Match Preview
- 10/2 G大阪戦
- メディア
リベンジ誓う大阪ダービー。38分の1ではない特別な一戦で、求めるモノは勝点3のみ
台風10号の影響により延期になった明治安田J1リーグ第29節・ガンバ大阪戦が、10月2日、ヨドコウ桜スタジアムにて行われる。今シーズン、最初の大阪ダービーとなった第12節は0-1で敗れているだけに、今節は「何が何でも」(田中駿汰)勝利を誓う必勝戦だ。
9試合ぶりの勝利を収めた第31節・湘南ベルマーレ戦から中5日。ホームに戻り、連勝を目指して臨んだ柏レイソルとの明治安田J1リーグ第32節は、0-0のスコアレスドローに終わった。連勝とはならなかったが、「最近は失点が多い状況でしたが、しっかりとクリーンシートで終われたことはポジティブです」と指揮官は前を向く。第25節・FC町田ゼルビア戦以来となる無失点を好材料にしていきたい。柏戦はシステムを3-4-2-1で臨んだが、3バックの右に入ったのが、今シーズン、リーグ戦では初先発となった進藤亮佑。開幕前のケガに泣かされ、ここまで悔しい思いをしてきたが、「自分が入って、流れが良くなればと思った。プラスのエネルギーを与えたかった」と、チームに活力を注入。プレー面だけではなく、声や存在感で引っ張れる背番号3の復帰は心強い。大阪ダービーで先発となれば、「個人的には初めて。楽しみながら、プロとして、セレッソのプレーヤーとして、責任を果たしたい」と力強く語った。また、柏戦では、今シーズン、リーグ戦では2度目の先発となった阪田澪哉も奮闘。右ウィングバックの位置から武器であるドリブル突破を遺憾なく発揮した。もっとも、「決定的な仕事をできるようにしたいですし、ああいうプレー(ドリブル突破)をゴールにつなげていけるようにしたい」と話すように、結果にこだわる気持ちも強い。ここ数試合、キレのあるプレーを見せている同学年の北野颯太とともに、大阪ダービーではゴールに直結する働きにも期待したい。
ガンバは現在、リーグ戦では8試合未勝利と結果が出ていないが、その内、6試合が引き分けと、いずれも紙一重の攻防を続けている。失点数がリーグで2番目に少ない26という数字が物語るように、守備での粘り強さが今シーズンの特長。前回の大阪ダービーでも、セレッソはガンバの守備を崩せず無得点に終わっただけに、今節は何としても青黒の壁をこじ開けたい。得点数には課題を抱えているガンバだが、FWやトップ下でプレーする宇佐美貴史の存在は脅威であり、山下諒也とウェルトンの両ウィングにも警戒が必要。いずれも個での仕掛けも持っているだけに、1対1でのバトル、チャレンジ&カバーでしっかり止めて、良さを出させないようにしたい。ボランチ、ダワンの攻撃参加、セットプレーにおける中谷進之介らの高さにも要注意だ。直近のJ1リーグ第32節・東京ヴェルディ戦では、1点リードで迎えた90+4分に同点ゴールを叩き込まれ、土壇場で白星を逃す結果に終わっているだけに、大阪ダービーにかける思いも強いだろう。「全員でハードワークする部分」(小菊昭雄監督)で負けないことは、この試合で何より重要になる。試合開始から終了まで、“出し切る”覚悟で臨みたい。
J1リーグでの大阪ダービーは今節で48度目。近年はセレッソがガンバを圧倒している。ただし、前回対戦、アウェイでの一戦は0-1で敗れているだけに、「明日は必ずリベンジするしかない」と指揮官も語気を強める。異例の平日開催となる大阪ダービーだが、スタジアムを埋め尽くす両サポーターの熱気で充満することは確実。「サポーターとともに、勝つことでしか味わえない思いがあるので、必ず勝ちます」とはセレッソのアカデミー出身、喜田陽。“38分の1”ではない特別な一戦で、チーム、サポーターが一丸となって戦い、ヨドコウ桜スタジアムを歓喜で染めてみせる。
試合前日コメント
小菊昭雄監督
Q:前回の敗戦も踏まえて、今節の大阪ダービーに臨む意気込みについて
「2017年シーズンのルヴァンカップ優勝、天皇杯優勝が自分の胸の中に刻まれている中で、それと同じぐらい、前回の大阪ダービーで、アウェイで負けたあの景色は一生忘れることはありません。それだけ悔しかったです。明日は必ずリベンジするしかない。そう思っています。私がこのクラブで携わってきた歴史、たくさんの方々が関わってきたダービーに対する思い、セレッソファミリーの皆さんのダービーに勝ちたい気持ち、その全てを背負って、選手たちと勝利のみを目指して戦います」
Q:今季のガンバ大阪は失点数が少ないことが特長だが、相手の守備を破るための攻撃について
「今シーズン、ガンバが安定した成績を収めているのは、全員の守備意識が非常に高いこと。守備でゲームをコントロールしながら相手の隙を突いていく。そのあたりが徹底されていることが大きいと思います。クオリティーの高い選手たちがハードワークする素晴らしいチームだと思っています。そうした相手に対して、私たちも隙を見せないことが大事です。この2試合、安定しているのは、私たちも守備でもう一度原点に戻って、全員でハードワークする、チャレンジ&カバーをする、正しいポジションを取り続ける、球際で負けない。そういった要素が大きいと思いますので、両チーム、そのベースを持ちながら、いかに相手のディフェンスラインを壊すことができるか、そこも大事なポイントになると思っています。安定してきた守備に加えて、攻撃の部分で積み上げていきたいことも全員で共有しています。明日は得点を取って、勝点3を全員で目指すわけですから、やはり攻撃的に、リスクを背負って人数をかけていく、前に飛び出していく、クロスに入っていく、そうしたことも徹底したいと思います」
Q:湘南ベルマーレ戦、柏レイソル戦と、喜田選手がいい形で戻ってきました。彼の復帰について
「アカデミー時代から、私自身、ヒナタは将来セレッソの中心選手になるという思いで彼の成長を見てきました。プロになってから少しケガで苦労した時間も長かったのですが、ケガも癒えて、リハビリもしっかり乗り越えて、戻ってきてくれました。ケガで失った時間もあるとは思うのですが、得たモノも大きいと思います。離脱した期間に肉体改造や、メンタリティーのところも逞しくなって帰ってきました。彼の持っているセンス、クオリティーに、そうしたところも加わって、心身共に成長した姿で私たちの中盤に君臨してくれています。明日も、明るいセレッソの未来の象徴として、高いパフォーマンスで勝利に導いて欲しいと思います」
Q:喜田選手の持つポテンシャルは、監督から見てどのように感じていますか?
「今まで色んな若手選手を見てきた中でも、彼のクオリティー、サッカーセンスは、トップクラスの才能を持っています。運動量や守備の粘り強さも持ち味の一つです。あとはリーダーシップが加われば、日本代表、そして先輩に続いて世界にも出ていける選手だと思っています。最近はリーダーシップも取れるようになってきましたので、あとは経験を積みながら、今の立ち位置を確固たるものにすることによって、自信もさらに加わると思います。明日のゲームは、彼にとっても大きなゲームになると思います」
喜田陽選手
Q:ケガでのリハビリから始まった今シーズンですが、直近の2試合は先発です。どのような2試合になりましたか?
「最初の湘南戦は、自分にとっても、チームにとっても大事な試合でした。その後の柏戦も含めて、とにかく勝つために、勝つことを第一優先に、自分自身もチームも戦いました」
Q:個人のパフォーマンスとしても、この2試合はコンディションも技術面もフィットしている印象を受けるが、手応えと、さらに良くしていきたい部分は?
「試合を重ねるごとに、ここはもっと良くしていける、成長できる、と思える部分は出てきます。ここから7試合、MAXを出し続けることが自分の成長につながり、チームの勝利にもつながっていくと思うので、7試合、全部勝てるようにプレーしたいです」
Q:ボランチで組んでいる田中駿汰選手は、「ヒナは走れて技術も高い選手。感じ合いながら、バランス良くできている」と話していたが、田中選手とのコンビは、どのような感覚を持っていますか?
「セレッソには色んなタイプのボランチの選手がいますが、その中でも一番バランスを取ってくれる選手。僕の動きを見てポジションを取ってくれますし、理解してくれるので、僕にとってもやりやすい選手です」
Q:その上で、田中選手は、「自分たちでもっとボールを受けて、リズムを作って、起点になっていかないといけない」とも話していたが、そのあたりは同感ですか?
「そうですね。ボランチがチームを動かせば試合もスムーズに進むので、そこはしっかりコミュニケーションを取りながらボールを動かしていきたいです」
Q:神戸の宮代大聖選手や、日本代表の中村敬斗選手など、同世代の選手たちの活躍をどう見ていますか?
「自分は昨年の終わりにケガをして、今シーズンはリハビリからのスタートだったのですが、代表戦で同じ世代の選手が活躍している姿を見ると、自分のその舞台にいかないといけない思いになります。そのためには、セレッソで1試合1試合、自分の価値を高めていかないといけない。自分を証明することでしか、アピールはできないので、1試合1試合、積み重ねていきたいです」
Q:ケガの期間はどのような思いでリハビリに取り組んでいましたか?
「色んな角度からサッカーを見ることができましたし、自分のことも見つめ直す期間になりました。いい経験といったらあれですが、貴重な経験ができたので、あとは試合で、ピッチでやるべきことをやれたらと思います
Q:ケガから復帰して、万全の状態で大阪ダービーを迎える心境について
「楽しみです。延期になって、このタイミングで来たことは、自分にとって大事な試合になると感じています」
Q:アカデミー時代からしのぎを削ってきた相手ですが、改めて、大阪ダービーへ向けた意気込みについて
「サポーターとともに、勝つことでしか味わえない思いがあるので、必ず勝ちます」
Q:最近は西尾選手や北野選手らアカデミー出身選手たちが、「この苦しい状況を変えていきたい」ということを話されているが、喜田選手の思いは?
「アカデミーの選手たちがそういう思いを持って戦うことで、サポーターの方たちも喜んでくれると思います。特に明日はガンバ戦なので、アカデミー出身選手として、しっかりチームを引っ張って、勝利に貢献したいです」