Match Preview
- 5/22 琉球戦
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FC琉球とのルヴァンカップ3回戦。プレーオフラウンド進出とともに、チームの競争力を高める勝利を目指す
連敗を3で止めた直近のリーグ戦、アビスパ福岡との明治安田J1リーグ第15節から中3日。大会をJリーグYBCルヴァンカップに移し、セレッソ大阪はFC琉球との1stラウンド3回戦に挑む。舞台は敵地・タピック県総ひやごんスタジアム、19時キックオフだ。
第9節の名古屋グランパス戦で今季初の敗戦を喫して以降、チームはリーグ戦6試合勝ちなしと苦しい状況に置かれていたが、福岡戦では今季最多の3得点を奪って勝利。7試合ぶりの勝点3を掴んだ。「チームとしての雰囲気は、連敗中も良かったですし、それが結果に出たと思います」と上門知樹も話すように、6戦勝ちなしの間も決して下を向くことなく、選手一人一人が自身と向き合い、成長を求める姿勢を持ち続けたことが、結果にもつながった。また、そうした姿勢は、リーグ戦に出ている選手だけではなく、チーム全員が普段のトレーニングから持っている。直近のリーグ戦から先発の入れ替えも予想される明日のルヴァンカップでは、そうした選手全員が日常の成果をぶつける機会になる。「普段あまり出ていない選手がチャンスをもらった時に、どれだけ結果、インパクトを残せるか。残すことができれば、これからのリーグ戦に向けても、いい競争ができる。僕自身もまだ結果を残せていないので、積極的にシュートを打つイメージをして試合に入りたい」と上門。チームの競争力を高めるためにも、勝利はもちろん、出場する選手たちの好プレーに期待したい。
J2昇格を目標に戦っている琉球は、明治安田J3リーグ第14節を終えた時点で堂々の2位。特にホームでは今季ここまで不敗を誇り、JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦ではJ1チームを破るなど、勢いもある。セレッソにとっても簡単な試合にはならないだろう。キン ジョンソン監督が率いる琉球のスタイルは、細かいタッチでボールをつなぎ、縦にパスを付けていく攻撃サッカー。その中心にいるのが、セレッソから育成型期限付き移籍している岡澤昂星だ。契約上、岡澤はこの試合に出場することはできないが、セレッソとしてもしっかりとプレスをかけ、琉球のパス回しを遮断していきたい。警戒すべき選手はFWの白井陽斗。現在、J3得点ランクトップの9ゴールをマークしており、鋭い出足で背後へ飛び出すプレーが最大の持ち味。その裏抜けには十分、注意したい。また、セレッソにとって琉球と縁がある選手は多い。特に沖縄県うるま市出身で、琉球でプロ生活をスタートさせた上門にとっては原点と言えるクラブ。自身をスカウトしてくれた恩師でもあるキン ジョンソン監督に3年間、指導を受け、4年目にブレイク。ファジアーノ岡山を経てセレッソに加入した経緯があるだけに、凱旋試合となるこの試合でどのようなプレーを披露するか期待したい。レオ セアラも初のJリーグは琉球だった。当時J3に所属していた16年、1シーズンだけプレー。結果こそ思うように残せなかったが、「琉球では試合に出続けることができて、ピッチ内外で学ぶことが多い時間だった」と振り返る。この経験を糧に成長を遂げた現在は、堂々、J1リーグの得点ランクトップに立つ。出場すれば、上門と同じく大きくなった姿を見せたい。山田寛人も19年の8月に琉球へ育成型期限付き移籍。J2リーグ10試合2得点という記録を残している。ここからのリーグ戦につなげていくためにも、古巣相手に今季の公式戦初ゴールを決めたい。
クラブ設立30周年の今シーズンは、クラブ初のリーグ優勝を最大の目標に戦っているが、もちろんカップ戦も頂点を目指すことに変わりはない。特にルヴァンカップは小菊監督体制になって以降、21年、22年と2年連続で準優勝に終わっているだけに、戴冠への意欲は強い。プレーオフラウンド(ベスト16)進出へ向け、チーム一丸、一戦必勝の精神で挑む。
試合前日コメント
小菊 昭雄監督
Q:リーグ戦で7試合ぶりに勝利した直後の公式戦です。チーム力をさらに大きくしていきたい一戦になりますが、試合に臨む意気込みについて
「ルヴァンカップは私にとってもクラブにとっても非常に思い入れのある大会です。相手はJ2、J1のチームを倒して3回戦に進出してきたチームです。スカウティングをしても、非常に力のあるチームだなと思います。その相手に対してアウェイの地で、チーム一丸となって、とにかく勝つ。次のラウンドにコマを進める。それだけにフォーカスして臨みたいと思います」
Q:琉球は攻撃的なスタイルですが、警戒するポイントと、勝つために必要なことは?
「攻撃に強みがあるチームだと思っています。GKからビルドアップを大切に行い、前の選手たちはディフェンスラインの背後を狙いながら、長短のパスを織り交ぜて攻撃してくる素晴らしいチームです。その琉球に対して、私たちはいかに、いい守備でボールを奪って攻撃につなげるか。そこが大事になると思います。相手のビルドアップ対ウチのハイプレス。たくさんあるポイントの中でも、そこが一番のポイントになると思います」
Q:明日の試合はJ1のクラブと2度目の対戦です。県民の期待値も高いが、まだJ1のプレーを見たことがない沖縄の人たちに、どのようなプレーを見せたい?
「私自身も2回戦はテレビで拝見しました。沖縄の皆さんの情熱、試合後の歓喜の姿を見た時に、サッカー文化が根付いているな、サッカー人気が凄いなと感じました。明日、私たちもサッカーの素晴らしさ、クオリティーもそうですが、戦う姿勢、走り切る、強度、そうしたサッカーの素晴らしさを沖縄の皆さんにもお届けできたら嬉しいと思いますし、チーム一丸となって勝利を目指す姿をお見せしたいと思います」
Q:明日のメンバー選考においては、どこに重きを置かれていますか?
「まず、蓄積疲労、ケガを持っている選手はこちらに残します。ただ、その中でも当然、競争はあるわけで、日々の競争を勝ち取った選手が先発として出ます。そして、明日の試合でパフォーマンスを発揮して、チームの勝利に貢献することで、序列も上がると思います。明日は、少しケガで苦しんだ選手、ここまでのシーズンでなかなか試合に出られなかった選手、そうした選手たちが活躍することで自分の立ち位置を勝ち取る。その姿勢を期待していますし、楽しみにしています」
上門知樹選手
Q:プロのキャリアをスタートさせたFC琉球との対戦です。率直な思いと、どういう姿を見せたい?
「育ててもらったクラブなので、感謝の思いをプレーで示すのが一番ですし、チームが勝つために自分がゴールを決めることが恩返しにもなります。この世界に入れてくれた(キン)ジョンソン監督がいるので、成長した姿を見せたいです」
Q:恩師でもあるキン ジョンソン監督から学んだことや、上門選手にとっては、どのような存在ですか?
「プレーに関して言えば、前を向く姿勢です。琉球のスタイルとして、縦パスを入れて、前を向いて、という攻撃だったので、そこを勉強させてもらいました。シュートの部分も評価してもらったので、そこもさらに成長したところを見せたいです。あとは、琉球時代はあまり得意としていなかった守備も、(ファジアーノ)岡山とセレッソを通して成長していると思うので、そういうところも見せていけたらと思います。ジョンソンさんはプロの世界に入れてくれた方ですし、それがなければ、こうやって対戦することもなかったです。プライベートも含めて監督というより親のような存在でした。今でもその関係性は変わっていませんが、明日は敵なので、しっかり倒したいと思います。点を取ることが一番の恩返しになると思います」
Q:久しぶりの沖縄での試合ですが、沖縄県民の皆さんへ意気込みをお願いします。
「琉球のサポーターもたくさん見に来られると思います。注目されるゲームになると思いますが、(J1のチームは)これだけできる、ということも琉球のサポーターには見せたいです。沖縄でプロを目指している子どもたちもたくさん来ると思うので、そういう子どもたちのためにも、いいプレーができればと思います」
Q:上門選手がいた頃とは選手も変わっていますが、現在の琉球にはどんな印象がありますか?
「ジョンソンさんも一度、琉球を離れて鹿児島で監督をしたり、色々な変化もあると思います。僕がいた当時は4-1-4-1のフォーメーションでしたが、最近は3バックなどもしたり、変化もしています。でも、根本的には変わっていないというか、縦パスを付けて、もぐっていくことがジョンソンさんのサッカーだと思いますし、そこが琉球の強み。点を取られても、それ以上に取ればいい、という考えもお持ちなので、根本は変わっていないと思います」
Q:2回戦での勝利は、沖縄では“ひやごんの奇跡”とも呼ばれているが、どんな印象を持ちましたか?
「リアルタイムで見ていましたが、どっちが勝ってもおかしくない試合だったと思います。琉球が先制して、追い付かれた後は流れが相手に行きましたが、しっかり流れを持ち直して勝ったのは、さすがジョンソンさんだなと思いました」
Q:チームとしては、リーグ戦で勝った勢いをさらに大きくしたい一戦ですが、どのような試合にしたいですか?
「前節、福岡に勝ちましたが、研究された中で、チームも変化していきます。新たなフォーメーションを監督も提示して下さっていますし、選手は監督を信じて付いていくだけ。チームとしての雰囲気は、連敗中も良かったですし、それが結果に出たと思います。明日の試合では、普段あまり出ていない選手がチャンスをもらった時に、どれだけ結果、インパクトを残せるか。残すことができれば、これからのリーグ戦に向けても、いい競争ができます。僕自身もまだ結果を残せていないので、得点も含めて次の試合は大事になります。普段、出ていない選手が出た試合で勝てればチームとしても勢いが出るので、大切な試合になります」
Q:琉球は直近のリーグ戦でも勝利し、今季はホームで1度も負けていません。明日はどのようなところが勝負のポイントになると思われますか?
「琉球も攻撃力のあるチームなので、先制されると、僕らも前に行かないといけなくなり、難しくなります。しっかり失点ゼロで抑えて、決めるところをしっかり決めることが大事になります。自分自身、積極的にシュートを打つイメージをして試合に入りたいです」