Match Preview
- 4/13 川崎F戦
- メディア
3試合ぶりのホームゲーム。強敵相手に守備だけではなく、攻撃でも仕掛ける回数と質を発揮し、勝利を目指す
アウェイ連戦となった前節のアルビレックス新潟戦から中5日。セレッソ大阪はホームに戻り、川崎フロンターレとの明治安田J1リーグ第8節に挑む。
前々節の柏レイソル戦を1-1で終えた後、勝点3のみを目指して乗り込んだ前節は、立ち上がりこそ相手にサイドを突破されピンチも招いたが、ここをしっかりしのぐと、「相手にボールを持たせている意識」(田中駿汰)でハイプレスとブロック守備を使い分けつつ、守備で試合をコントロール。チャンスの数は決して多くはなかったが、69分、毎熊晟矢、ルーカス フェルナンデス、柴山昌也の3選手によるローテーションで右サイドを崩すと、最後はニアゾーンに進入した毎熊のクロスにレオ セアラがヘディングで合わせ、先制に成功した。終盤は4-5-1で相手の攻撃を跳ね返しつつ、最後はJデビューとなったジャスティン ハブナーも投入して5バックで固め、新潟の反撃をしのいだ。「負けていないことは自信になっていますし、誰が出ても、いいパフォーマンスを出せています。技術を持った選手がたくさんいる中で、今日のように前線の選手もハードワークしてくれます。いい競争も生まれています。こういう時こそ引き締めたいですし、みんなで課題をクリアしていきながら、いい状態を続けていきたいです」。新潟戦の試合後、チームの現状について毎熊はこのように話した。アウェイ2連戦での収穫については小菊監督も、「パフォーマンスの高かった選手がたくさんいましたので、チームとしての一体感や競争力はまたグンと上がりました。誰が出てもゲームをコントロールすること。攻守に共有することはできるようになってきました」と語り、手応えを得ている。
そうした中で迎える今節の川崎戦だが、現在の川崎は2勝1分4敗という結果が示す通り、本来の力を発揮し切れているとは言い難い。もっとも、「川崎は川崎。伝統のパスワークに今季は個の力も加わって、強い。結果が出ていない試合もあるが、内容的には素晴らしいサッカーをしている。最高の準備をしないと勝てない相手」と小菊監督も評するように、中盤から前線にかけてはタレントが豊富に揃っており、中盤での作り、選手個々のアタッキングサードでの質、その両面でセレッソにとって脅威であることは間違いない。まずはそうした相手の攻撃を、意思統一された組織的な守備でしっかり対応することが勝利には欠かせない。局面での個々のバトルで競り負けないことも重要だ。その上で、試合の前日会見で小菊監督、毎熊が口を揃えたように、「ゴールに迫る回数と質を上げていく」ことも今節のポイント。必要以上に受けに回ることなく、仕掛けていく姿勢を発揮することが、勝点3にもつながっていく。直近の2年間、川崎には公式戦で負けていないが、「全員での粘り強い守備からカウンター、守備で上回って勝てた試合が多かった」(小菊監督)。そこから攻守両面で進化を続けているセレッソとしては、かつての王者相手に真っ向から勝負を挑み、撃破することで成長スピードを上げていきたい。
アウェイでの試合が続いたことで、大勢のサポーターの後押しを受けて戦える今節を、選手たちは心待ちにしている。初の古巣戦となる登里享平は話す。「ヨドコウ桜スタジアムでは絶対に負けない、という威圧感を相手に与えて、飲み込むぐらいの気持ちで戦いたい」。開幕からチームは7戦負けなしとクラブレコードを更新中だが、今節も「勝って記録を伸ばしていきたい」(小菊監督)一戦になる。
試合前日コメント
小菊 昭雄監督
Q:直近のアウェイ2連戦で得た収穫について
「まず、アウェイ2連戦を含む3連戦で2勝1分という数字のところ。誰が出ても役割を全うして結果を出したこと。パフォーマンスの高かった選手がたくさんいましたので、チームとしての一体感や競争力はまたグンと上がった1週間でした。そこから今節に向けても充実したトレーニングをすることができました。明日も万全の状態で川崎と試合ができると思っています。桜満開の季節の中で、ホームでやれることを非常に嬉しく思っています」
Q:チーム全体の底上げが進み、攻守の共通理解も進んでいるように見えるが、アウェイ2連戦で発揮し切れなかったこと、明日の試合で発揮したいことは?
「誰が出てもゲームをコントロールすること。攻守に共有することはできるようになってきました。試合の流れを読むことに関しては、我慢すべき時間帯、攻撃を仕掛けていく時間帯、ボールを保持する時間帯、そこの共通意識は高まったと思います。ただ、ここ数試合、守備の共有は徹底できたのですが、攻撃のところは、開幕の頃に比べると、少しボール保持の時間、安定したボール保持からのゾーン3への進入(は課題)。その回数や時間は増やしたいと思っています。もちろん、川崎もボール保持に特長があるチームではありますが、我々もそれを上回る攻撃、ボール保持からの意図的な前進、ゴールを目指していきたいと思っています」
Q:古巣戦となる登里享平選手について。改めて、彼がここまで果たしている役割と、この試合に向けて、どういう話をされましたか?
「2つめの質問からお答えしますと、意図的に、彼とは明日の試合に向けて話はしていません。川崎に育てられた男ですので、当然、明日の試合に関しては色んな想いがあると思うのですが、ゾーンに入って無になって、セレッソの勝利のために、愚直に、アラートな状態で試合に臨むこと。そこが全てだと思っていますので、彼とは明日に向けて何も話はしていません。1つ目の質問は、彼が来て、キャンプから、非常に大きな選手が加入してくれたと思っていました。プレー面では、私が目指す攻撃のスタイルを先頭に立って引っ張ってくれています。サイドバックも色んな選手を見てきましたが、攻撃に特長がある選手は守備に課題があったり、守備はいいけど攻撃が課題という選手もいましたが、彼は攻守にハイクオリティです。もう一つはメンタリティのところです。いつもポジティブな声掛けをしてくれて、チームが前向きに、若い選手もアグレッシブにトライできる環境を練習から作ってくれています。色んな意味で、彼の加入は大きいと、日々感じています」
Q:加入にあたっては、登里選手自身、「小菊監督から熱い言葉も掛けていただきました」と話していましたが、どのような言葉を掛けられたのですか?
「私がやりたいサッカー、クラブが目指すサッカーを考えた時に、それに適した素晴らしいクオリティを持った選手でしたので、とても必要な選手でした。もちろん、彼のキャリアを考えると、川崎で全うする可能性が高いことも理解した上で声を掛けさせてもらったのですが、『このチームを優勝できるチームにしていきたい、そのサポートをして欲しい、一緒に戦って欲しい』という気持ちは伝えました」
Q:毎熊晟矢選手について。今季は(後ろの)3枚での回しで最終ラインに残る時間も多いが、監督の指示か、本人の判断か
「基本的には私の指示で残ることが多いですが、今、ノボリ(登里)が3-2の2でプレーしているのですが、私たちのサッカーにスカウティングもかかってきます。色んな対策もされる中で、当然、私たちもそれを上回っていく準備をしていかないといけないと思っています。マイク(毎熊)もノボリも、何でもできるサイドバックですので、そこはローテーションもしながら(やっていきたい)。舩木やトリ(鳥海)も含めて、色んなことができる選手をどのように生かしていくのか。さらなる引き出しを増やしていく段階に来ています。一つ一つ上積みをしている中で、試合の流れによる変化、相手を見て意図的に立ち位置を変えること。そういったことは、今、取り組んでいるところです」
Q:直近の2年間、川崎には公式戦で負けていないが、ニアゾーンを取ったり、ボール保持を構築したり、オフェンス面に特長のある川崎と真っ向勝負ができる状態になってきたのでは?
「そうですね。振り返れば、川崎相手にはここ数年、結果は出ているのですが、全員での粘り強い守備からカウンター、守備で上回って勝てた試合が多かったように思います。もちろん今節も守備は大事になってきますが、攻撃の部分でも明日は堂々と戦って、ボール保持のところ、ゴールに向かっていく攻撃サッカーでぶつかりたいと思います」
毎熊 晟矢選手
Q:アウェイ2連戦で勝点4を得ましたが、この結果と内容をどう振り返りますか?
「勝点4を持ち帰れたのは悪くない結果だとは思いますが、(前々節の)柏戦は得点直後に失点して、もったいなさもあります。ただ、どっちに転ぶか分からないような試合でもあったので、内容のままの結果が出た2試合だと思います」
Q:前節の新潟戦は毎熊選手のアシストもあり勝利したが、試合後は、「こういう時こそ引き締めたい。みんなで課題をクリアしていきながら、いい状態を続けていきたい」というコメントもありました。さらに良くしていきたい部分は?
「このフォーメーションに対して、当初、出てた課題もクリアしながらここまで来れていると思いますし、後ろの5枚で回すことは新潟戦でも安定してきたとは思いますが、保持する理由は、保持しながら相手ゴールに迫ることが一番の目的です。新潟戦はゴールに迫る回数や迫力は課題でした。チームとして、本来の目的を見失わないようにやらないといけない。5枚で回すだけではなく、その5枚の内の何人かが攻撃に関わることも大事になります。ゴールに迫る回数と質を上げていきたいと、個人としては思っています」
Q:小菊監督も、「新潟戦で良かった、焦れずに意思統一された守備もしつつ、今節はホームでできるので、攻撃で主導権を握る時間も増やしたい」と話されていましたが、明日の川崎戦では、そういう部分も見せたい?
「そうですね。ホームとアウェイでは戦い方も変わってくると思いますし、より攻撃的に行きたいことは、みんな思っていること。個人的にも、新潟戦はなかなか上がれなかったので、
どれだけ自分を前に持っていけるか、そこは周りも選手も見ながらやっていきたいと思います」
Q:今季は敵陣ペナルティーエリア内に入った時に、相手を見ながらプレーする落ち着きや余裕を感じるが、昨季と比べて感覚的な違いはありますか?日本代表というレベルの高いところでプレーした経験が生きている?
「生きていると思います。やっぱり代表は練習から強度も高く、プレッシャーの速さも全然違う。特にアジアカップでは1ヶ月、行っていましたし、それを経験できたことで、帰ってきても少し余裕につながっているのだと思います。攻撃に関しては、自分特有の感覚でやっているので大きく変わった部分はないですが、代表でもやれた部分が多くあったので、そこに対する自信は付きました」
Q:毎熊選手が加入した2022シーズンから川崎には強いが、毎熊選手から見て現在の川崎というチームの印象は?
「確かに負けていませんが、特に僕が来た1年目の2022シーズンは、対戦した中で川崎が一番強いと思いました。逆境に強いというか。苦しい時ほど力を出すチームという印象もあるので、どの順位にいても決して侮れないと常に思っています」
Q:今シーズンはオフがほとんどないように見えるが、コンディション作りに関してはいかがですか?
「初めての経験だったので、周りからそう言っていただくことはあるのですが、自分自身、疲れを感じることはないですし、そこはフィジカルコーチやトレーナーの方がうまく調整してくれているので、そのおかげでケガなくやれているのだと思います」