Match Preview
- 4/27 横浜FM戦
- メディア
今季初の敗戦後、今季を占う重要な一戦。ACLファイナリストに対し、真っ向勝負を挑む
前節の名古屋グランパス戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、横浜F・マリノスとの明治安田J1第10節に挑む。前節、今季初の敗戦を喫したセレッソにとって、ホームで仕切り直しの一戦となる。
もっとも、敗れたとは言え、名古屋戦は悲観する内容ではなかった。前半から多くの時間でボールを支配。失った後の切り替えも早く、素早く回収して2次攻撃につなげるなど、前半はハーフコートゲームと呼べる展開を披露した。ただし、そうした流れの中で先制点を奪えずにいると、後半20分、CKから失点。相手に与えた最初の決定機を決められた。今季ここまで全ての試合で先制に成功していたセレッソにとって、初めてリードを許す展開になったが、失点から2分後、相手GKとDFのパス交換が乱れたところをルーカス フェルナンデスが見逃さず、高い位置でボールを奪取。冷静に中を見てクロスを上げると、レオ セアラが押し込み、すぐさま同点に追いついた。このまま一気に逆転まで持ち込みたいところだったが、82分に今度はFKから失点。再び追いかける展開になると、香川真司のスルーパスからセアラが決定機を得るなど最後まで攻めたセレッソだったが、追いつくことはできず、今季初の敗戦となった。それでも試合後のロッカールームでは、「次が大事」という言葉が多くの選手から飛び交っていたようで、頭はすでに今節へと切り替わっている。
その今節の相手、横浜FMは、直近の公式戦となった蔚山(韓国)とのAFCチャンピオンズリーグ準決勝第2戦では、退場者を出す苦しい展開になりながらも3-2で勝利。第1戦を含めた合計スコアが3-3となり、PK戦に突入した激闘を制し、見事ファイナル進出を果たした。そこから中2日と今節に臨む準備期間は短いが、「どの選手が出たとしても、勢いのまま、勢いを増して大阪に乗り込んでくると思います」と小菊昭雄監督も話すように、ACLファイナル進出の高揚感も力に変えて、試合に出場する選手たちのモチベーションは高いだろう。セレッソとしても最大限の準備をして臨みたい。これまで、攻撃力に長けた横浜FMに対し、セレッソは4-4-2の堅守速攻で対抗し、勝点を重ねてきた。ただし、今季からセレッソも本格的に4-3-3に取り組み、「攻撃サッカー」(小菊監督)に舵を切っている。言わば、その土俵での“先輩格”にあたる相手に対し、真っ向勝負で挑み、勝つことができれば、さらに自信は深まる。古巣戦に臨むレオ セアラは、今節ゴールを決めれば5試合連続となるが、「何よりセレッソの勝利のために貢献する」ことを誓った。
クラブ設立30周年の今季。明確にリーグ優勝を目標に掲げた中で、「連敗しないこと」「1敗の重みを感じること」は、山下達也キャプテンや登里享平らが常に話してきたこと。まさにチームとしての真価が問われる状況において、相手はACLのファイナリスト。しびれる舞台であり、今シーズン全体から見てもターニングポイントとなる一戦だ。ヨドコウ桜スタジアムに集うサポーターの力も含めたセレッソファミリー全員で強敵を迎え撃ち、勝って力強い再スタートを切りたい。
試合前日コメント
小菊昭雄監督
Q:今季初の敗戦を受けての一戦になるが、改めて、その重要性について
「名古屋戦の敗戦を経て、選手たちは負けた後のロッカールーム、オフ明けのトレーニング、また一段と引き締まった表情で、今週の大一番に向けていい準備をしてくれました。ケガ人も戻ってきて、毎日がクオリティーの高い、強度の高い、集中力の高いトレーニングができました。敗戦からチームが一丸となって次に向かっていく、という雰囲気で取り組めたことを非常に嬉しく思っています」
Q:前節の試合後のロッカールームでは、レオ セアラ選手がチーム全体に話しかける場面もありました。彼の思いの強さを感じるが?
「そうですね。あのタイミングでの彼の発言は、彼の思いが表現されたシーンだと思います。それ以外でも、映像に映っていないシーンでも、色んな選手から『内容は悪くなかった』『これを続けていく』『切り替えて次』『連敗をしてはいけない』といった言葉が飛び交いました。
それは経験ある選手だけではなく、若手も含めてポジティブな声が出ていました。私も監督になって時間が経ちますが、自分たちでどんどん、そうした声が出てくることは、あまり経験がなかったので、今やっているサッカーに加えてメンタリティー、チームの絆の深さを感じる時間でした。あの敗戦がチームをさらに強くしてくれた、ということを明日は証明したいと思います」
Q:横浜F・マリノスはACL準決勝第2戦から中2日。メンバーが読みにくい部分もありますが、改めて彼らの強みと試合のポイントになる部分は?
「(ACL準決勝第2戦は)悪天候の中、数的不利の中、さすがマリノスだなと。あの状況で勝つ、ファイナルに進出するチームの底力を感じました。あの試合を勝ち切ったことで、さらにチームの団結力は強固になったと思います。明日、どの選手が出たとしても、その勢いのまま、勢いを増して大阪に乗り込んでくると思います。お互い、攻撃が持ち味のチームだと思いますので、見に来て下さるサポーターの皆さんに、サッカーの素晴らしさを攻撃的なサッカーでお伝えしたいと思います。両チームにとって、明日、勝利できるかどうかは今後も左右します。素晴らしい相手に対し、私たちは全員で勝点3を勝ち取りたいと思います」
Q:ハリー キューウェル新監督になった横浜FMに、変化は感じますか?
「まず立ち位置が変わっていることが、一番大きな変化だと思います。その中での役割も当然、変わっていると思います。ただ、ここ数年、マリノスが築き上げたスタイルは変わっていません。しっかりとボールを握りながら前進していく、個の強さを存分に発揮する、そうしたベースは変わっていないと思います。ただ、監督が代わって、守備も含めて細部は変わったと感じていますので、選手たちと相手のストロング、ウィークの確認はしました」
Q:そうした攻撃サッカーを志向する相手に対し、セレッソとしても真っ向勝負で挑まれる?
「そうですね。そのスタイルをぶつけ合いたいと思います。今年は私たちもボールを握って、攻撃サッカーに舵を切っています。チャンスクリエイトの回数を増やしていく、仕掛けていく、ボールを奪いにいく、ゴールを奪いにいく、そうしたアグレッシブな姿勢は私たちも存分に発揮したいと思います。それがマリノスの強みでもありますので、明日はエキサイティングなサッカーになると思いますし、そうした試合をお見せしたいと思います」
レオ セアラ選手
Q:前節の試合後のロッカールームでは、チーム全体に話しかける場面もありました。あの場でチームメートと共有したかった?
「初めての敗戦だったので、自分の思いをみんなに伝えました。練習もしっかりやっていますし、間違った方向には進んでいません。全員が同じ方向を向いているので、そのままやり続けていけば、また勝利に結びつく、ということを伝えたかったので、あの場で発言をしました」
Q:横浜FM時代、優勝を経験されていますが、やはり負けの後の試合は大事?
「そうですね。マリノス時代も経験豊富な選手がたくさんいましたが、負けた後の試合は大事という思いは自分にもありました。その思いがあったので、前節の試合後もそういう発言をしました。今週はいい準備ができたので、明日の試合でしっかり勝利できればと思います」
Q:レオ セアラ選手にとって特別なクラブだと思いますが、どのような思いで明日の試合に臨む?
「もちろん、特別な気持ちはありますが、どの相手でも自分たちのベストを尽くさないといけない、ということは常にチームメートにも伝えています。特に明日はホームでできるので、サポーターの皆さんの前で勝利をお見せしたいと思います」
Q:横浜FM時代の仲間であり、ライバルでもあったアンデルソン ロペス選手が昨年は得点王を獲りました。今年も得点王を争う選手になると思うが、彼に対する意識はありますか?
「マリノス時代の2年間はブラジル人選手も6人いた中で、彼とも仲良くしていましたが、今はセレッソのユニフォームを着て、セレッソを代表してプレーしています。明日もゴールを決めることができればいいですが、何よりセレッソの勝利のために貢献したいです」
Q:年齢を重ねて副キャプテンにもなり、メンタル面での変化もありますか?
「チームに貢献したい思いは強くなっています。負けることもいつかはありますが、前節も僕たちはいい試合ができました。本当に悔しかったので、チームのために何か手助けができればと思い、試合後にあのような発言をさせてもらいました。明日の試合に向けて、今週は自分たちができることをもう一度確認できたので、勝利できればと思っています」
Q:日本でプレーして長いですが、難しい時期もあったと思います。いつが一番、大変でしたか?
「2016年、FC琉球に来た時が一番、難しい時期でした。初めて違う国でプレーする1年でしたし、若かったので、適応するのに大変でした。あと、当時は今の奥さんが彼女で、ブラジルに残して自分一人で来たので、生活も含めて辛かったです。今の自分があるのは奥さんのおかげです。娘も生まれて、今、自分がいい状態でいられるのは家族のおかげです」