Match Preview
- 6/3 名古屋戦
- メディア
上位相手に試される現在の力。名古屋の堅守を打ち破り、速攻にも警戒して4連勝を目指す
ホームで横浜FCを破り、今季初の3連勝を達成した前節から中5日。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、名古屋グランパスとの明治安田生命J1リーグ第16節に挑む。上位を追いかける5位のセレッソにとって、勝点3差で迎えた3位・名古屋との対戦は、今後を占う上でも非常に大きな一戦だ。
前節の横浜FC戦、セレッソは序盤からしっかりボールを動かし、両サイドもうまく使って攻め込むと、前半終了間際、香川真司がニアゾーンで起点を作って相手を引き付け、毎熊晟矢のクロスに逆サイドから為田大貴が飛び込み先制。試合終了間際にも、再び香川が相手のペナルティーエリア内へ進入したところからチャンスが生まれ、最後は途中出場のカピシャーバと中原輝が絡んでゴール。
「(前々節の湘南ベルマーレ戦も含め)色んな形でチャンスを作れていることは、今年の成長」と小菊昭雄監督も手応えを語る。守備でも、前節は相手のシュートを3本に抑えて無失点を達成。公式戦では4試合連続クリーンシートと安定感は増している。そうした攻守に上向きな状態で迎える今節の名古屋戦。今週の練習後、「ここで勝たないと上にはいけない。自分たちの現状が分かる試合になる」(香川)「次からの2試合は上のチームとの対戦。自分たちの力が試される」(毎熊)と奇しくも選手たちは似た表現で今節の重要度を語った。今節のもつ意味合いを、より具体的に言及したのは進藤亮佑。「今季ここまで、ここを勝てばトップ3、優勝争い、というゲームで結果を出せていない。今節も拮抗した展開になると思うけど、何とか勝ち切りたい」。さらに進藤は、「たとえ無失点が止まったとしても、0-0で引き分けるより5-4でも勝ちたい」と独特の表現で勝利に対する強いこだわりを示した。
名古屋も現在は連勝中。前々節はサンフレッチェ広島に、前節は北海道コンサドーレ札幌に、ともに内容的には支配される時間も長く、シュート数では上回られながらも、要所を締める守備、さらにはセットプレーやカウンターといった攻撃でチャンスを決め切る決定力を示して勝利を重ねた。セレッソとしても、GKランゲラックを含めた名古屋の堅守をどう打ち破るか、縦のスピードに特長がある相手3トップのカウンターをどうケアするか。そのあたりの要素が勝利するためには求められる。攻撃では、最大の強みであるクロスを生かすためにも、前節と同じく、その前の作りが大事になる。効果的なサイドチェンジからサイドで数的優位を作ること、ニアゾーンを取ること、名古屋の3バックを動かし、空いたスペースで決定的なシーンを作りたい。もちろん、前にかかり過ぎるとカウンターを受ける恐れもあり、そのバランスは難しい。ただし、安全なパス回しでは成果は得られない。決定力が高いキャスパー ユンカーらの動きには常に気を配り、リスク管理も徹底しながら、人数をかけて相手ペナルティーエリア内へ入っていくことでゴールを奪いたい。
名古屋には、昨季はホーム、アウェイとも0-1で敗れた。特に最終節のホームでの一戦は、内容的には押し込みながらも1点が遠く、ほぼラストプレーで失点する悔しさを味わった。「強度を増してくる相手に対し、我々が成長を示すことができるか。そこが大きなポイントになる」と小菊監督。キャンプから積み重ねてきた攻守を発揮し、難敵を打ち破ることで、よりチームとしての自信を大きくしたい一戦だ。
試合前日コメント
小菊昭雄監督
Q:前節の試合後は、「もう一つ突き詰めて、クオリティーを上げていく、強度を上げていく、戦術理解を深めていく、そういったことも必要」とチームを引き締める発言もあったが、今週の練習の取り組みについて
「まず、名古屋のサッカーを知ること、そして、自分たちのクオリティーを上げていく、戦術理解を深めていくこと。選手たちは、いま必要なことを感じてトレーニングしてくれています。今週の練習も、一つ一つのプレーにこだわったトレーニングができました。競争という意味でも、これから天皇杯も含めて連戦がありますので、それぞれのポジションでいい競争をしながら素晴らしい準備ができたと思います」
Q:堅守速攻が武器の名古屋に対し、昨季はホーム、アウェイとも0-1で敗戦。特にホームでは内容は良かったが、惜しくも敗れた。今季、名古屋に勝利するために、必要だと考えることは何でしょうか?
「最近対戦した湘南、横浜FC、今回の名古屋は、3バックをベースに堅い守備からカウンター、そういったストロングポイントが似ているチームとの対戦が続いています。私たちは、昨年はそうしたチームを苦手にしていたことも認識していますが、そういったチームを相手に、自分たちのスタンスを変えず、引きこもって受けるのではなく、重心を前に、私たちのスタイルを貫きながらもゲームをコントロールできています。攻撃面でも、守備では5バック気味になる堅い相手に対して、たくさんの選手が関わってゴールするシーンがありました。いい守備からいい攻撃につなげるという、昨年の良さを発揮して得点を奪うシーンもありました。色んな形でチャンスシーンを作れていることは今年の成長だと思います。明日、さらに強度を増してくる相手に対して、我々が成長を示すことができるか。そこが大きなポイントになってくると思います」
Q:3試合連続クリーンシートで勝利できている守備の安定感、チームのバランスについて
「京都戦からシステムを変えましたが、一戦一戦、内容を伴った勝利を重ねられています。日々のトレーニングでも、選手個々の成長を感じます。グループ、チームでの意思疎通が深くなり、イメージの共有がよりハッキリし始めたと感じることも多いです。チームとして攻守にバランスが取れてきたことが、無失点につながっていると思います。今節も、名古屋のストロングポイントを出させないようにしながらも、自分たちのサッカーが出せるかどうかが大事なポイントになると思います。正面からぶつかっていきたいと思います」
Q:大雨の影響で、今日の練習は時間を取ることが難しかったと思うが、短い時間の中でチームに落とし込んだことは?
「今日の悪天候は昨日から予想されていましたので、昨日の練習の中で、ミーティングや練習量、戦術的なトレーニングも含めて、(今日の分も)ウエイトを置いてしっかり行いました。名古屋の分析、それに対して我々がどのように攻守で戦っていくのか。そういったゲームプランは、昨日、全員で行いましたので、今節に向けた準備はしっかりとできました。今日に関しては、コンディション中心にトレーニングを行いました」
鈴木徳真選手
Q:前節は素晴らしい内容で勝利を収めたが、鈴木選手自身が心掛けていたプレーは?
「いっぱいボールに触ること、ゲームをコントロールすることを意識して試合に入りました」
Q:リーグ戦では8試合ぶりの先発でしたが、意識はされましたか?
「先発でもサブでもやることは変えない、という自分の中での決まりがあるので、スムーズに試合に入れたと思います」
Q:香川選手とダブルボランチでプレーした感触、手応えは?
「真司さんも狭いところで受けるのが上手ですし、数々の経験をされたサッカー観というところで、僕のやりたいことと真司さんのやりたいことをうまく絡め合わせることもできました。真司さんの戦術理解度の高さによって助けられたことも多かったと思っています」
Q:前節はボランチ2人のサイドを変える展開も効果的だったが、今後もこのチームのストロングであるサイド攻撃をうまく生かしていきたい?
「そうですね。相手がどういうシステムで、どこに穴があるのか見つけた上で、サイドチェンジやサイドに展開していくボール回しは有効的に使いたいと思います」
Q:今節は、より守備での強度が高い名古屋が相手。前節ほど中盤での自由は与えてくれない可能性もあるが、今節、必要になるプレーをどうイメージしていますか?
「早く次に出すところ、受け手を見つけること、中途半端なプレーをしないことが重要になると思います。相手は守備も堅く、カウンターも速い。中途半端なプレーはせず、分かりやすいプレーを心掛けて、次の出し手をすぐに見つけておくことがカギになると思います」
Q:リーグ戦では3試合連続クリーンシートで勝利していますが、守備の安定についてどう感じていますか?
「4-4-2になって、やることがハッキリしたと思います。ヨニッチ選手がケガをしたあと、進藤選手が入りましたが、そこからクリーンシートも続いています。試合に絡んでいなかった、もしくは途中から出ることが多かった選手が最初から出て、チームに勢いを与えてエネルギーを増していると思います。進藤選手の活躍や、システムをハッキリしたこと、あとは全体の統一性、バランスが取れたことが無失点につながっている要因だと思います」
Q:ゾーンで守るときに、4-4-2の方が守備でのバランスは取りやすい?
「色んなポジションでプレーできる選手がいて、形も4-3-3だったり、4-2-3-1だったり、4-4-2だったり色んなシステムがありますが、一番どこに人が立たないといけないか、どこを守らないといけないか、ということが分かりやすいのが4-4-2だと思います。その結果、分かりやすく守備が整って、失点ゼロで守れているのだと思います」
Q:4-4-2での攻守については、昨年からの積み重ねも生きている?
「昨年いた選手にプラスして、今年新しく入った選手もいます。昨年いた選手は引き続き同じことをして、昨年在籍していなかった選手もみんなと共通意識をもってできるようになってきたと思います」
Q:先日、第二子が誕生されたということで、おめでとうございます。お子さんの存在は鈴木選手にとってやはり大きいですか?
「そうですね。子どもは僕の中で、凄く心強いというか、後押ししてくれます。家族は僕の中で必要な存在なので、子どもがもう一人増えたことは凄く嬉しいです。背負うものも増えたということで責任感も強くなりますし、色んな意味で、自分を強くしてくれます」