Match Review
- 4/27 横浜FM戦
- メディア
“桜のエース”が5戦連発の2得点と爆発。2度のビハインドを追い付いて勝点1を獲得
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2024042705/
今季初の敗戦を喫した前節の名古屋グランパス戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、横浜F・マリノスとの明治安田J1リーグ第10節に挑んだ。先発は前節から1人変更。柴山昌也が外れ、香川真司が第4節・鳥栖戦以来、6試合ぶりの先発復帰となった。
立ち上がりからボールを握る横浜FM、プレスから高い位置で奪いにかかるセレッソ。この構図が明確になった中、3分、セレッソは自陣右サイドを取られてピンチを迎えるも、GKキム ジンヒョンが好セーブ。5分には、連動したプレスから相手GKのキックミスを誘い、レオ セアラがカットしてそのままシュート。惜しい場面を作る。序盤は互角の攻防が展開された中、17分、前節に続き先制を許す。自陣の背後に出たボールに対し、CBの舩木翔が素晴らしいカバーを見せたが、パスの出し所に迷っている隙を突かれボールを奪われると、素早くフィニッシュに持ち込まれ、エウベルのクロスから逆サイドの水沼宏太にヘディングで決められた。
ここから試合は横浜FMのペースになる。AFCチャンピオンズリーグ準決勝第2戦から中2日とタイトな日程の中、先発6人を入れ替えてきた相手に対し、「新たなチャンスを得た選手たちが非常にアグレッシブに団結して挑んできた。苦しい時間が続きました」と小菊昭雄監督もこの時間帯を振り返る。プレスが嵌らず、「相手のポゼッションから効果的に試合を進められてしまっていた」(香川)セレッソだが、追加点を与えることなく試合を進めると、45分にビッグチャンス。キム ジンヒョンが前線のレオ セアラへ的確なゴールキックを届けると、相手DFの背後を取ったレオ セアラがGKに倒されPKを獲得。ただし、自ら蹴った背番号9がまさかの失敗。それでも、試合途中に観客スタンドで急病人が発生して試合が止まった影響もあり、長く取られた前半アディショナルタイムに同点に追いつく。45+8分、前線からのプレスで香川と田中駿汰が挟み込んでボールを奪うと、田中のラストパスをレオ セアラが冷静に流し込んだ。
苦しい前半だったが、最後に追い付いて終われたセレッソが後半は巻き返す。ハーフタイムで守備の整理を図って臨むと、後ろからのビルドアップも改善されて敵陣へ押し込む時間帯が増える。しかし、後半も先にスコアを動かしたのは横浜FM。59分、セレッソは前節に続いてCKから失点してしまう。ただ、それでも下を向かないのが今季のセレッソの強み。右はルーカス フェルナンデスと毎熊晟矢で組み立てると、左は前半終了間際に負傷交代したカピシャーバに代わって入った上門知樹が躍動。63分には、左サイドの奥を取った上門が角度のないところから強烈なシュートでゴールを狙う。すると68分、この流れの良い時間帯に再び同点に追い付く。ルーカス フェルナンデスのFKから、中でフリーになったレオ セアラが力強いヘディングで合わせ、ゴールにねじ込んだ。PK失敗を取り返す今季初の1試合2ゴールに、雄叫びをあげた“桜のエース”。ここからホーム・ヨドコウ桜スタジアムの歓声のボルテージも一段と上がると、それに呼応するように、終盤にかけてセレッソが猛攻を仕掛ける。74分には、切り札のヴィトール ブエノと、ケガから復帰の為田大貴がピッチに入ると、83分、2人も絡んだ形でゴールに迫る。さらに後半アディショナルタイムには、毎熊が地を這うミドルシュートを枠内に飛ばしたが、ここは相手GKの好守に阻まれ、勝ち越しとはならず。その後、横浜FMにサイドを崩されヒヤリとする場面もあったが、スコアは動くことなくそのまま2-2で終了。ともに持ち味を出し合った激闘は、勝点1を分け合う結果で終わった。
上手く試合を運べなかった前半や、2度先行される苦しい試合展開を考えれば、よく盛り返して追い付いたとも評せる試合だが、終盤の攻勢を考えると、勝ち越して勝点3を得たかった試合とも言える。「昨年の私たちであれば、先制されたゲームを追い付くことがなかなかできなかった中で、難しい流れから2度追い付いたことは、非常に大きな成長を感じます。大きな勝点1だと考えていますし、次もまたホームでできるので、次は勝点3を取りにいきたい」と試合後に指揮官も話したように、連敗を回避し、この試合で得た勝点1を今後に繋げていくことが重要だ。5試合連続ゴールでチームを救ったレオ セアラも、「この勝点1はリーグの最後の結果にも結びつく」と前を向いた。中5日で行われる次節・北海道コンサドーレ札幌戦へ向け、全員で良い準備を重ねていく。