Match Preview
- 3/2 鹿島戦
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開幕戦で得た自信を確信に変えるべく、今季初勝利を目指し、敵地カシマに乗り込む
2024シーズンの開幕を告げた前節のFC東京戦から中6日。セレッソ大阪は敵地に乗り込み、鹿島アントラーズとの明治安田J1第2節に挑む。「開幕戦で得た自信を確信に変える」(小菊昭雄監督)ためにも、是が非でも勝利が欲しい一戦だ。
最終的なスコアは2-2で終わった開幕戦だが、内容的には今後に期待の持てる中身を披露したセレッソ。小菊監督が指揮を執り始めて4年目、積み上げてきた攻守に新たな戦力を加え、試行錯誤してきたキャンプの成果を十分に発揮したと言える。特に昨シーズン終盤の内容も踏まえ、今季高めていきたいテーマの一つだった攻撃は、「それなりに形もできて、チャンスも演出できた」と田中駿汰も振り返ったように、シンプルにスペースを狙う速攻と、しっかり後ろからつないで背後を取る遅攻、サイドと中央もうまく使い分け、2得点以外にも決定機を多く作れたことは収穫だ。今節は、相手の守備における強度もさらに上がった中での戦いとなるが、「立ち位置をしっかり取った上で、自分たちが攻撃の時は数的優位を作って相手に的を絞らせないようにすること。相手のボランチを動かして、幅を使いながらやっていくこと」(田中)を意識しつつ、左のカピシャーバ、右のルーカス フェルナンデスと毎熊晟矢も効果的に使って迫力ある攻撃を繰り出していきたい。その一方で、2失点を喫した守備については、個々の寄せや、チームとしての連動した守備にやや課題も残しただけに、今週1週間の取り組みを今節のピッチに反映させたい。
かつて2014シーズンにセレッソでも指揮を執ったランコ ポポヴィッチ監督が今季は率いる鹿島は、開幕戦では敵地で名古屋グランパスに3-0で勝利。新加入のクロアチア国籍FW、アレクサンダル チャヴリッチが1得点1アシストと鮮烈なJデビューを果たせば、守備でも相手に枠内シュートをほぼ打たせずシャットアウト。多彩なセットプレーも印象に残った。「全員が同じ方向を向いて、攻守にまとまっている」(小菊監督)、「勝ち方を分かっている堅いチーム」(田中)。監督、選手それぞれが相手の印象をこのように語るなど、セレッソとしても、簡単に勝てる相手ではない。攻守における戦術的な要素もしっかりと発揮した上で、小菊監督が今節、最も重要な点として挙げた「1対1、セカンドボール、球際のバトル」で負けないことが重要だ。
昨シーズン、鹿島とのアウェイゲームは、上位争いも佳境に入ってきたシーズン終盤に行われ、セレッソが押し気味に試合を進めながらも0-1で敗れる悔しさを味わった。今季の目標達成へ向け、乗り越えるべき壁の一つが今節と言える。「全員が90分間アラートに、交代選手も含めて18人全員で戦わないと勝点3は持ち帰れない。しっかりとバトンをつないで全員の力で鹿島に勝ちたいと思います」。試合前日、指揮官も力強い言葉を残した。開幕戦でチームに芽生えた自信をより膨らませるべく、チーム一丸で今季初勝利を掴み取りたい。
試合前日コメント
小菊 昭雄監督
Q:開幕戦は、セレッソ、鹿島ともに良さを出した部分も多かったが、それだけにお互いが相手を対策して臨む一戦になると思うが、今節のポイントをどのように考えますか?
「鹿島も監督が代わって、ポポヴィッチさんのスタイルでキャンプから仕上げてきたな、という印象を受けています。私たちも新たなトライをしながら、自分たちのスタイルをお見せすることができたと思います。たくさんの方々から、『素晴らしいゲームだった、エキサイティングなゲームだった』ということも言っていただき嬉しかったですが、勝利できなかったことは大きな課題だと思っています。今節、勝利に向けてはたくさんのポイントがある中で、一番はサッカーの根本的なところが非常に大事になってくると思います。1対1、セカンドボール、球際のバトル、走り負けないことも大事になってくると思っています」
Q:「ポポヴィッチさんのスタイルでキャンプから仕上げてきた」という言葉もありましたが、開幕戦の鹿島を見て、どのような印象を持たれましたか?
「ポポさんとは、私もセレッソで一緒に戦いました。ちょうど私がS級(ライセンス)を取得する年だったので、コーチという立場ではなかったですが、強化部という立場でポポさんのサッカーを学ばせてもらいました。開幕戦を見ても、球際のバトル、役割を全うする気持ちをベースに、常にゴールを目指す速いサッカーと、自分たちのペースに相手を引きずり込む巧みさも兼ね備えているチームだと感じました。全員が同じ方向を向いて、攻守にまとまっている印象を受けました。いいチームだと思います。ただ、私たちも開幕戦で得た自信がありますので、しっかりと自分たちのスタイルをぶつけたいと思います」
Q:セレッソを指揮した14年当時と現在のポポヴィッチ監督で、変化している部分は感じられましたか?
「いえ。情熱的で、常に選手と戦う姿勢、チームを強くしたいという熱い気持ちは開幕戦でも十分に伝わってきました。サッカーに対する情熱、チームを前進させていきたいという強い気持ちは、久しぶりにポポさんを見ても変わっていないなと。試合が終わった後の笑顔とのギャップも変わっていないと思いました(笑)。私自身、久しぶりにポポさんと会えることを楽しみにしています」
Q:新加入のチャヴリッチ選手はスピードがあり、高さもある。さらに、仲間選手らサイドの選手も躍動感を持って攻めてくると思うが、守備でのポイントは?
「新加入選手の個の能力は高いと思いますし、前から行けば、うまくポケットを突いてきて、ブロックを落とせば、ボランチを基準にボールを動かしてくる。そこの使い分けが巧みなチームですが、私たちも守備のスタイル、積極的にボールを奪いにいくことはやっていきたいと思います。もちろん、90分の試合の流れもありますので、攻撃だけではなく、守備でもゲームをコントロールできるように準備してきました。そこの使い分けは、私たちも巧みに操っていきたいと思います」
Q:開幕戦の2失点は残念だったが、そのあたりの修正については?
「全員で失点シーンも共有しました。キャンプからの失点した局面やチームの規律、そういったことも再確認できました。全員が90分間アラートに、交代選手も含めて18人全員で戦わないと勝点3は持ち帰れないと思いますので、しっかりとバトンをつないで全員の力で鹿島に勝ちたいと思います」
Q:昨シーズン、優勝争いに加わっていくために大事な試合だったカシマスタジアムでの一戦は、鮮明に記憶に残っています。そうした相手、スタジアムで勝利すれば、得るものも大きい。今季初勝利を目指す今節へ向けて、サポーターへメッセージをお願いします。
「開幕戦は私たちの目指すべき方向性はしっかりと出せたと思います。選手が躍動してくれたことも嬉しかったです。その自信を確信に変えるためにも、敵地カシマで内容を伴った勝利をすることができれば、我々の目標である優勝へ向けて一気にスピードアップできると思います。独特なアウェイの雰囲気の中での試合になると思いますが、鹿島にもたくさんのサポーターが大阪から詰めかけてくれると思いますし、現地で、映像を通して、全国のセレッソファミリーの皆様も熱い応援をして下さると思いますので、我々はその期待を全員で背負って、勝点3を掴みたいと思います」
田中 駿汰選手
Q:開幕戦は良さを出せた部分も多かったと思うが、2失点もありました。そうした収穫や課題も含め、今週チームとして取り組んだ部分は?
「開幕戦で良かったところ、攻撃の部分はそれなりに形もできて、チャンスも演出できたので、そこは引き続き、コンビネーションや個人の質は高めていきつつ、2失点しているので、守備のところでもっと寄せることや、もっと連動して守備をするところを今週はやりました。練習でやったことを試合に生かしていきたいと思います」
Q:田中選手自身はゴールという結果も残しました。新チームでの公式戦初戦でしたが、アンカーというポジションも含め、スムーズにチームに入れた印象もありますか?
「そうですね。もう違和感はありません。周りとの連係もスムーズに取れています。でも、まだまだ良くなると思います」
Q:開幕戦の鹿島の印象と、強度も高い中でのゲームになると思うが、勝利するために必要なことは?
「強いな、と思いました。勝ち方を分かっているというか、堅いチームだと思います。簡単にはいかないと思いますが、中盤のセカンドボールをどれだけ自分たちが拾えるかが一つのポイントかなと思います。相手もCBは高さがあって、跳ね返してくる力は強い。そこで自分たちがセカンドボールを回収できれば、自分たちの流れになってくると思います」
Q:「セカンドボール」という言葉もありましたが、鹿島は佐野選手、知念選手が開幕戦はボランチを務めていました。彼らとのバトルは大きなポイントになると思うが、彼ら2人の印象は?
「佐野選手は代表にも選ばれて、よくプレーを見ますが、いい選手だなと思います。何より運動量が凄いなと。知念選手はFWの印象しかなく、ボランチはこの前、初めて見ましたが、そつなくこなしていました。どちらもセカンドボールへの反応は速く、感度のいいボランチ2人だなと思いました」
Q:そうした鹿島のボランチ2人に対し、田中選手を含めたセレッソの中盤3枚がどうプレーしていけば、優位に立てると考えますか?
「まず立ち位置をしっかり取った上で、自分たちが攻撃の時は数的優位を作って相手に的を絞らせないようにすること。相手のボランチを動かして、幅を使いながらやっていくことが大事です。守備の時は、どんどんハメにいく、ボランチを自由にさせないことは重要になると思います」
Q:開幕戦では、アンカーとしての新しい自分を見せたと思うが、今節、改めてどんなところを見せて勝利に貢献したい?
「攻撃では、もっと自分のところから起点になりたいです。裏1発で得点につながるようなスルーパスはもっと出したい。何回失敗してもどんどん出すイメージでプレーしたい。守備の部分では、開幕戦を継続しつつ、もっと相手の攻撃の芽を潰さないとチャンスを作られると感じたので、前の試合以上に自分のところでボールを刈り取ることができれば自分たちのペースになると思います」
Q:鹿島のチャヴリッチ選手は開幕戦で1得点1アシストと結果も残しているが、どう抑えるイメージで戦う?
「FWで起点を作って、そこから湧き出てくる攻撃が鹿島の強みだと思うし、チャヴリッチ選手はヘディングも出来て、何でもできるタイプだと思います。ただ、自分たちもCBプラス自分で常に挟めるようにしておけば、問題ないと思います。しっかり連動して、声を掛け合いながら守れば対応できると思います」