Match Preview
- 8/12 柏戦
- メディア
公式戦の連敗を止め、上位に食らい付く勝点3をつかむために発揮したい決定力
中断期間が空けてリーグ再開2試合目となる今節。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、柏レイソルとの明治安田生命J1リーグ第23節に挑む。上位に食らい付くためにも勝点3だけが求められる一戦。前節、遠かった得点を取るために、「それぞれが描くイメージをチームで共有し、一つ一つの精度を高めていく」(渡邉りょう)ことが必要になる。
PK戦の末に敗れた天皇杯ラウンド16から中3日で臨んだ前節のFC東京戦は、天皇杯で敗退したショックから切り替え、リーグ戦で力強く再スタートを切るためにも勝利が欲しかったが、結果は0-1で敗戦。シュートの数やボール保持率では上回り、決定機も何度も作ったが、モノにすることができず、開始8分の失点が最後まで重くのしかかった。「天皇杯で敗退して(前節の)リーグ戦も流れは良い中で負けた。1週間で2試合のタフな連戦で連敗したので、精神的にも肉体的にも当然、疲労はある。ただ、ここで落ちないようにしたい。今節は本当に大事。個人的にも、この2試合は不甲斐ない結果になった。奮起する気持ちは強い」。9日の練習後、今節に向けて香川真司はそう意気込みを話した。もちろん、ここまでチームを引っ張ってきた背番号8だけではなく、今節はチーム全体が正念場。ズルズルと順位を下げるのではなく、ここで奮い立ち、トップ3にしっかりと付いていきたい。今週の公開練習では、自陣からボールを運び、フィニッシュで仕留めるトレーニングが繰り返し行われた。「今季のテーマである攻撃でゲームをコントロールできる時間が増えてきたことは成長を感じる。ボールを握って、どうゴールにつなげていくか。チームとしての規律やデザインを共有すること。個人の質や精度を上げていくこと。その両輪を残り12試合でさらに高めていきたい」。キャンプから継続している練習だが、狙いについて小菊昭雄監督はそのように話す。前節はカピシャーバとともに左サイドからチャンスメイクで貢献した舩木翔も、「ビルドアップの部分は試合を重ねながら良くなってきた」と手応えももちつつ、「最後のクロスを跳ね返されるシーンもある。その精度を上げていきたい」と得点につながるプレーの質にこだわりを見せる。サイド、中央とバリエーションを広げることも現在のチームのテーマ。「武器であるクロスに加え、中へパスを差してコンビネーションで崩していくことも必要。(取られて)カウンターを受けるリスクはあるが、そこはカウンタープレスを徹底することで(リスクを)回避したい」(小菊監督)。中と外を使い分けることで相手を揺さぶり、得点につなげていきたい。
柏は前節、井原正巳監督体制になってリーグ初勝利を挙げた。天皇杯ラウンド16から続けて1-0で勝利しているだけに、守備に対する自信も深めているはず。セレッソとしては、その柏のディフェンスをどう打ち破るか。仕上げを託されるFWにかかる期待は大きい。前節は出場停止だったレオ セアラは、「前節は先制点を決められたことで難しい展開になった。今節は僕らが先に取って、優位に試合を進めたい」と、自身公式戦5戦連発を目指す。J1デビュー戦でJ1初ゴールという快挙を逃した渡邉も、「落ち込んでいる時間はない。スピードや裏へ抜ける部分は(J1でも)通用すると思った。どうボールを引き出してゴールに迫る回数を増やすか。チームメートとコミュニケーションを取って、その数を増やしていきたい。そうすれば必然的にゴールは生まれると思う」と今節でのJ1初ゴールを見据える。上門知樹、北野颯太も含め、FW陣がネットを揺らすことが勝利に大きく近づく。攻撃で練習の成果を見せたい一方、柏の鋭いカウンターにも警戒が必要だ。細谷真大、マテウス サヴィオと、ボールを運べてゴールを決めるタレントをしっかり抑えることができるかどうかも、今節の勝敗に直結する。天皇杯ラウンド16に続きホーム開催となった前節も、スタジアムの雰囲気は最後まで選手を後押しする空気に満ちていた。「この2試合、サポーターが見せてくれたことに対して、勝利で返したかった」と香川も悔やむ。それだけに「次、必ず勝てるように準備したい」と今節での必勝を誓う。直近2試合の敗戦を払拭して前を向く、大きな一勝を手にしたい。
試合前日コメント
小菊 昭雄監督
Q:今節に向けて、今週の練習で取り組んだことは?
「この2試合、残念ながら結果は出なかったのですが、自分たちで、攻撃でゲームを支配する部分に関しては、狙い通り、キャンプから積み上げてきたいいところはたくさん出ました。あとはファイナルゾーンでの崩しの質、イメージの共有、規律の共有。そういったところを徹底的にトレーニングした1週間でした。その練習の成果を明日の大事な柏戦で発揮したいと思います。明日、勝つことによって、トップ3という目標にもまたグッと近づく。内容は良いので、得点を決めて勝ち切ることで、またチーム力は一気にアップすると思います」
Q:監督交代があったのはかなり前だが、改めて、井原正巳監督になった柏レイソルの印象について
「ネルシーニョ監督のサッカーに、井原監督の前への推進力、守備の固さが出ていると思います。新加入選手も入り、中断期間も経て、積み上がっている印象を受けています。特にこの2試合は結果も出ていますし、元々、柏は前にはタレントが揃っており、後ろも経験ある選手がたくさんいます。チームが一つになって、一つ一つ積み上げている印象をもっています」
喜田 陽選手
Q:チャンスは多く作りながら無得点に終わった前節ですが、今週、あの試合をどう捉えて練習しましたか?
「得点を取れるチャンスは増えている中で、前節は決め切るところが足りませんでした。もう少しみんなでイメージを共有してプレーすることで、ゴールは生まれると思うので、そのあたりを意識して練習しました」
Q:今週は攻撃のトレーニングに時間を割いたということですが、ゴールを奪うために、ボランチとして何を心掛けてプレーしたい?
「ボランチが多くボールに触ることで、相手はプレスに出てこないといけなくなります。相手の走る距離が増えれば、夏場はストレスにもなると思うので、ボランチがボールを多く触って前に運ぶことは意識したいです」
Q:サイド攻撃と、縦につける攻撃。その使い分けは、喜田選手のプレーを見ていると体現されていると思うが?
「前節のFC東京戦も、後半、攻め込む場面が増えた中で、縦に入れる回数も増えましたが、前半から縦パスを増やしていくことで、ゴールに向かう場面は多くなると思います。チャンスがあれば、そういう場面を増やしていきたいです」
Q:最近のプレーを見ていると、縦へのパス、ボールを受けて前を向こうとする印象を受けます。意識の変化はありますか?
「特に以前と比べて意識が変化した、ということはないですが、縦につけることでゴールに向かう場面は増えると思っています」
Q:先発で出る機会が増えている中で、現在の自身のプレーに対する手応えは、どのようにもっていますか?
「僕のポジションは、5分、10分で仕事をするポジションではないと思うので、多くの時間に出ることで成長できますし、課題も見つかります。1試合1試合、大切にプレーしたいと思っています」
Q:第18節の札幌戦で素晴らしいミドルシュートを決めたが、現在、シュートへの意識、ゴールについては、どう考えていますか?
「ボランチで組む香川真司選手のプレーを見ながらプレーしている中で、僕自身ももっとゴール前に入っていくタイミングを増やしたいと思っています」
Q:チームとして得点を取るために、ボランチから攻撃に厚みを加える時間帯も必要になる?
「前節はチャンスを多く作る中で、クロスが多かったですが、そこにプラス、ボランチがもう一つ前に関わることで攻撃に厚みも出ますし、バリエーションも増えます。そこは意識したいです」