Match Preview
- 10/19 磐田戦
- メディア
守備の安定を継続させつつ、攻守にアグレッシブな姿勢も発揮し、ホームで3連勝を目指す
連勝を飾った明治安田J1リーグ第33節・浦和レッズ戦から約2週間が空いた今節。セレッソ大阪は、3連勝を目指してホームにジュビロ磐田を迎え、明治安田J1リーグ第34節に挑む。
明治安田J1リーグ第31節・湘南ベルマーレ戦で9試合ぶりの勝利を掴んで以降、3勝1分とV字回復に成功したセレッソ。その要因は、「守備の安定が大きい」と指揮官は断言する。3バックのシステムを採用しつつ、「決して引いてゴールを守るやり方ではなく、基本的にボールを奪いにいく守備を目指しています」(小菊昭雄監督)と話すように、直近の2試合、ガンバ大阪戦と浦和戦では、特に前半は前からアグレッシブにプレスをかけることで、相手を自陣に閉じ込める戦いぶりを見せた。「守備のところが戦術的にも明白になり、全員が同じ方向に向かってやれていることが失点ゼロという結果にも出ていると思います。一人ひとりの戦術理解が整理されたことが大きいと思います」と西尾隆矢も振り返るが、前線の1トップ2シャドーから始まる11人全員での連動した守備が、現在の好調を支えている。前からしっかり限定することで、西尾を含めた後ろ3枚も、より狙いを持って相手の攻撃陣に寄せることができている。今節は、磐田が同システムでのミラーゲームを仕掛けてくる可能性もあるだけに、「局面、局面の1対1で負けないこと」(西尾)はより重要になる。前節の磐田はジョルディ クルークスが起点となり、鋭いカウンターを見せていた。熱い気持ちでプレーする選手だけに、ヨドコウ桜スタジアムでのプレーに気合いも入っているだろう。彼を抑えることも今節のミッション。当日は雨の予報もあり、グラウンドがスリッピーになる可能性もあるだけに、いい形でクロスやシュートに持ち込ませないことが必要だ。攻撃では、相手のウィングバックを引き出し、背後を狙って、3バックを横にズラすなど、スペースをうまく作り、レオ セアラ、ルーカス フェルナンデス、北野颯太を中心にゴールへ迫りたい。
磐田は降格圏の18位に位置しており、17位とも勝点6離れている。まさにJ1残留へ後がない状況であり、今節へ向けて並々ならぬ意気込みで臨んでくることは想像に難くない。「試合の入りは特に大事。そこで受けてしまうと良くない。球際や走り負けないこと、勝ちたい気持ち。そこは戦術面と同様に大切なポイントになる」と指揮官も指摘するが、先日の大阪ダービーで見せたような、相手を飲み込む気迫は今節もしっかりと発揮していきたい。セレッソもラスト5試合に懸けるモチベーションは高い。結果次第では最大で3位まで食い込める可能性があり、4位で終われば来季のAFCチャンピオンズリーグ出場の可能性も残る。また、11日には、「契約期間満了に伴い、小菊監督が今シーズンをもって退任すること」が発表された。「感謝という言葉しかありません。残り5試合、まず目の前のジュビロ戦で必ず勝点3を取って、最後まで全部勝って終わることが、僕たちができる小菊監督への唯一の恩返し」と西尾もチームの思いを代弁する。27年間セレッソ一筋で尽力された指揮官の貢献に報いるためにも、1戦1戦を大事に戦い、より上位で今季を終えることが求められる。
今節に臨む心境について、「クラブに対して、セレッソファミリーの皆様に対して、感謝の気持ちでいっぱいです。その感謝の気持ちを表現する手段としては、とにかく1試合1試合、精一杯の準備をして、勝利をお届けすること。それに尽きると思います」と述べた小菊監督。4戦無敗の攻守を発揮するとともに、スタジアム全体でより強いパワーを結集させて磐田を迎え撃ち、3連勝で、さらなる上位進出を目指す。
試合前日コメント
小菊 昭雄監督
Q:先日、「契約期間満了に伴い、今シーズンをもって退任すること」がクラブから発表されました。全ての思いを述べる機会はホーム最終戦やシーズンが終わってから、ということになるとは思いますが、リリースに対して、たくさんのサポーターからのメッセージもありました。今節に臨むにあたって、一言メッセージをいただけますでしょうか
「たくさん、お伝えしたいことがありますので、ホーム最終戦、そしてリーグ最終戦が終わった後に、自分なりにまとめてお伝えしたいとは思いますが、改めて、未熟だった私を27年間育ててくれたこのクラブに対して、セレッソファミリーの皆様に対して、感謝の気持ちでいっぱいです。その感謝の気持ちを表現する手段としては、とにかく1試合1試合、精一杯の準備をして、勝利をお届けすること。それに尽きると思います。明日の試合も感謝の気持ちを胸に、勝利する姿を皆様にお見せしたいです。私の一番の幸せは、試合終了後に皆さんが笑顔で祝福して下さる姿、選手たちが喜んでいる姿を見ることです。明日もその時間を皆様と共有できるように、精一杯、戦いたいと思います」
Q:直近3試合は無失点を続けています。継続していきたい部分、相手の対策を上回るためにさらに上積みしていきたい部分など、今節に向けて、どのようなイメージを持っていますか?
「ここ4試合で3勝1分、3試合連続クリーンシートと成績が安定している、V字回復できている要因は、守備の安定が大きいです。そこは明日も継続していきたい。今はシステムを3バックで戦っていますが、決して引いてゴールを守るというやり方ではなく、基本的にボールを奪いにいく守備を目指しています。やり方や立ち位置は変わりましたが、ハイライン、ハイプレスは変わっていないので、そこは大事にしたいです。あとは、試合の入りですね。ジュビロの今の状況を考えると、重心を強く前に仕掛けてくると思いますので、そこで受けないこと。私たちも常に前に行くこと。そこはメンタリティーも含めて大事になります。攻撃のところでは、いい守備から速い攻撃、そして、しっかりと自分たちでゲームをコントロールする時間も作ること。その使い分けは、明日も勝利へ向けてポイントになると思います」
西尾 隆矢選手
Q:直近3試合、無失点が続いています。手応えを得ている部分について
「全体的に守備のところが戦術的にも明白になり、全員が同じ方向に向かってやれていることが失点ゼロという結果にも出ていると思います。一人ひとりの戦術理解が整理されたことが大きいのかなと思います」
Q:3バックを組んでいる田中選手、進藤選手との連係については?
「進藤くんに関しては、(4バックの)CBでも何度も組ませてもらっていましたし、左右が違っても、コミュニケーションは常に取れています。とても信頼しています。駿汰くんは真ん中で僕と進藤くんのカバーリングをしっかりしてくれるので、降りた相手選手に対して僕と進藤くんが迷わず強く行けます。後ろの心配をしなくてもいいようなカバーをしてくれるのでありがたいですし、僕らも守備のスイッチを入れやすいです」
Q:よく知っているジョルディ クルークス選手、ジャーメイン良選手など、ジュビロ磐田には個々で打開してくる選手もいるが、今節の守備で大事になることは?
「前節もそうですが、やることは変えず、一人ひとりがサボらず、誰かのカバーを常にする意識でプレーすることが大事です。あとはサッカーの本質ですが、局面、局面の1対1で負けないことが大前提。前節に続いて継続できれば、必ず無失点で抑えることができると思います。前節よりも強く、球際のところはいかないといけないと思っています」
Q:先日、小菊昭雄監督の今季限りでの退任が発表されました。目の前の試合に臨む心境に大きな変化はないかも知れないですが、より気持ちが強くなる部分もありますか?
「そうですね。僕自身、小菊監督にはお世話になりましたし、感謝という言葉しかありません。プロである以上、結果は受け止めないといけないですが、自分たちにも少なからず責任はあると感じています。だからこそ、残り5試合、まず目の前のジュビロ戦で必ず勝点3を取って、最後まで全部勝って終わることが、僕たちができる小菊監督への唯一の恩返しでもあると思います。その気持ちは、より強いです」
Q:パリ五輪が終わってしばらく経ちます。引き続き好パフォーマンスが続いていると思いますが、ここから選手として目指していること、どのような思いでプレーしていますか?
「目指す場所はA代表ですし、そこを目指してやっていかないといけないと、日々の練習から思っています。1日1日を大切にしながら、少しでもレベルアップできるよう、常に自分に矢印を向けてやっていくことを大切にしています。リーグ戦としては、ラスト5試合、全部勝つことでチームの評価も高くなりますし、個人の価値も上がります。結果を求めていきたいです」
Q:現在は日本代表も3バックを採用しています。攻守にやれることを示すことが、そこにもつながっていくイメージでしょうか?
「そうですね。自分としても、守備はもちろん、CBから攻撃参加することも大事だと思っています。今、チームでは3バックの右、左とやらせてもらっていますが、積極的に、いいパスを前に提供することは、リーグ戦でもしっかりトライしていきたいと思っています」