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- 6/18 G大阪戦
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今季3度目の大阪ダービー。“今後”につながる大きな1勝を、全員の力でつかみ取りにいく
直近の明治安田生命J1リーグ第17節・ヴィッセル神戸戦における劇的な勝利の余韻も冷めやらぬ中、舞台をJリーグYBCルヴァンカップに移し、セレッソ大阪は再び大一番、ガンバ大阪との大阪ダービーを迎える。グループステージ突破へ向けて状況は厳しいが、何より大阪ダービーに求められるものは勝利のみ。強い意気込みで今季3度目の大阪ダービーに挑む。
「いつもそうですが、ダービーの週は、私もそうですし、選手も独特な緊張感でピリッと締まった雰囲気の中で、集中力の高いトレーニングが行われています」。試合前日、冒頭でそう話したのは小菊昭雄監督だが、大阪ダービーに勝つこと、その一心で、チームは今週の練習に励んできた。神戸戦では、喜田陽や舩木翔といった、これまでリーグ戦では出場機会の少なかった選手たちが先発をつかみ、勝利に貢献した。それにより、チームの競争力は一段と高まった。「逆に、いま悔しい思いをしている選手は『ルヴァンでチャンスをつかむ』という雰囲気で練習に取り組んでくれている」(小菊監督)。昨年からの既存選手、新戦力、ベテラン、若手を問わず、どのポジションも競争が活性化している現在、今節の大阪ダービーではどの選手が輝くか。ピッチで躍動する姿に期待したい。天皇杯、J1リーグ戦、ルヴァンカップと、3つの大会をまたいで3戦連発を目指す北野颯太も、「ガンバ大阪は絶対に負けたらアカン相手。個人的にも連続得点できるように準備します」と試合に向けた意気込みを話す。
大阪ダービーは今季すでに2度行われており、セレッソは1勝1分と負けていない。ただし、ガンバ大阪も現在リーグ戦では3連勝中と調子を上げている。「監督が代わられて、攻守にデザインの共有ができてきている。それが結果につながっていると思います」と小菊監督も相手の状態を分析する。「敵地でグループステージ突破を決める」というモチベーションも高いだろう。それだけに、セレッソとしても、戦術、個々のバトル両面で、一歩も引くことはできない。相手のボール保持に対し、プレスからのショートカウンター、さらには状態を上げているジョルディ クルークスとカピシャーバが陣取る両サイドもうまく活用し、ゴールに迫りたい。セレッソが逆転でグループステージ突破を決めるためには、他グループの結果に加え、自分たちがより多くのゴールを重ねる必要がある。まずは最初の1点、勝利を呼び込む先制点を目指し、焦れることなく試合を進めていきたい。
グループステージ突破へ向けては厳しい状況に置かれているセレッソだが、「最後がダービーということで、私からモチベーションを上げる作業をする必要はなかった」と小菊監督。最後まで諦めずに戦い、大阪ダービーに勝つことは、必ずや今後のシーズンにもつながっていく。チームとして成長曲線に入ってきた今だからこそ、そのスピードを加速させる1勝を、選手、サポーター、全員の力でつかみ取りにいく。
試合前日コメント
小菊昭雄監督
Q:今週の練習も含め、今季3度目の大阪ダービーに臨む現在の心境について
「いつもそうですが、ダービーの週は、私もそうですし、選手も独特な緊張感でピリッと締まった雰囲気の中で、集中力の高いトレーニングが行われています。ダービーだな、ということで私自身も気が引き締まる思いです。神戸戦の勝利の余韻もありながらも、また新たな気持ちで素晴らしい雰囲気の中でトレーニングできました」
Q:神戸戦では決勝点の北野選手以外にも、喜田選手や舩木選手らアカデミー出身選手たちの活躍が光りました。西尾選手も含め、明日、彼らに期待することについて
「彼らはアカデミーの頃からセレッソのエンブレムをつけて、何度もガンバ大阪と対戦してきました。この一戦がどれだけ重い試合なのか。彼らはそういう試合を重ねて成長してきました。ガンバ大阪には勝たないといけない。そういう全員の思いを背負って、100%のパフォーマンスで勝利に貢献して欲しいと思います」
Q:神戸戦では、喜田選手が厳しいところ、相手の嫌なところに縦パスを付けていたが、そのあたりの評価は?
「おっしゃる通り、陽の一番のストロングポイントは、一番シビアなところでボールを受けて、相手の嫌がるところに差していく。そこと、長短を織り交ぜたゲームメイク。そして守備のところもバランスを保ちながら、球際で強くボールを奪い切る。そういったところも成長を感じます。明日の試合も、独特な雰囲気の中でも、彼が成長した姿をパフォーマンスとして発揮して欲しいと思っています」
Q:北野選手はJ1初ゴール以降、今週の練習で何か変化は見られましたか?
「不思議なもので、選手は結果を出すことによって、メンタルが整って、今週も素晴らしいパフォーマンスを連発していました。キレキレでした。彼もいろんな悩みを抱えながら、結果に飢えて、それが焦りになっていた部分もあったと思います。一つ、重い荷物を下ろしたような感じで、今週はイキイキと走り回っていました。成長スピードを一気に上げるためにも、明日のパフォーマンスと勝利を彼自身がつかみ取って欲しいと思います」
Q:大阪ダービーに勝つことが大前提にある中で、グループステージ突破に向けては大量点も必要になる試合だが、そのあたりはどこまで試合に影響する?
「明日は、とにかく勝ちたい。勝たなければいけない試合です。毎試合、内容と結果にフォーカスして臨んでいますが、ダービーは、何より結果。毎回、選手たちとも共有していますが、とにかく結果。そこにこだわって戦いたいと思います」
Q:グループステージ突破に向けては厳しい条件の中で、今週のトレーニングの中でどのようにモチベーションを上げていかれた?
「最後がダービーということで、私からモチベーションを上げる作業をする必要はなかったです。冒頭に申し上げた通り、独特なピリッとした緊張感の中、集中力の高い素晴らしい準備ができました。いつも通り、ダービーで選手たちが躍動する姿を楽しみにしています」
Q:ガンバ大阪は直近のリーグ戦で3連勝と調子は上向きだが、どのように映っていますか?
「監督が代わられて、攻守にデザインの共有ができてきていると思います。それが結果につながっていると思います。リーグ3連勝で、いい雰囲気で明日の試合に臨んでくると思います。前回のリーグの悔しさを、明日は逆にヨドコウ桜スタジアムで晴らすという強い気持ちで向かってくると思うので、魂と魂のぶつかり合いになると思います。私たちも、局面、局面でのバトル、球際だけではなく、切り替えのところも含め、局面のバトルにこだわって戦うことによって、自ずと試合の結果にもつながっていくと思います」
Q:大阪ダービーで勝利することによって、チームもまた一段と成長する?
「そうですね。いまチームは成長著しい状態です。個々で見ても、グングン成長している選手もいます。ダービーはいつの試合もそうですが、ダービーに勝つことによって、いろんな成長スピードが一気に上がります。明日も必ず勝って、リーグ戦の折り返し、今後の試合につなげていきたいと思っています」
舩木翔選手
Q:今年3度目の大阪ダービーに臨む意気込みについて
「ダービーはどの試合よりも大事な試合ですし、小さい頃からセレッソでサッカーをしてきているので、大阪ダービーに対する気持ちは強いです」
Q:アカデミー出身の舩木選手にとって、やはり大阪ダービーは特別な舞台ですか?
「はい。アカデミーから育ってきた中で、中学、高校では、自分たちと同学年の相手にはあまり勝てなかったですが、トップチームに上がって、近年は自分たちがガンバ大阪に勝っています。どの年代でも、『ガンバ大阪には負けるな』と教えられてきたというか、負けたくない思いで生きてきました。ほんとに、負けられない思いは強いですね」
Q:現在のガンバ大阪をどう見ていますか?
「ボール保持に特長があるチームだと思っています。自分たちもボールをもちたい中で、相手もボールをもちたい試合になると思います。ただ、自分たちは攻撃のバリエーションとして、ショートカウンターもありますし、相手がボールを保持する中で隙を見つけていきたいと思います」
Q:現在、個人としては何を大切にしながらプレーしていますか?
「自分の前に入るサイドの選手の特長を生かすことが、自分が一番大切なこと。その選手を見ながら、自分のポジションを取ることを意識しています」
Q:神戸戦では、カピシャーバ選手との縦関係でスローインを獲得し、そこから先制点も生まれたが、現状、彼との連係について
「カピは武器がハッキリしている選手ですし、突破力が凄い。そこを自分がうまく生かしつつ、カピがサイドに開いて自分が中で受けるシーンもあります。自分が外に開いてカピが中に入る形を作ってもいいのかなとも思います。いまは後ろから自分がつないでカピが1対1で仕掛ける場面が多いですが、そこに加えて、自分も関わって、ワンツーなどで崩す形も増やしていきたいです」
Q:神戸戦では、武藤選手とのマッチアップでよく抑えていたと思うが?
「ヘディングでの競り合いや、クロス対応で体をぶつけること、自分が先にポジションを取って勝てる場面は多かったですが、同時に飛ぶ場面や相手のゴールキックでの対応では負けることもあったので、そこまでうまく対応できた感覚はないです」
Q:守備については、昨年CBをやったことが、SBでプレーする今も生きていますか?
「ゴールを守る部分で言うと、CBもSBも変わらないとは思いますが、CBをやったからこそ、CBがカバーに来て欲しい場所も分かったのかなと思います。相手のクロスに対して入ってくる人数が増えれば増えるほどマークは見失いがちですが、相手より先にポジションを取ってボールに対応する部分は、CBをしたからこそ分かる部分かなと思います」
Q:神戸戦では攻守に貢献が光ったが、今後、どのようなプレーで貢献していきたい?
「攻撃の部分では、チームでデザインしているサッカーがあるので、それをやりながらも自分の色を出すことを目指していきたいです。守備では、何よりもゴールを守ること。毎試合、失点ゼロで抑えることにこだわりながらプレーしたいです」