Match Review
- 5/3 G大阪戦
- メディア
公式戦60回目の大阪ダービー。レオ セアラ、加藤陸次樹の両ストライカーが結果を残し、劇的な勝利を飾る
■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2023050308/
公式戦60回目の大阪ダービーに挑んだセレッソ大阪。先発は、前節のサンフレッチェ広島戦と同じ11人。連敗阻止へ、さらには上位へ食らい付く勝点3だけを目指し、敵地へ乗り込んだ。
前売りでチケット完売、快晴の空の下、試合前からダービーらしい熱気に包まれた一戦は、立ち上がり、セレッソは自陣でのパスミスが続き、ピンチを招く。ただし、最後の場面では松田陸や鳥海晃司が体を張ってシュートは阻止。粘り強い守備を見せると、攻撃では、10分、14分と香川真司が高い位置でボールを奪ってチャンスを作る。
すると28分、セレッソが先制に成功。マテイ ヨニッチ、鳥海、山中亮輔とつなぎ、左サイドから山中が中に付けた斜めのパスを香川がスルー。中央で受けた奥埜博亮が華麗なターンで相手2人をかわして右サイドへ展開すると、松田陸の精度の高いクロスに合わせたのはレオ セアラ。自身今季5点目となる豪快なヘディングを叩き込み、試合を動かした。前半はこのまま1点リードで終了。ワンチャンスを生かしたセレッソが強かに試合を進めた。
後半は、前半でイエローカードを1枚もらっていた松田が「連戦とリスク管理」(小菊昭雄監督)のため交代。中原輝が右ウィングに入り、毎熊晟矢が右サイドバックに下がった。ただし56分、人が変わった右サイドをガンバに崩され失点。ここから勢いが増したガンバの攻勢を受ける展開となる中、指揮官は早めの交代を決断。60分、為田大貴に代えて上門知樹、68分には、レオ セアラと原川力を下げて加藤陸次樹と北野颯太を投入。システムを[4-4-2]に変更し、前からのプレス強度とカウンターの精度を高める。「(ガンバが)バランスを崩して攻めてくることも想定していた。しぶとくCBにフタをしながら、ボールを奪って、スピードのある4人でカウンターを狙う意図で、[4-4-2]にした」と試合後に狙いを明かした指揮官だが、その狙いを選手たちがピッチで具現化。
ガンバにボールは握られ、押し込まれる時間こそ長かったが、両センターバックとGKキム ジンヒョンを中心に最後は体を張って守ると、いい守備からカウンターにつながる場面も作り出す。88分には、ガンバの決定機でキム ジンヒョンが好セーブを見せると、直後にカウンターからセレッソにビッグチャンス。上門がドリブルで運んで北野へパス。ただし、ここは北野が前を向けず、シュートには持ち込めない。
試合終盤は戦いの構図が明確になる中、試合を決める次の1点をモノにしたのはセレッソだった。90分、宇佐美貴史のクロスを山中がクリアしたところからロングカウンターを発動させると、上門、香川、北野と素早くつないで縦に進入。北野がドリブルで持ち運び、後ろから凄まじい勢いでスプリントしてきた山中へパス。山中が前向きのトラップから狙いすましてファーサイドへクロスを上げると、「(山中と)目が合った。絶対に(クロスが)来るという気持ちで飛び込んだ」加藤がヘディングを叩き付け、ネットを揺らした。この瞬間、ピンクで染まったビジター席が沸騰。セレッソベンチも一体となり、大歓声に包まれた。
直後、小菊監督は香川に代えて進藤亮佑を投入。[5-4-1]で試合を締めにかかる。それでもラストワンプレー、粘るガンバに決定機を作られたが、ここで立ちはだかったのがキム ジンヒョン。至近距離から放たれたイッサム ジェバリのシュートを驚異的な反応でセーブ。土壇場での同点弾を防いだ。直後のCKもしのいだセレッソが劇的な勝利を収め、リーグ戦における敵地での大阪ダービー4連勝を飾った。試合後の取材エリアでは、「チームを勝利に導けたことを嬉しく思います。今日のゴールも大阪ダービーの歴史に刻まれたと思うので、本当に興奮しました」と加藤が歓喜の表情で話せば、「素晴らしい環境を作ってくれたセレッソファミリー全員で喜ぶ勝利。みんなで喜べて本当に良かった」とキム ジンヒョンが安堵の笑顔を浮かべた。敵地での大阪ダービー勝利という最高の結果を勢いに変え、次節、セレッソはホームに鹿島アントラーズを迎える。