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Match Preview

  • 5/15 町田戦
  • メディア

苦境脱出へ、やるべきことは見えている。あとは選手全員が遂行し、結果につなげたい

 

前節のヴィッセル神戸戦から中3日。セレッソ大阪は、アウェイに乗り込み、FC町田ゼルビアとの明治安田J1リーグ第14節に挑む。今季初の連敗を喫し、ここ5試合勝利がないセレッソとしては、是が非でもこの流れを断ち切り、再び上位に迫る1勝を掴みたい一戦だ。


前節の神戸戦では、前々節の大阪ダービーで負傷した毎熊晟矢、登里享平を欠いた中、右サイドバックで先発した奥田勇斗が躍動。巧みなポジション取りで、再三フィニッシュにも絡むなど、チームに大きな力を与えた。自身でも、「作りの部分では自分の特長も出せましたし、それが自分の得意な部分」と納得の表情で振り返る。その一方で、セットプレーで競り負けた3失点目にも言及し、「セットプレーでの失点は試合を大きく分ける。そこで個人で負けると、勝てる試合も勝てなくなるので、そこは経験を積みながら強くしていければと思います」と反省の言葉を残した。もっとも、そうした成果と課題はチーム全体にも言えること。カピシャーバも含めて主力3選手を欠いた中でも、前述の奥田やルーカス フェルナンデス、途中出場のジョルディ クルークスや柴山昌也らのチャンスメイクにより、前後半を通じてゴールに迫る形は作れていた。ただし、ボールを失った後のリスク管理やセットプレーの守備対応など、ディフェンスラインのメンバーが変わった中で、うまく連係が取れていない場面も見られただけに、今節へ向けてはセットプレーも含めた守備での対人や連係を改善していくことが求められる。前節の試合後、「課題にも向き合いながら、いいところを伸ばしていきたい。全てのレベルが一段階上がれば、面白くて強いセレッソを作っていける」と話したのは舩木翔だが、チームとしてすべきことは選手たちも理解している。あとはそれを結果につなげることで、正のサイクルへ戻していきたい。


今節の相手、町田はJ1昇格初年度ながら、堂々の戦いぶりで2位に付けている。その戦い方は徹底されており、攻撃ではボール保持にこだわらず、素早く縦に入れるスタイルが特長的。空中戦に強いオ セフンをターゲットに、その周りをサポートする攻撃陣も豊富であり、ロングスローを含めたセットプレーも武器にしている。セレッソとしては、対人で競り負けないこと、セカンドボールの争いで後手を踏まないことが、勝利には欠かせない。試合の流れを考えると、何より重要なのが先制点。直近の5試合勝ちなしの間は、いずれも先制点を許して自ら試合を難しくしているだけに、今節こそ良い時間帯で得点を取り切り、試合を優位に進めていきたい。キックオフの笛が鳴った後、最初のプレーから両ゴール前の意識は高めていきたい。前節のゴールで早くも二桁に乗せたレオ セアラも、「勝利につながるゴールを取って、今節こそ勝ちたい」と強い意欲を漲らせる。そうした桜のエースに追随するスコアラーの出現にも期待したい。


未勝利に負傷者と、負のスパイラルに陥っている現状だが、抜け出すカギ、勝利に向けてやるべきことは、チーム全員が把握している。あとは、それをいかに90分を通してやり切り、結果につなげていけるかだ。「今の勝点差は、自分たちでしっかり取り戻せる。今節へ向けた3日間でも、苦しい状況を自分の力で打破していく、という雰囲気を持った選手がたくさんいました」と小菊昭雄監督。未勝利が続く流れを自らの力でしっかり断ち切って、今季の中でも分岐点となる試合にしたい。


試合前日コメント

小菊昭雄監督


Q:今季初の連敗を受けて、今節に向けたミーティングや練習の声掛けで、より強調したことはありますか?
「ここ数試合、勝点を順調に上積みできていない状況ではあるのですが、キャンプから積み上げてきたことを表現できている時間帯も多くあります。いいところは全員で共有して、ただ、勝点を積み上げられていない理由もあるわけで、そこもしっかりと全員で共有しています。メンタル的なところも、私が監督に就任して以降、そして今年のスタートでも常々言っていますが、『日常が全て』だと。もう一度、日々の競争に打ち勝った選手、コンディションのいい選手、クオリティーを発揮している選手、ギラギラしている選手を使うと。そういった部分も含めて全員で共有しました。変化を起こすところと、大切に継続していくところをしっかりと自分自身がジャッジしていきたいと思っています」

Q:今季は「1敗の重みを大事にしたい」ということを選手も強調していました。この3日間、選手たちのメンタル的な様子はいかがですか?
「ミーティングで私も強くそのことに触れました。そうした中で、この苦しい状況を自分の力で打破していく、という雰囲気を持った選手がたくさんいました。ギラギラした3日間のトレーニングでした。選手たちは明るく素晴らしい雰囲気で準備してくれました。そのことについては感謝しかないですし、もう一度、競争のサイクルが動き始めたと思っています」

Q:負傷者が出て、積み上げてきた部分が出せない部分もあると思いますが、改めて、直近の5試合勝ちなしの原因をどう考えていますか?
「複数、理由はあると思います。選手、スタッフの頑張りで、素晴らしいスタートを切れて、首位というポジションにも立てたのですが、ここ数試合、勝てていないのは、主力にケガ人が出たこともそうですし、継続した蓄積疲労がある選手も出てきていること。また、私たちのサッカーに対してスカウティングも進んで、良さを消されていることも、ここ数試合、勝ち切れていない理由だと思います。一つ一つ解決していくことが大事です。ケガ人のところも、もちろん選手が欠けるのは痛いですが、先ほど申し上げた通り、競争のサイクルがググっと回り出したので、明日、出る選手で期待が大きい選手もたくさんいます。彼ら(負傷者)以上のパフォーマンスをぜひ発揮して欲しいと思います。戦術的なところも、スカウティングされる中で、私たちが新たな変化を起こすことも必要になってきます。キャンプからやっていることに加え、プラスαの肉付けを全員でやっています。特にビルドアップのところですね。そのあたりは、また明日の試合で皆さんにお見せしたいと思います。それに何よりも結果です。今の勝点差は、自分たちでしっかり取り戻せる差だと思っています。明日、2位の町田に勝つことで、またチームが成長できると思いますので、非常に大きな試合になります」

Q:FC町田ゼルビアは、スタッツがかなり特長的です。ボール保持率は一番下に近い数字の一方、前方パスの比率や相手陣での空中戦勝利数は1位。ダイレクトにゴールに迫ってくるスタイルですが、そうした相手の特長も踏まえつつ、今節のポイントをどう考えていますか?
「個人の特長を最大限に生かしてくる、全員でスタイルを全うする強みを持っているチームだと思います。守備も含めて、特長のあるチームです。その中で、やはり相手のリスタートやロングボールの対応は、神戸戦と同様、大きなポイントになると思っています。神戸戦もできたところはありますし、リスタートの課題もありました。3日間という短い期間でしたが、その課題に対して選手たちは真摯に向き合って、グループで解決するという強いメンタリティーも感じました。相手のストロングポイントを出させない、バトルに勝つ、全員でカバーし合う。そういったトレーニングができましたので、明日はしっかりと表現したいと思います」

Q:パリ五輪の最終予選では辛い思いをした部分もあると思いますが、戻ってきた西尾選手の変化と、今後、期待する部分は?
「常日頃、予選に行く前からチームを引っ張ってくれている選手ですし、高いモチベーション、リーダーシップを発揮して、毎日のトレーニングに取り組んでくれています。その部分は、戻ってきても変わっていません。いつも通り、毎日のトレーニングで精一杯、準備して臨む。その素晴らしい姿勢は何も変わっていません。コンディションのところも非常に良いと感じています。この連戦でも、彼が大事なキーマンになることは間違いないと思います」

奥田勇斗選手


Q:前節のJ1先発デビュー戦について、周囲からの反響はありましたか?
「友達もスタジアムに足を運んでくれて、家族、いとこも見に来てくれました。試合には負けたのですが、『個人としてはいいプレーをしていたよ、ファン、サポーターの周りの評価も高かったよ』ということは聞きました」

Q:そうした1試合における反響の大きさも含め、試合に出ることでプロを実感した部分もありますか?
「そうですね。ずっと試合に出られていなかったので、自分の特長を出せる場面もなかった。途中出場だとまた難しい部分もあった中で、今回は先発として出させてもらったので、見せる時間もたくさんあったので、入りから自分の特長を見せられた試合になったと思います」

Q:先発で出ることで、より自分がやらないといけないこと、やるべきことが明確になった部分もありますか?
「攻撃に関しては、作りの部分では自分の特長も出せましたし、それが自分の得意な部分でもあるのですが、ファイナルゾーンでのクロスの質やシュートの質は、改めて高めていかないといけないと感じました。守備の部分では、セットプレーでの失点は試合を大きく分ける。そこで個人で負けると、勝てる試合も勝てなくなるので、そこは経験を積みながら強くしていければと思います」


Q:FC町田ゼルビアは前方パス比率が高く、ダイレクトに背後を狙ってくる。セットプレーも強みにしているが、そうした相手に大事になるポイントをどう考えていますか?
「町田さんは縦に速いサッカーで、セットプレーにも特長があります。前節は自分のところでやられた部分もあったので、まず個人の対人で負けないことを意識したいです。縦に速いチームに対して、いい準備ができれば対応できるので、そこは短い期間でしたけど、守備の選手たちとも話して連係は取れているので、あとは結果を出すだけです」


Q:パリ五輪世代の選手、藤尾選手や平河選手を意識する部分もありますか?
「そうですね。実際、一緒にプレーしたことがある選手たちですし、特長は掴んでいる部分はあります。同世代ですし、負けたくない気持ちはあります」

Q:先発で出るにあたり、毎熊選手から何か言葉を掛けられたことはありますか?
「前節の前は、自分のサイドの前の選手、ジェアン パトリッキ選手の特長も含めて助言はもらいました。ノボリさん(登里)からも、『思い切ってプレーしろ』と伝えてもらいました」

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