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Match Preview

  • 9/2 川崎F戦
  • メディア

今季2度目の3連勝へ。強度の高い連続した守備、鋭いカウンターで川崎撃破を目指す

 

名古屋グランパスとの激闘を制した前節から中6日。セレッソ大阪は、再びホーム・ヨドコウ桜スタジアムにて、川崎フロンターレとの明治安田生命J1リーグ第26節に挑む。前節の勝利の結果、3位との勝点差を『3』に縮めたセレッソ。目標のトップ3が視界に入ってきたこのタイミングで今季2度目の3連勝を果たし、一気に上位との差を詰めたい。


前節の名古屋戦は、序盤から激しく試合が動いた。9分、上門知樹の今季3点目でセレッソが先制するも、直後のキックオフからすぐに追いつかれる。その後も攻守の入れ替わりが激しい一進一退の展開が繰り広げられた中、後半に入り、セレッソは2度のピンチでGKヤン ハンビンが立て続けにビッグセーブ。守護神の活躍に呼応するように、71分、上門がこの試合2点目となる一撃を叩き込み、勝ち越しに成功した。その後は西尾隆矢を投入して5バックで守備を固めつつ追加点を狙うと、88分、途中出場のコンビからダメ押しの3点目。渡邉りょうのパスを受けた北野颯太が巧みに前を向き、自身J1通算2点目を決めて白熱の上位対決を制した。


3連勝を目指す今節の相手は川崎。現在はリーグ戦5試合未勝利と結果こそ出ていないが、「川崎は川崎。強いチームであることに変わりありません」と小菊昭雄監督も話すように、セレッソに慢心の二文字はない。“大一番”と位置づけた前節と変わらないメンタルで臨むことが何より重要であり、局面における個々のバトルで競り勝つことが、試合の結果にも大きく影響する。その上で、戦術的には、8月の柏レイソル戦、横浜FC戦、名古屋戦とは、やや毛色の異なる試合になりそうだ。前述の3チームは堅守速攻を軸に向かってきたが、川崎はボール保持を特長とするスタイル。セレッソとしては、川崎のビルドアップをいかに封じるかがカギであり、アグレッシブな守備から主導権を握る展開になる可能性が高い。奪ったボールはレオ セアラと上門の2トップが素早くスペースを狙いつつ、そのままゴールを目指す形、もしくは左サイドのカピシャーバ、右サイドのジョルディ クルークスと毎熊晟矢のコンビで厚みを加え、川崎の守備陣に襲い掛かる形。中盤でゲームをコントロールする香川真司と喜田陽を中心に速攻と遅攻を使い分け、敵陣に入っていきたい。日本代表へ初選出された毎熊のプレーにも注目が集まる中、直近の数試合と同様、積極的な攻撃参加からアシスト、得点にも期待したい。


今週の練習後、3位との勝点差が『3』に縮まったことを問われた香川は、「1試合1試合だと思っています。(トップ3は)目標としては見ないといけないけど、僕たちが見ないといけないのは次の試合。まだ上とは勝点差がある。次の試合に目を向けて、どう勝ち抜くか、改善していくか、そこしか考えていません」と引き締まった表情で話した。“一戦必勝”を続けた先にしか高みは見えてこない。現在、持つべきメンタルを、チームを代弁して背番号8は訴えた。今季ここまで、ヨドコウ桜スタジアムでは、首位の横浜F・マリノス、2位のヴィッセル神戸、3位の名古屋、4位の浦和レッズと上位陣を全て撃破している。今節もサポーターが作り出す熱も力に変えて、近年のJ1を引っ張ってきた川崎から大きな一勝をつかみたい。

 

試合前日コメント

小菊昭雄監督


Q:発表前日、監督自身も「楽しみにしている」と話していた毎熊選手が日本代表に選ばれました。クラブにとっても嬉しいニュースだと思いますが、本人にかけた言葉と、明日の試合で期待することについて

「本人に伝えたのは、『おめでとう』という一言です。それと強い握手をしました。その強い握手に気持ちを込めました。言葉は一言でしたが、私の嬉しさを全面に表現した握手になったということは、彼にも伝わっていると思います(笑)。代表に選ばれたからと言って、特別なタスクを与えることはないですし、いつも通りチームのために攻守に躍動する。そういう存在であり続けて欲しいですし、明日も大切なキーマンとして引っ張っていって欲しいと思います」


Q:毎熊選手自身は昨季セレッソに来た当初は、「まずJ1の試合に出ることが目標。もちろん代表も目指してはいるが、まだ現実的ではない」という話もあったが、当初から「小菊監督には『代表を目指せ』と言われ続けていた」とも話していました。監督としては、毎熊選手がセレッソに来た当時から、それだけのポテンシャルがあると思われていた?

「そうですね。彼が来たときから、近い将来、セレッソの右サイドバックとしてこのチームを引っ張る。そのタイミングで日本代表に入っていく。そのイメージは強く抱いていました。長年、セレッソには松田陸という素晴らしい選手が右サイドバックに君臨していました。その高い競争の中でマイクが勝ち取れるか。彼にとっては難しいテーマだったと思いますが、松田陸という素晴らしい右サイドバックを追い抜いた暁には、日本代表になれる選手だということは、当時から強く思っていました。その思いを彼には伝えるようにしていました」


Q:もう一つ、毎熊選手は以前、「代表入りへ、『どれだけ自分自身が自分を信じられるかが大事だ』という言葉を監督からもらった」という話もされていました。どういう時期に、どういうシチュエーションで話されたか覚えていますか?

「他の選手もそうですが、彼も順調に試合に出続けたわけではありません。困難な時間もありました。恐らく、その困難な時期にかけた言葉だと思います。もちろん、右サイドバックには先ほど申し上げた松田陸という素晴らしい選手がいました。右サイドハーフにも今季はジョルディがいますし、昨季から今季途中までは中原輝もいました。色んな競争がありました。その中で、試合に出ていないときに、彼にその言葉を伝えたと思います。私は近い将来、彼が代表へ行くことは確信していましたが、自分自身がそれを疑うと、その目標や夢も止まる。苦しくて困難な時期だったとしても、強い目標をもってやっていれば、困難も自然と乗り越えられる、というメッセージを込めて、彼には伝えました」

 

Q:日本代表に入ったことで注目度も上がると思います。初めて彼を見るファン、サポーターもいるかと思いますが、監督から見る彼の良さとは?

「あれだけ攻撃センスがあって、守備能力も高い選手はなかなかいません。何よりもチームのために走り、戦い続けることができる。どんな選手も人間ですので、どこか一つはウィークポイントがあるモノですが、マイクの場合は全ての基準が高い。そこが彼の一番の武器だと思います。攻撃、守備、切り替え、運動量、球際のバトル、自己犠牲、そうした心技体が整っていることが、彼の一番の持ち味だと思います。明日、初めてセレッソの試合を見られる方は、そこをイメージしながら見て頂ければ、彼の良さは伝わると思います」

 


Q:近年、セレッソはJ2から上がってきた選手がJ1で活躍して日本代表まで上り詰めるケースが増えています。その秘訣はどのように考えますか?

「まず一つ挙げられるのは、J2で活躍している選手をスカウティングして獲得に至る。その強化部の目。そこが素晴らしいと思います。その上で、才能がある選手が環境、仲間との競争、刺激、色んなことが彼らの成長につながっていると思います。タツ(坂元達裕)にしてもマイクにしても、トリ(鳥海)や徳真、ジョー(上門)もそうです。名前を挙げればキリがないですが、たくさんの選手がJ2を経験してJ1に来て、セレッソで中心として活躍してくれています。ギラギラした才能をもった選手が一気に環境で成長する。チームの雰囲気の良さ、トレーニングや強度、そうしたことも関係してくると思います。ただ、何よりも、同じような環境で戦ってきた選手たちが常に刺激し合って日常を大切に過ごしていること。これが全てだと思います。私自身、このクラブで長年コーチとして仕事をさせてもらって、たくさんの選手が代表、海外に巣立っていく姿を見てきました。その中で代表に入る基準は理解しているつもりですが、マイクだけではなく、まだまだその基準を満たしている選手はいますので、ここから2人、3人、4人と日本代表に入っていく選手が出てくることを期待しています。そのサポートを私たちもしっかりやっていきたいと思っています。先ほど名前を挙げた選手たちだけではなく、ユースから昇格した選手、高卒の選手も含め、才能豊かなポテンシャルを秘めた選手がたくさんいますので、これからのセレッソが楽しみですし、改めて明るい未来が待っていると確信しています」

 

Q:そうした若手の躍動も著しい中、中盤では、夏場でも香川選手が先発フル出場を続けています。彼の貢献について、監督の目にはどう映っていますか?

「真司はそれぐらいやってくれる選手であるということは、今も変わらず思っています。復帰した直後は、大きなケガの後でしたので、リバウンドや再発を私自身もメディカルも気にしていましたが、日本特有の夏の暑さにも順応して、毎試合、高いパフォーマンスを発揮してくれていることを嬉しく思います。そこは彼の経験であったり、日常の準備、トレーニングに臨む姿勢、集中力、そういった彼が積み上げてきた時間が今のパフォーマンスにつながっていると思います」

 

Q:明日の川崎フロンターレ戦へ向けての意気込みをお願いします。

「川崎は川崎です。本当に強いチームです。その中で、昨年からそうですが、川崎相手に引くと、やられてしまう。その思いは変わっていません。明日もアグレッシブに川崎のボールを奪いにいく、ゴールを目指す、そのスタイルを全面に出して、正面からぶつかっていきたいと思います。それがしっかりと、18人が90分間全うできたときには、結果が付いてくると思っています。明日も暑い中での試合になると思いますが、18人全員でそのスタイルを全うしたいと思います」

 

ヤン ハンビン選手

Q:8月30日が誕生日でした。日本で迎えた誕生日は、これまでと何か違った思いはありましたか?

「韓国であれば、友人とも食事をして過ごすのですが、日本では家族とだけ過ごしました。それはそれで良かったなと思っています(笑)」


Q:日本食で好きな料理はありますか?

「(日本語で)昨日食べた親子丼です(笑)」


Q:日本の蒸し暑い夏には、順応できましたか?

「最初はとても驚きましたが、ピークは過ぎたと思います。自分なりにうまくこの暑さに溶け込めたと思います。自分はどちらかと言うと、暑さには強い方なので、大阪にもうまく馴染めていると思います」


Q:初のJリーグでのプレーですが、非常に安定しています。ここまでの自身のパフォーマンスをどう振り返りますか?

「今年が初めてのJリーグですので、まだ挑戦すべきことはあります。その中でも、安定感は常に意識していますし、いい準備ができているので、それが試合でも出せていると思います。ただ、まだまだ満足には到底、至っていません。お見せできるプレーはまだまだあると感じています」


Q:セーブなどプレー面もそうですが、メンタル的にも安定している姿が印象的です。例えば、ホームの浦和戦でも、PKを取られた後に動揺することなく落ち着いて、止めるための準備をされていました。揺れ動く心をピッチでどうコントロールしているのか。何か秘訣はありますか?

「自分としても、試合で第一優先に考えているのは、落ち着くことです。チームメートが興奮したとしても、まず自分が落ち着いて対応することを心掛けています。GKとしてまず大事なことは、安定感だと思っています。Kリーグでの実績や、Kリーグで長年プレーしてきたことも、敢えて挙げるとすれば、ピッチで落ち着ける秘訣の一つだと思います」

Q:今節は、韓国籍GKとして先輩にあたるチョン ソンリョン選手もいる川崎が相手です。試合に向けた意気込みについて

「今年の川崎は苦戦している印象も受けますが、昨年までを見ても、強いチームであることは間違いありません。そうした相手に勝つために、今週もいい準備を重ねてきました。あとは明日の試合で結果を出すだけ、という気持ちです」


Q:チョン ソンリョン選手に対する意識は何かありますか?

「同じ韓国人GKとして、長年Jリーグで活躍している姿は知っていますし、彼から学ぶこともあります。ただ、試合になれば、そういったことは全く関係ありません。明日は勝つという気持ちしかありません」

 

川崎フロンターレ戦特設サイト

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