にはスペースも空くだけに、出し手と受け手の呼吸をうまく合わせ、ゴールに迫りたい。
徐々にメンバーが固まり始め、戦い方の幅も広がってきた現在。ここからさらに上位を狙っていくために、今節も勝点3は譲れない。舞台は前節に続いてヨドコウ桜スタジアム。今季、公式戦負けなしのホームでサポーターの後押しも受け、“難敵・札幌”を撃破し、今季初の連勝で一気に波に乗っていきたい。
試合前日コメント
小菊昭雄監督
Q:札幌は前節の横浜FMとも似た特長をもつチームだが、今節、重要になることは?
「おっしゃる通り、マリノス、そしてルヴァンカップで対戦した京都、ここ最近対戦した相手と戦い方が共通している部分は多い印象を受けています。前から強い圧力をかけてきますので、マリノス戦で良かったところ、京都戦でゲームプランを全員で共有できなかった課題。その2試合としっかり向き合って、明日の試合に備えたいと思います」
Q:ルヴァンカップの京都戦後、選手たちと共有したことは?
「それぞれ選手にはサッカー観がありますが、その中で相手があって、私たちが目指しているサッカーも追求しながら、毎試合、準備して戦います。色々なサッカー観、考え方がある中で、ゲームプランはこちらが提示する。そのゲームプランに対して、それぞれの思いを一つにして、相手に向かっていく。そこの重要性を全員に解きました。逆に言えば、プランを遂行してもらう選手を起用する。それを全員で共有しました」
Q:ルヴァンカップ第2節のガンバ戦の後、終盤の時間帯について、「ゲームの締め方は全員で共有したい。選手を代える、システムを変える、戦い方を共有するなど、しっかり準備したい」と話されていました。実際、前節の横浜FM戦では、[4-5-1]で中を締めるやり方や、終盤は5バックなど変化も見られた。今後も守備の戦術は時間帯や状況に応じて柔軟に対応していきたい?
「そうですね。対戦相手の特長や、試合の流れや展開、様々ある中で、私たちがしっかり準備をすること、準備してきたことをトライすることは大事です。前回のように、王者相手に新たなチャレンジで1点差を守り切ったことは私の中でも大きなことでしたし、選手の自信にもつながると思います。私は小さい頃から野球も見ていたのですが、最後に藤川球児さんが出てくる、大魔神・佐々木さんが出てくるとか(笑)。そういった時は、やっている選手だけではなく、サポーターも含めて必勝態勢のモードに入れます。1点を守り抜く、もしくは1点を奪いにいく、メッセージ性をもった采配は大事ですし、そのための戦術を共有しておくことは大切です」
Q:守備時の[4-1-4-1]は、前節が今季初のトライという認識でよろしいでしょうか。
「そうですね。昨季までは、攻守に[4-4-2]がベースでした。もちろん、相手によって可変する時間帯はありましたが。今季は[4-3-3]をベースにやっています。その中で、守備では[4-3-3]から可変して[4-4-2]でプレーしていたのですが、[4-3-3]の立ち位置を活用しながら[4-1-4-1]の守備もやっていこうと。5バックも含めて、相手の状況や時間帯を見極めて、使いこなしていけるチームにしていきたいと思います」
Q:香川選手が先発に定着後、リーグ戦は2勝1分と負けなしだが、彼の役割の大きさについて
「おっしゃる通り、真司が先発で出た試合は、リーグ戦では2勝1分、ルヴァンカップでも1勝1分と無敗が続いています。やはり彼の存在は大きくて、攻守にしっかりゲームコントロールできます。安定して試合を運ぶ能力、プレーのクオリティー、ゲームをコントロールしながらチャンスを作り出す能力は、改めて高い選手だと感じています。コンディションも安定してきました。前節は約3年ぶりのフル出場ということで、少しリバウンドもあったのですが、昨日、今日の練習では、非常に軽快な動きを発揮していたので、明日は問題なくチームを引っ張ってくれると思います」
Q:プレーの質は今後、さらに上がっていきそうか?
「そうですね。今でも高い技術、攻守に高いパフォーマンスでチームを引っ張ってくれていますが、先ほど申した通り、フル出場は約3年ぶりでした。それまではケガに苦しみ、コンディションを上げ切れなかった時期も長かった。今はしっかり練習で積み上げていますので、ここからさらにパフォーマンスを上げていく、チームの勝利に貢献する。そういった姿が目に浮かびます。これから夏場にかけて、彼のパフォーマンスには期待して欲しいです」
Q:勝敗も五分に戻し、ここから上位を狙っていきたい段階だと思うが、明日の試合の位置付けについて
「最初は苦しんで、下位からのスタートになったのですが、選手、スタッフの頑張りで、中位まで順位を上げることができました。明日、勝てば一気に上位争いに入っていけます。それだけ大きな試合です。勝ってホームの連勝記録を伸ばすとともに、上位に絡んでいきたいと思います」
Q:昨季、札幌とは1分1敗だが、改めて振り返ると?
「前回のアウェイで対戦した試合もスタッフと共有したのですが、負けはしましたが、非常にいい戦いができたゲームでした。もちろん、敗戦の原因も見つめないといけないですが、ポジティブな面がたくさんありましたので、そこは明日の試合にも生かしていきたいと思います」
Q:ポジティブな面とは?
「札幌は特長のあるチームです。攻撃力はJ1屈指で、守備でも人を基準にマンツーマン気味にどんどん奪いにきます。そういった特長をどううまく活用していくか。ストロングを出させないように、ウィークをしっかり突いていくことができていた面もありました。明日も、そういったゲームにしたいと思います」
キム ジンヒョン選手
Q:リーグ戦の勝敗を五分に戻したが、現在のチームをどう見ていますか?
「選手は小菊監督が求めるプレーをしっかり表現することが大事。監督とともにチーム全員で目指すサッカーに近づいていると思いますし、ちょっとずつ良くなっています。あとは連勝が欲しいですね」
Q:ここまでの手応えと課題について
「やっぱり、終盤の失点の多さは気になります。そこは防ぎたい。昨年からそうでしたが、その時間帯でどう守るか。チーム全体で意識しながら考えていかないといけない。乗り越えるために、コミュニケーションも取ってやっていきたいです」
Q:今季は中盤の形が変わったが、ジンヒョン選手にとって、ビルドアップでの変化はありますか?
「僕が絡む出し入れは、そこまで変わることはないですね。自分としては、今まで通り、空いた選手にしっかり落とすことを意識しています。中盤の3選手は、それぞれしっかり判断できる選手たち。考えながらプレーしているので、僕はしっかりパスを預けたい。その中で、(鈴木)徳真にはなるべく真ん中にいて欲しい思いはありますね」
Q:札幌はマンツーマン気味のプレスに特長があります。フリーになるジンヒョン選手の存在が、より重要になりそうだが?
「札幌戦はビルドアップで苦しむこともありますが、特に意識し過ぎることなくプレーすれば、マークも外せると思います。リズムを崩したくないので、正確性が求められます。あとは、下ばかりでつなぐのではなく、背後もうまく狙いながらプレーしたいです。ただ、(背後は)入れるタイミングも重要です。相手にボールを渡してしまえば、また守備に回ることになるので。うまく足元と背後を使い分けたいです」
Q:昨季の札幌戦は、クロスからの失点も多かっただけに、セットプレーを含めたクロス対応も重要になる?
「どの相手でもそうですが、時間帯によってはサイドからガンガン上がってくる。クロスを簡単に上げさせないこと、最後は自分に責任があるので、しっかり止めていきたいです」
Q:札幌のキム ゴンヒ選手について。昨年、対戦しての印象は?
「元々、Kリーグでの試合も見たことがあったし、アグレッシブな選手です。点も取れるし、キープ力もある。意外と何でもできる選手です。僕らからしたら、一番やらせたくない選手。注意する選手の一人です」
Q:セレッソ時代も可愛がっていたク ソンユン選手も再び札幌に戻ってきたが?
「久々に帰ってきて、セレッソ戦を迎えて、ソンユン自身も気合いが入っていると思います。お互い、いいパフォーマンスを…と言ったらアカンか(苦笑)。まず自分はいい仕事をして、ソンユンもなるべくいいパフォーマンスを、セレッソのサポーターの皆さんに見せられたらいいのではないかと思います」
Q:最近、話したことはありますか?
「ソンユンも、徴兵に行って、Kリーグも経験した中で、W杯のメンバーにも入れず、苦しい時期もあったと思います。それを乗り越えて札幌でまた結果を残せば、もっといい選手になれると思います。そういう話を昨日もしました」
Q:先日、J1通算100完封を達成したが、そこへの感想については?
「いつも通りな感じでした。特に何とも思わないですね(笑)すみません!」
Q:印象的な試合はありましたか?
「いつも言っていることですが、昔から、自分がやらかした試合しか覚えていないので…(苦笑)。特に印象に残っている試合はないですね(笑)」
Q:ここにきてキックの種類がさらに増えている印象だが、成長する原動力とは?
「チームの勝利ですね。選手が成長しないと、チームも成長しない。もちろん、チームに支えてもらって個人が成長することもありますが、個人個人が力を上げていかないと、チームも成長しない。あとは、最近はどのチームも分析力が高いので、自分も1つだけではなく、2つ3つと武器をもっておかないといけないと思って練習しています」