Match Preview
- 8/11 広島戦
- メディア
前節の内容も自信に変えて、宿敵・広島相手に、あと一歩の勝ち切る攻守を発揮したい
前節のFC町田ゼルビア戦から中3日。セレッソ大阪は、アウェイに乗り込みサンフレッチェ広島との明治安田J1リーグ第26節に臨む。前節と同様、今節も大一番。勝点が近い相手との直接対決で、リーグ戦5試合ぶりの勝利を掴み、上位に踏みとどまりたい。
町田戦は、試合後に両指揮官が健闘を称え合ったように、互いのスタイルを存分に出し合った好ゲームになった。チームとしても攻守に狙いを遂行し、選手個々を見ても、リーグ戦ではともに11試合ぶりの先発となった為田大貴と柴山昌也もしっかりゲームに入るなど、日常から良い準備をしていることが伺えた。再開初戦でそうした引き締まった試合ができたことを自信に変えていきたい一方、求められた勝点3を掴めなかったことも事実。首位との勝点差を縮める絶好の機会でもあっただけに、無念さは募る。今季ここまでの9勝11分5敗という数字を見ても、負け数は町田と変わらない。勝負の世界にタラレバは禁物だが、『11』ある引き分けを何試合かでもモノにできていれば、現在の立ち位置も大きく変わっている。先制されても追いつく粘り強さは発揮できているが、より上位に食い込んでいくためには、ここからは引き分けでは満足できない。「勝ち切るチーム」(小菊昭雄監督)に成長していくことが何より重要であり、ラスト13試合、1試合でも多く勝点3を手にしていきたい。
小菊監督の就任以降、ミヒャエル スキッベ監督率いる広島とは、毎回、好勝負を演じながらも勝利がない。今季の第16節での対戦時も、先制されて追いついた後、猛攻を仕掛けるも、逆転まであと一歩、届かなかった。今節こそ宿敵から白星をもぎ取り、チームの成長を加速させていく力に変えていきたい。勝負のポイントはいくつもあるが、まずは広島のパイプレスにかからないボール保持はその一つ。前から激しく来る相手に対し、「長短のパスを使い分けて」(小菊監督)前進し、ゴールに迫りたい。また、個々が強い広島の3バックをいかに攻略するかも重要。3バックの両脇でうまく起点を作り、相手を引き出すとともに、ギャップに入り込んでいきたい。エース・レオ セアラが激しくマークされることは必至なだけに、2列目、3列目からの攻撃参加も求められる。システム上、ズレが生じるサイドの攻防も見逃せない。セレッソでは2021年の同期入団であった新井直人とのマッチアップが予想される為田大貴も、「一人一人の戦うところ、走り負けないところはベースとして出して、あとは、今季取り組んでいる部分で相手を上回ることができれば」と闘志を燃やす。戦術的な駆け引きに加え、局面でのバトル、セットプレーも勝敗を分ける要素になりそうだ。
7月以降、リーグ戦は3分1敗と勝利がないだけに、今節は正念場。「8月の残りの試合は非常に大事。接戦を勝ち切れるチームに、結果を求めて明日の試合に挑みたい」と指揮官も意気込みを話すが、そうしたチーム、選手、サポーター全員の「勝ちたい」思いを結集させて、セレッソとしては初めて戦うエディオンピースウイング広島で、勝ち名乗りを上げたい。
試合前日コメント
小菊 昭雄監督
Q:相手の特長も違うので一概には言えない部分もありますが、前節から継続したいところ、さらに良くしていきたいところは?
「広島は町田とよく似たスタイルでもあると思っています。前線の個のクオリティーの高さを生かして速い攻撃を仕掛けてきますし、守備でも強度高く、全員でハードワークしてくる素晴らしいチームです。町田戦と同様、私たちがボールをしっかり握って、ゲームをコントロールする時間を増やしていきたいですし、長短のパスの使い分けが大事。足元、足元になり過ぎると、相手の強度をまともに食らってしまいます。相手の守備のスタイルとしては、人、人に激しく捕まえに来るので、ショート(パス)でおびき寄せながら、うまくロングボールを使い分けて、位置的優位や質的優位を生かしていきたいです。守備でも、前から行くところと、ブロックを組んで全員で粘り強く守るところ。前節と同様、攻守ともに距離感が大事になってくると思います。そのあたりは、前節は特に前半は素晴らしいパフォーマンスを発揮できたと思います。後半は少し延びてオープンな展開になりましたが、前半のような内容を長くやっていけるように。そして、最近は安定して負けないチームにはなってきましたが、やはり勝ち切るチームにしていきたい。負け数は少ないですが、引き分けが多い。明日の試合から8月の残りの試合は非常に大事になってきます。接戦を勝ち切れるチームに、結果を求めて明日の試合に挑みたいです」
Q:広島とは何度も対戦して特長は熟知されていると思うが、ボランチには新外国籍選手に加え、川辺(駿)選手も出場可能になるが、警戒すべき点はありますか?
「前節の東京ヴェルディ戦も見ましたが、クオリティーの高い、攻守のバランスが取れた選手だと思います。川辺選手も日本を代表する選手です。どのような組み合わせで来るかは明日になってみないと分からない部分もありますが、誰が出ても広島が目指すスタイルは大きくは変わらないと思います。ただ、速攻と遅攻の使い分けはさらに巧みさを増してくると思うので、私たちの守備のゲームコントロールも大事になってくると思います」
Q:広島の新スタジアムでの試合は初めてだが、何か思いはありますか?
「広島のアウェイに行くたびに、新スタジアムの完成も近い付いてきたな、という実感もあったので、そこで試合ができることは私たちも嬉しいこと。選手たちもワクワクしていると思いますし、私も今から楽しみです」
Q:7月に入って以降、未勝利ですが、課題になっている部分はどのように感じますか?
「少し勝利から遠ざかっていますが、内容としては、もう少しで勝ち切れる試合は続いていると思います。そこは自信を持ちながらも、決め切る、守り切る、先ほど話したようなメンタリティーも大事になります。また、しっかりとゲームをコントロールしながら、自分たちの時間帯にゴールを奪う、厳しい時間帯はしっかりと全員で守り抜くこと。そうした時間帯は増えています。あとは結果が出た時に、一人一人の成長やチームの成長は加速します。ケガ人も復帰して、色んなシステムを使い分けながら、立ち位置も変えながら、手応えは感じていますので、明日からのゲームで、より結果にこだわってやっていきたいです」
Q:夏場のコンディション管理について、気遣っていることはありますか?
「練習の強度やクオリティーを落としたくないので、トレーニングの開始を夕方にしていることが一つと、環境的にも交代浴ができる施設があり、その後すぐに、美味しい作り立ての夕食をいただける環境を整えてもらっています。休息と食事、クラブから100%のサポートをしていただいているので、そのサポートに感謝しながら夏場も戦っていきたいと思います」
為田 大貴選手
Q:前節は町田相手に強い気持ちで臨んだと思います。為田選手個人としてもキレのある動きを出せていたと思うが、ゲームを振り返ると?
「もちろんチームとして上に行くために、というゲームでもありましたが、町田にはリーグ戦でもカップ戦でも負けていたので、順位云々というよりは、プライド的なことを賭けて、みんな試合に臨みました。そういう負けたくない気持ちが試合の激しさやクオリティーにつながったと思います。自分たちがやらないといけないことはある程度できたと思います。監督も試合前に言っていましたが、最後は負けたくない気持ち、戦術云々ではないところが勝敗に左右することもあります。そこは試合の中で出せたと思います。個人的にも、アクシデントで試合に先発で出る形になりましたが、常にスタメンで出る準備はしていたので、何かを変えて、ということはなかったです。ただ、気持ちとしては、自分にとってラストチャンスぐらいの気持ちで試合に臨みました。チームとしても個人としても課題は残りましたが、最低限のところは出せたと思います。激しい試合、バチバチとした熱い試合ができたと思います」
Q:そうした試合を自信にしたい部分と、さらに勝ち切るために、今節に向けた3日間はどのように過ごしましたか?
「リカバリー中心にはなりましたが、リカバリー中も選手同士で話はしています。ミーティングでも、監督から次の試合に向けた提示、相手のストロングの消し方などは話し合いました。どちらかと言うと、広島も町田に近いというか、セットプレーも強いですし、個々の強度を武器にしているチームだと思います。一人一人の戦うところ、走り負けないところはベースとして出していかないといけません。あとは、今季取り組んでいる部分で相手を上回ることができればと思います」
Q:個々が強い広島の3バックをどう動かしてスペースに入っていくかがポイントになると思うが、広島相手にイメージしている部分は?
「僕が意識していることは、3バックの相手には、3のところにどううまくプレッシャーをかけるかということ。ワイドに選手もいる分、スライドが難しくなったり、相手の3トップを誰が潰すのか、誰がコースを切るのか。守備での微調整は必要になりますが、みんなで声を掛け合ってうまくプレスを嵌めていけば、自分たちが前向きにプレーできると思います。どの試合もそうですが、3バックの相手に対しては特に、後ろ向きにされるより、常に前向きにプレーする状態を作ることが重要。広島の3バックは固いですが、そうすれば、自ずとスペースだったり、隙も出てくると思います」
Q:セレッソに同じ年に入った新井直人選手と対面する可能性も高いが、意識する部分はありますか?
「上下動できる選手ですし、今はFKも蹴っています。セレッソで一緒にやっていた頃からさらに経験も積んでいると思いますし、今年は特に得点も取っています。攻撃で新井選手のところを押し込めばこっちのペースにもなると思いますが、逆に相手のペースになった時でも守備のタスクを全うして、良さを消せればと思います」
Q:途中出場が続いていた中で、前節は先発でした。先発で出る時と途中出場の時で、メンタル面で違いはありますか?
「メンタル面で意識することは特にないですが、途中から出る試合では、チームが勝っている時と負けている時で自分の役割や優先すべきプレーも変わるので、そこは意識しています。勝っている時はバランスを取りながら守備をすることが大事ですし、頭の中をクリアにしながら、試合を見ています。左サイドハーフで出ることが多いので、ノボリさん(登里)や(舩木)翔がどういうプレーをして欲しいか、考えながらプレーしています。守備でも、前から行った方がいいのか、パスコースを消す守備をした方がいいのか、そのあたりも考えながらやっています」