Match Review
- 10/21 広島戦
- メディア
決定機を逃してスコアレスドローも、攻守に改善の兆し。連敗を3で止め、次節・必勝戦の大阪ダービーへ挑む
■試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2023102109/
前節の湘南ベルマーレ戦から3週間の中断期間を経て再開された明治安田生命J1リーグ。セレッソ大阪はアウェイに乗り込み、サンフレッチェ広島とのJ1第30節に挑んだ。先発は前節から3人変更。鳥海晃司が2試合ぶり、上門知樹が3試合ぶり、マテイ ヨニッチが第25節・名古屋グランパス戦以来、5試合ぶりにスタメンを張った。
中断前のリーグ戦はいずれも無得点で3連敗を喫していたセレッソ。何らかの変化を加えたい今節だったが、試合開始時にピッチに並んだ布陣は4-3-3。香川真司をアンカーに、上門知樹と奥埜博亮をインサイドハーフに置く逆三角形の中盤で臨んだ。相手の予測の裏をかいたこともあり、前半、試合を優位に進めたのはセレッソだった。ボール保持を高めたチームにあって、GKキム ジンヒョンが起点となり、香川や毎熊晟矢が受け手としてうまく関わり、チャンスを作る。7分、キム ジンヒョンが中にパスを通してレオ セアラが起点となり、香川からジョルディ クルークスへ展開。良い形を作ると、20分には決定機。相手のプレスを外したキム ジンヒョンから今度は毎熊へ正確なパスが渡ると、毎熊は斜めに走った奥埜へパス。裏に抜けた奥埜が収め、最後はクルークスのクロスにファーサイドでカピシャーバがヘディングで合わせた。崩した形だったが、日本代表GK大迫敬介のセーブに遭い、ゴールはならず。34分にもキム ジンヒョンのパスをクルークスが頭で落とし、毎熊のクロスからゴールに迫る。ビルドアップで相手のプレスを外しつつ、守備でも高い位置から即時奪回を試み、セカンドボール争いでも負けずに応戦したセレッソ。前半は相手を上回る内容を披露した中、45分に招いたピンチでは、キム ジンヒョンが2度のビッグセーブで失点を阻止。0-0で折り返すも、内容の濃い前半となった。
後半も最初のチャンスはセレッソ。50分、右サイドのスローインから毎熊、セアラ、毎熊、クルークスとつなぎ、最後は上門のクロスに奥埜が中で合わせたが、シュートは惜しくもクロスバーを越えた。53分には、この試合最大の決定機が訪れる。相手のセットプレーを跳ね返したところから上門、毎熊、香川とつなぎ、最後はDFの背後を斜めに走ったセアラへ、カピシャーバが絶妙なパス。うまく受けたセアラがDFをかわしてGKと1対1になったが、シュートは大迫に止められ仕留めることはできず、背番号9は天を仰いだ。ここからは、前半以上に前からのプレスを強めてきた広島に対し、セレッソが守勢に回る時間帯も。
ただし、ここで立ちはだかったのが、GKキム ジンヒョン。65分の加藤陸次樹、73分のエゼキエウのシュートを防ぎ、ゴールを割らせない。すると、71分に上門に代わって投入された柴山昌也が躍動。80分には、毎熊とのワンツーでゴール前に進入。複数のDFに囲まれながらもドリブルで運んで決定的なシュートを放つなど、中の位置であるインサイドハーフに入ったことで、狭いスペースで受けてゴールに迫るドリブルがより効果を発揮。今後へ期待を抱かせた。後半は互いに攻め合った中、ネットは揺れず、0-0で終了。セレッソは4試合連続で無得点という結果に終わったが、守備陣は最後まで集中力を切らすことなく、無失点を達成。4連敗は免れ、勝点1を獲得した。
「難しい状況を一歩、乗り越えたと思う。次につながる勝点1になった」とは、無失点の立役者となったキム ジンヒョン。新たな中盤の形でプレーした奥埜は、「効果的なプレーもあったと思うし、もっと改善していける部分もあると思う」と振り返りつつ、「形にこだわらず、相手を見ながら、一人一人がいい立ち位置を取れば、相手を悩ませることもできると思う」と話した。次節は、ガンバ大阪との大阪ダービー。「大一番に向け、全員でクオリティーを上げて、イメージを共有する回数を増やしていきたい」と小菊昭雄監督は力を込める。次節こそネットを揺らすシーンを一つでも多く作り、5試合ぶりの勝点3を手にしたい。