Match Preview
- 5/11 神戸戦
- メディア
シーズン序盤に訪れた大一番。逆境をチーム全員で乗り越え、昨季・王者から大きな勝点3を掴みたい
悔しい結果に終わった前節のガンバ大阪戦から中4日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、昨季の王者、ヴィッセル神戸との明治安田J1リーグ第13節に挑む。現在は4試合勝利がないセレッソ。この流れを断ち切るためにも、神戸との関西ダービーに勝利し、再び上位に迫りたい。
前節の大阪ダービーでは、敗戦という結果もそうだが、毎熊晟矢、登里享平といった、今季のビルドアップを支えてきた2人のサイドバックが試合中に負傷するアクシデントも起こった。チームにとって痛手であることは確かだが、「新しいエネルギーが加わることで、劇的にチームがグンと成長する、パフォーマンスを発揮する、そういう経験も私自身あります」と小菊昭雄監督も話すように、過去2シーズンも、負傷者が続出するシチュエーションを、チーム全体の総合力で乗り越えてきた成功体験がある。4戦未勝利であり、ケガ人が続出する現在は、紛れもなく今季の中でも正念場と言えるが、前節、途中から右サイドバックでプレーした奥田勇斗が「これまでも常にいい準備はしてきました。今まで出られなかった(悔しい)思いをこれからの試合で表現したい」と話したように、新たに入る選手が“代役”に留まらない活躍を見せることで、チームの競争力は一気に上がる。「困難な時期を乗り越えたときはチームの結束力がグッと高まる」と指揮官も言葉に力を込める。ディフェンスラインの再構築が迫られる中、U-23の代表活動から戻ってきた西尾隆矢、ジャスティン ハブナーへ懸かる期待も大きい。
神戸とは、昨季はホームでは2-1で勝利し、アウェイでは0-1で敗戦。いずれも僅差の好勝負を演じた。もっとも、アウェイでの対戦では、点差こそ1点だが、神戸のプレスや球際の強さに圧倒され、なす術なく敗れた印象も強い。今節も、そうした神戸のハイプレスをいかに回避するか、長短織り交ぜたパスでいかに敵陣にボールを運んでいけるかは試合のポイントになる。つなぐところ、背後に蹴るところを使い分け、プレスの網にかからないビルドアップを心掛けたい。また、神戸の特長であるロングボールに対し、セレッソの最終ラインがしっかり跳ね返すことも、勝利には欠かせない。「一番大事なことは、チャレンジのところ。ファーストディフェンダーがいかに弾けるか。大迫選手、武藤選手、佐々木選手、そうした強い選手に対し、ファーストディフェンダーが自分の強みを発揮できるか」を小菊監督も勝負のカギに挙げるが、フィジカルに優れた神戸の3トップに対し、個々の局面でしっかり対応し、プレスバックも含めて自由にさせないことが求められる。競り合いから派生するセカンドボールの争い、球際の争いでもしっかり応戦したい。
現在、2位の神戸との勝点差は3。勝てば並び、負ければその差は6に広がる。「この4試合は勝点を伸ばせていない状況ですが、もう一度、優勝争いに加わっていけるかどうか。その権利を懸けた戦いだと思っています」と指揮官も今節を位置付けるが、シーズン序盤に訪れた大一番。“シックスポイントゲーム”と言える。「勝点が近い分、勝てば大きいですし、ここからの上位2試合を勝ち切れば、チームとしても波に乗れます。優勝を目指す以上、上位の相手に勝つことは必要。その意味では、明日の試合はモチベーションにもつながっていますし、今の悪い流れを断ち切るためにも、いい相手だと思います」とは為田大貴。ホーム・ヨドコウ桜スタジアムの後押しも力に変えて、現状を打破する大きな勝点3を目指す。
試合前日コメント
小菊 昭雄監督
Q:4戦未勝利でケガ人も出ている現状は、今季の中でも正念場だと思うが、チーム全体でどう乗り越えていきたい?
「どのシーズンも必ず波はあります。いい波の時もあれば、困難な時期もあります。まさしく今、いい波が来た後の困難な波が来ているという感じはしますが、そういう時こそ成長するチャンスだと思っています。毎年、困難な時期を乗り越えたときはチームの結束力がグッと高まることは、これまで私も経験してきました。そういう時期を全員で乗り越えることで、一人一人も成長しますし、チームも成長します。明日は全員で(4戦未勝利の)現状を乗り越えたいと思います」
Q:対ヴィッセル神戸という部分では、昨年はホームで劇的な勝利を挙げた一方、アウェイでは力の差を見せ付けられる敗戦を喫した。今季も優勝を争う強敵だと思うが、改めて神戸戦への意気込みについて
「我々の目標である優勝のためには、必ず倒さないといけない相手です。全員の力で真っ向から向かっていきたい。このタイミングで素晴らしいチームと対戦できることを大きなチャンスだと捉えて、チーム全員で向かっていきたいと思います」
Q:前節の大阪ダービーに続き、今節は関西ダービーです。連敗するわけにはいかない?
「そうですね。連敗は許されないですし、優勝するためには絶対に勝たないといけない相手です。この4試合は勝点を伸ばせていませんが、その状況でも5位にいます。もう一度、優勝争いに加わっていけるかどうか。その権利を懸けた戦いだと思っています」
Q:滝川第二高校の後輩・神戸の吉田孝行監督と、上位対決というシチュエーションで対戦することについて
「昨年もそうでしたが、そうした緊張感の中で戦えることを幸せに感じています。2位と5位の上位対決で戦えることは素晴らしいことだと思っています。明日、勝って、優勝争いに加わっていけるように頑張りたいです」
Q:神戸は戦略的にロングボールを蹴ってくることが予想されます。いいボールを蹴らせないことも含め、こぼれ球の対応など、ロングボールへの対応について
「昨年から何度も対戦していますので、神戸のストロングポイントは理解しています。(ロングボールへの)対応は色々あると思います。ハッキリとリトリートして、スペースを消して戦うやり方も一つだとは思いますが、私たちはアグレッシブに、ハイラインでボールを奪いにいく。そこは私たちのサッカーの生命線でもありますので、私たちの強みをしっかり出しながら、ボールの出どころに激しくいく。蹴られてもしっかりとプレスバックして、セカンドボールのバトルに立ち向かっていく。そうしたスタイルでぶつかっていきたいと思います」
Q:欠場が予想される選手がいる一方、新たに出番を得る選手もいると思うが、そうした選手たちに期待したいことは?
「新しいエネルギーが加わることで、劇的にチームがグンと成長する、パフォーマンスを発揮する、そういう経験も私自身あります。明日は、新しく入るパワーを思う存分に発揮して欲しいと思いますし、それがまたチームの大きな波になると思っています」
Q:昨年のホームでの対戦時は、進藤選手が大迫選手といいバトルをしていました。やはり今節も、CBを含めた最終ラインの働きは重要になる?
「明日のゲームはボールの出どころにいくこと、チャレンジ&カバー、プレスバックも大事になってきますが、一番大事なことは、チャレンジのところ。ファーストディフェンダーがいかに弾けるか。大迫選手、武藤選手、佐々木選手、そうした強い選手に対して、ファーストディフェンダーが自分の強みを発揮できるか。そこが一番大事なポイントになると思いますで、そのバトルで優位性を持てるようにしていきたいです。彼ら(最終ラインの選手)も自分のストロングポイントとしてこだわっているところですので、そこのバトルには期待したいです」
Q:U-23の代表活動から戻ってきた西尾選手、ジャスティン ハブナー選手の現状について
「ケガなく元気に戻ってきてくれました。練習もしっかり合流していますので、心身ともに充実した状態だと思っています」
為田 大貴選手
Q:長いシーズン、いい時期もあれば、そうではない時期もあると思うが、4戦勝ちなしの現在はシーズンの中でも正念場という印象があります。こうした苦しい時期を、為田選手個人として、チームとして、どう乗り越えていきたいですか?
「もちろん、1試合1試合、自分たちがやるべきことをやるだけですが、チームとして優勝という目標を掲げている以上、何が何でも次の試合は勝たないといけない。(その後の)町田戦にいい形でつなげるためにも勝点3は絶対。今は追われる立場から追う立場になっていますし、割り切って、自分たちがキャンプからやってきたことを迷わずやるだけ。自分自身、そうした中でピッチに立てることは嬉しいこと。ケガ人は増えていますが、こういう時にチームとして結束できれば、また強いセレッソが作れると思う。正念場というよりは、もう一回、新たな気持ちで、みんなで1試合、1試合に臨めたら、という感じです」
Q:そうした状況の中、今節の相手が神戸ということは、チャレンジャー精神を持って挑める分、格好の相手という捉え方もできる?
「そうですね。勝点が近い分、勝てば大きいですし、プラスに捉えることは出来ると思います。ここからの上位2試合を勝ち切れば、チームとしても波に乗れますし、順位も必ず上がります。また首位の可能性もありますし、優勝を目指す以上、上位の相手に勝つことは必要。その意味では、明日の試合はモチベーションにもつながっていますし、今の悪い流れを断ち切るためにも、いい相手だと思います」
Q:対面する選手は恐らく酒井高徳選手になるかと思われるが、サイドの攻防は、どうイメージされている?
「もちろん、技術もありますし、強さもスピードもある選手です。(酒井選手だけではなく)全てを兼ね備えた選手が両サイドにはいると思いますが、個人だけの戦いではないですし、チームとしてうまく封じ込めれば、孤立させることもできると思う。相手のストロングを、僕を含め、みんなでコミュニケーションを取りながらうまく潰していければ、相手はリズムが掴めなくなると思います。(相手のストロングを)逆手に取って、自分たちがいい形に持っていけば流れは必ず来ると思いますし、相手も焦ってくると思う。相手の強みを消しながら、なおかつアグレッシブに、自分たちが求めているサッカーができればと思います」