Match Review
- 5/22 琉球戦
- メディア
今季初出場、平野佑一が決勝点。早い時間に退場者を出す苦しい戦いも、チーム一丸で守り、プレーオフラウンド進出
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2024052207
連敗を3で止めた直近のリーグ戦、アビスパ福岡との明治安田J1リーグ第15節から中3日。大会をJリーグYBCルヴァンカップに移し、セレッソ大阪はFC琉球との1stラウンド3回戦に臨んだ。先発は福岡戦から奥田勇斗を除く10人を入れ替え。平野佑一が加入後初出場・初先発、清武弘嗣、山下達也が今季初先発を果たした。
沖縄市に朝から強く降っていた雨は夕方には止み、ピッチコンディションも良好に。一方で、雨上がり特有の蒸し暑さにも包まれた中で始まった一戦は、立ち上がり、風上に立ったセレッソが攻勢をかける。2分、奥田のパスから裏を取った上門知樹がゴールに迫ると、5分にも、背後を取った山田寛人、阪田澪哉が連続してシュート。ともにDFにブロックされたが、ここで得たCKからセレッソが先制に成功。清武のキックをファーで待ち構えた平野が頭で合わせた。準備段階から「狙っていた」(平野)形でセレッソが幸先の良いスタートを切った。試合前、「長短のパスを織り交ぜて攻撃してくる琉球に対し、私たちはいかに、いい守備でボールを奪って攻撃につなげるか」をポイントに挙げていた小菊昭雄監督だが、9分、高い位置で為田大貴がボールを奪い、ショートカウンター。山田がドリブルで持ち込み、GKと1対1の場面を作り出したが、決め切れず。直後に琉球の白井陽斗に抜け出されてピンチも招いたが、ここはGKヤン ハンビンが好セーブ。こぼれたところも山下がカバーし、事なきを得た。良い入りを見せたセレッソだったが、17分にアクシデント。背後に抜けた白井をジャスティン ハブナーが倒して1発退場。早い時間で数的不利を余儀なくされた。
23分、小菊監督は山田に代えて西尾隆矢を投入。上門をワントップに据え、システムを4-4-1として対応した。ここから琉球にボールを持たれる時間は長かったが、セレッソも為田が何度か相手の背後を取るなど、カウンターの脅威を見せつつ守備でも焦れずに応戦。何度かゴールを脅かされた場面はあったが、決定的に崩されることなく前半を終えた。後半開始から、「ケガ明けで45分限定」(小菊監督)の毎熊晟矢に代わってジョルディ クルークスが入り、阪田が右サイドバックに下がった。システムは引き続き4-4-1。後半も試合の構図は変わらず、セレッソは守備で我慢しながら、隙を見て追加点を狙う。47分、前線で上門が起点を作り、フォローに入ったクルークスがカットインからミドルシュートを放つ。55分には、相手の左サイドを突破され、決定的なシーンまで持ち込まれたが、クロスからのヘディングはヤン ハンビンが阻止。ルヴァンカップ2回戦でも勝利に大きく貢献した守護神が、この試合でも相手に立ちはだかった。
このシーンを含め、後半は自陣右サイドを狙われる場面が続いたこともあり、58分、指揮官は5バックでサイドのスペースを埋める選択を決断。清武に代えて舩木翔を投入、システムを5-3-1で構えた。もっとも、ただ守備を固めるだけではなく、奪った後は丁寧につなぎつつ上門が背後を狙うなど、追加点を狙いにいく姿勢も見せる。75分には、山下に代わって北野颯太が入り、北野が1トップに。それに伴い、上門が中盤の真ん中、平野が3バックの右にそれぞれポジションを落とした。81分、セレッソに決定機。阪田のフィードから相手DFの裏を取った北野がGKとの1対1を迎えたが、シュートをGKに当ててしまい、決め切れず。追加点の絶好のチャンスこそ逃したが、5バックに変えて以降、相手に大きなチャンスを作らせることなく、ゲームをクローズしたセレッソ。最後まで選手間の意思統一と集中力は切れることなく、前半6分に奪った平野の得点を最後まで守り切り1-0で勝利した。
試合後、「指揮を執りながら胸を打たれました。素晴らしい勝利」と振り返った小菊監督。「今日のゲームはリーグ戦でなかなか出場機会の少ない選手、長い間ケガで離脱して苦しい思いをした選手。そうした選手たちがたくさん試合に出ていました。そうした選手たちのパフォーマンス、勝ちたいというメンタリティ、最後まで走り、戦う姿勢が素晴らしかった」と、この試合でプレーした選手たちに賛辞を送った。早い時間帯での退場という予期せぬアクシデントを乗り越え、チームの一体感が深まる勝利を手にしたセレッソ。次なる戦い、プレーオフラウンドの相手はFC町田ゼルビアに決定。チーム一丸で頂点を目指す。