Match Preview
- 10/28 G大阪戦
- メディア
舞台は満員のヨドコウ桜スタジアム。貪欲にゴールを目指し、大阪ダービー5連勝を目指す
連敗を3で止め、勝点1を上積みした前節のサンフレッチェ広島戦から中6日。今度は5試合ぶりの勝点3を目指し、セレッソ大阪は明治安田生命J1リーグ第31節、ガンバ大阪との大阪ダービーに挑む。
19年の第27節に3-1で勝利して以降、リーグ戦における大阪ダービーは6勝2分とガンバを圧倒しているセレッソ。特に小菊昭雄監督が就任して以降のリーグ戦では4戦4勝と無類の強さを誇る。ただし、直近の大阪ダービー、6月に行われたJリーグYBCルヴァンカップでは、セレッソはホームで敗戦。ガンバのグループステージ突破を見届ける結果となった。この試合について舩木翔は、「試合が終わった後に周回している時、相手のサポーターの大きな声援を聞いて、次は絶対に勝ちたいと思った」と振り返る。それだけに、今節は是が非でもホームで当時の借りを返したい一戦でもある。
チームはシーズン終盤に来て、勝利から遠ざかる苦しい時期を過ごしている。一時は第24節からの3連勝で一気に上位との差を縮めたが、逆に第27節の鹿島アントラーズ戦からは3連敗。前節の広島戦で連敗こそストップしたが、連続無得点は4試合に伸びた。前々節の湘南ベルマーレ戦後、小菊監督は「ゾーン3に行くまでの作りで、連係ミス、個人のミスも含めてボールの失い方が悪く、カウンターを食らうシーンがある。ビルドアップを改善することで、ゾーン3の回数を増やしたい」と課題を話したが、その後、3週間の中断期間を経て迎えた広島戦では、4-3-3のシステムに再トライ。中盤の立ち位置を変えてビルドアップのスムーズさを引き出すとともに、両ウィングの個を生かすべく、準備を重ねた。守備でも「中央に人数を多くすることでセカンドボールを拾いやすくなる」(小菊監督)という意図も持ちつつ、そうした狙いが広島戦ではある程度、的中。「アウェイで質の高いチームに失点ゼロで抑えたことは大きかった。試合に向かうまでにいい練習ができて、みんながやりたいことを迷わずできた。少なからずチームに自信を与えた試合になった」と香川真司も振り返ったように、前半は主導権を持ちながら試合を進めると、相手に押し込まれた終盤も失点を喫することなく試合を締めた。
今節のガンバ戦に向けては、そうした自分たちの新たなやり方をさらに深めるとともに、ボール保持に特長があるガンバ対策にも余念なく取り組んだ。今節は互いに4-3-3で向かい合うミラーゲームになる可能性もあるだけに、どちらがより効果的にズレを生み出し、スペースを取ることができるか。相手との駆け引きや、個々の1対1のバトルもカギを握る。「チャンスで取り切れるかどうかで全てが変わる」という柴山昌也の言葉はチーム全体が共有する思いだ。前節、見えた光を広げ、今節こそ勝利という出口に向かって突き進みたい。舞台は大阪ダービー。無得点で終わるわけにはいかない。ピッチに立つ一人一人が責任を持ってプレーし、相手ゴールに襲い掛かり、試合後はスタジアム全体で勝利の喜びを分かち合いたい。
試合前日コメント
小菊昭雄監督
Q:ガンバの特長を考えると、連動したプレスなど守備面も大事になる一方、現在のセレッソは自ら主導権を握るサッカーにも取り組んでいます。その意味で、相手対策と、自分たちのやり方を深めること。今節に向けた戦術的な準備では、どちらに比重を置かれましたか?
「前節の広島戦から少しシステムや立ち位置、役割などを攻守で変えました。その中で、難敵・広島相手にできたところは継続と上積みを図りました。逆に課題も共有した中で、その課題に対しても全員で取り組みました。また、ガンバのストロング、ウィークを全員で共有した中で、ガンバ対策にも比重を置きました。自分たちのサッカーにトライしながら上積みするところと、ガンバに対する戦い方の共有。その両方に取り組みました」
Q:4-4-2と4-3-3の使い分けについて
「4-4-2に関しては、昨年からベースを全員で共有しています。相手の強みやシステムなどを考えた時、4-4-2も選択肢として持ちながら、前節に引き続き4-3-3の良さも生かしていけるようにと考えています」
Q:大阪ダービーを迎えるにあたり、前節の試合後は「今年一番のビッグマッチ」と話されていたが、今週の準備について
「毎回、ダービーは特別な緊張感の中で、いい準備ができています。今回の1週間も、独特な雰囲気の中で、選手たちも集中力の高いトレーニングを積んでくれたと思っています」
Q:今節に向けたメンバー選考について
「前節も色んなトライをした中で、改めて(事前の)コンディションやパフォーマンスの見極めが大事だと感じました。広島相手にポジティブな点も多かったですが、もう一度、フラットな競争の中で見極めたい。そうした思いの中で1週間を過ごしました。その競争を勝ち抜いた選手たちがピッチに立ちます」
Q:メンバーについては、戻ってきた戦力もいますか?
「そうですね。復帰できた選手もいます。競争を勝ち取った18人で誇りと責任を持って、明日の大阪ダービーに臨みたいと思います」
キム ジンヒョン選手
Q:これまで何度も大阪ダービーを経験してきたジンヒョン選手ですが、やはりダービーの前の1週間は、チームや選手の意識は違いますか?
「僕はいつもと同じですが、選手それぞれに感じることはあると思います。今週の練習も勝つためにいい準備ができました」
Q:広島戦が自信になった部分や、より今節へ向けて勝利する雰囲気も高まってきた?
「そうですね。広島に引き分けて嬉しい、ということはないですし、勝てた試合だとも思いますが、強い相手に攻撃も守備もうまくできたことは、チームも良い方向に進んでいる証だと思います。自分自身も失点ゼロで抑えたことは自信になりましたし、ガンバ戦に向けて、より気持ちを高めて今週の練習にも臨むことができました」
Q:今年のガンバはポゼッションにも長けており、セレッソとしては守備で相手を封じることも必要な一方、現在は自分たちでボールや主導権を握る戦いも目指しています。そのあたりのバランスについてはどう考えますか?
「ガンバの戦術は、立ち位置で試合を進めてくるチーム。うまく選手たちがローテーションしながらバランス良く攻撃してくるチーム。その相手に、時間の余裕と隙は与えたくない。ボールホルダーに対してしっかりプレッシャーをかけないといけない。そうすれば、そこまで自由にボールを回されることはないと思う。攻撃に関しては、前節もうまくできていた部分もあるので、そのまま続けていくこと。あとはフィニッシュを決めるところだと思います」
Q:前節のプレーぶりは、「GKも司令塔」だと感じさせるプレーでしたが、ご自身で振り返ると?
「自分の仕事は失点しないこと。そこに集中して、それを前提としてやっていきたいです。その上で、自分ができること、小菊監督が求めているプレーにもトライしていきたいと思っています。そこにみんながトライしているからこそ、今のサッカーになっていると思います。ミスを恐れずチャレンジすることも大事ですし、チャレンジするときは成功させないといけないという思いもあります」
Q:今季、久しぶりに香川選手とプレーしての思いは?
「昔もそうでしたが、技術が高い選手なので、相変わらずうまいなと思います。お互いに年齢は重ねましたが、(香川は)今も気持ちが強い。気持ちから大事にしている選手。僕もそこは大切にしています。まずは気持ちをしっかり持って試合に臨まないと、どの相手にも勝てません。大きな舞台もいくつも経験している選手なので、そうした気持ちの強さは僕も見習うところだと思っています」
Q:前節はその香川選手が4-3-3のアンカーに入ったが、機能性はどう感じられた?
「全部は言えないですが、真司の良さを生かせるというか、4-3-3とか4-4-2とか関係なく、アンカーにしてもボランチにしても、ボールを受けてリズムを作るのがうまい。そこはチーム全体としてもうまくリズムを作っていければ、もっともっと楽しいサッカーというか、前に前進できるサッカーになると思います」
Q:互いに勝利から遠ざかっている大阪ダービーですが、セレッソが勝つために必要になることは?
「早い時間帯に点が欲しいですね。早い時間帯に決めて、ガンバを前に引き出せば、もっと点を取れるチャンスも生まれてくると思います。まずそのチャンスをしっかり生かすこと。そこからはいつも通りに戦えば、勝てるのではないかと思っています」