Match Review
- 7/14 川崎F戦
- メディア
苦しんだ前半から一転、後半はシステムを変えて反撃。ヴィトール ブエノの技ありの一撃で追いつき勝点1を獲得
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2024071404/
天皇杯3回戦・ヴァンフォーレ甲府から中3日。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、川崎フロンターレとの明治安田J1リーグ第23節に臨んだ。先発は甲府戦からDFラインを除く7人を入れ替え。前節・東京ヴェルディ戦からは1人変更。阪田澪哉に代わり、奥田勇斗が右サイドバックに入った。
立ち上がり、ルーカス フェルナンデスが田中駿汰とのワンツーで右サイドを破るなど良い入りを見せたセレッソだが、4分、プレスを裏返され、川崎の強みである左サイドのマルシーニョを起点に決定機を作られる。対応に当たった奥田が交わされ、中央にパスを通されると、脇坂泰斗に進入されてGKとの1対1に。ただし、ここはキム ジンヒョンが素晴らしい反応でボールを弾き、クロスバーを直撃。守護神のビッグセーブで開始早々の失点は免れたが、前半は川崎の快速ドリブラーを止める術がなく、後手を踏み続けた。19分、23分にも彼を起点にピンチを招くと、36分に失点。キム ジンヒョンのクリアをカットされると、そこから前に運ばれ、縦につながれ、背後に抜け出されたマルシーニョにネットを揺らされた。続く38分にも被決定機。川崎の司令塔・大島僚太のパスからまたしてもマルシーニョに背後を取られたが、再びキム ジンヒョンがビッグセーブ。態勢を崩しながらも左手1本で止めてみせた。試合後は、「僕の仕事はそこなので。最後の最後で止めることが、自分がやらないといけないこと」とサラリと言ってのけた桜の守護神。対応に苦しむ奥田や西尾隆矢ら若きDFラインを後ろからしっかりと支えた。劣勢の展開の中、1失点で抑えたことが後半につながった前半だが、攻撃面ではチャンスらしいチャンスは作れず。11分、フェルナンデスのFKから田中が放ったヘディングは際どいコースへ飛んだが、GKチョン ソンリョンに防がれた。
「前半は攻守ともに距離感の問題がありました。特に攻撃のところで、良い攻撃ができない、奪われ方が悪くて川崎の武器であるカウンターを受けてしまった。その中で、距離感を縮める必要がありました。また、前半は少しロングボールの比率が高くなったので、足元で、ボックスで受けられる選手を入れて、立ち位置も変えてやりました」と試合後に述べた小菊昭雄監督だが、後半開始からセレッソは立ち位置とボールの回し方を大きく変更した。初期配置は田中をアンカーの4-3-3に、ボール保持の際は右サイドバックの奥田がボランチに入る3-2-5を採用。開幕当初に見せていた登里享平が中に入る逆バージョンを試みた。また、上門知樹に代わって後半から入った柴山昌也が奥埜博亮とともに2シャドーの立ち位置を取り、レオ セアラをサポートした。59分には、奥田を下げて平野佑一を投入。田中がDFラインに下がりつつ、ボールの保持の際はボランチにポジションを上げた。このシステム変更により、より高い位置を取ることが可能になったウィングから同点弾が生まれた。77分、舩木翔、セアラとつなぎ、相手DFを左サイドへ展開すると、カピシャーバのニアへのクロスに途中出場のヴィトール ブエノが巧みに合わせてネットを揺らした。直後、小林悠にゴールを決められたが、その前に家長昭博のタッチがゴールラインを割っていたことで無効に。胸をなでおろしたセレッソは、ここから試合終了まで猛攻を展開。87分には、相手CBのバックパスを拾ったカピシャーバがGKと1対1のシーンを迎えたが、ここは相手GKの好守に阻まれた。
後半アディショナルタイムには西尾の攻撃参加から柴山が絶好機を迎えたが、シュートは打てず。あと1歩まで追い詰めながら、勝ち越すことはできなかった。それでも「後半は久しぶりのシステムとタスクだったのですが、キャンプでやっていた立ち位置を全員が全うしてくれました。それが後半の素晴らしいパフォーマンスにつながったと思います」と指揮官は今後へ向けた手応えも覗かせた。今節の結果、首位・FC町田ゼルビアとの勝点差は『12』に広がったが、まだ諦めるのは早い。中断前最後の一戦となる次節・ホームに戻ってのアルビレックス新潟戦で勝利を収め、優勝戦線に食らい付いていきたい。