Match Preview
- 11/9 福岡戦
- メディア
改善したい試合の入りと、求められる勝ち切る力。福岡の守備ブロックを打開し、勝点3を手繰り寄せる
先制されるも終盤に追い付いて勝点1を獲得した前節の明治安田J1リーグ第35節・北海道コンサドーレ札幌戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、アビスパ福岡との明治安田J1リーグ第36節に挑む。8位・セレッソと9位・福岡との勝点差は『2』。突き放し、一つでも上の順位で終えるためにも、今節はリーグ戦3試合ぶりの勝点3が求められる。
札幌戦では、開始早々、阪田澪哉が負傷で退くアクシデントもあり、押し込まれる展開が続くと9分に失点。立ち上がりは札幌の攻勢の前に、守勢に回る展開を強いられた。そうした状況を打開すべく、前半の途中で小菊昭雄監督はシステム変更を決断。やり慣れた4-4-2に戻し、前線からのプレスを整理することで、下がっていた最終ラインも押し上げることが可能になり、前半の内に主導権を握り返すことに成功した。北野颯太やレオ セアラが迎えた決定機こそ決め切れず、1点ビハインドで折り返したが、後半はさらに多くの時間でボールを保持して攻め込む。後半から入ったカピシャーバを筆頭に交代選手がアクセントを付けると、85分、カピシャーバのドリブルを起点に局面を打開。最後は田中駿汰のパスから背後を取った柴山昌也がカットインからシュート。相手GKが弾いたところを山﨑凌吾が詰めて、同点に追い付いた。ラストプレーでは、同じく途中出場の上門知樹に好機が訪れるなど、最後まで18人全員で戦い抜き、敵地で勝点1を持ち帰ったセレッソ。今節も先発11人だけではなく、控え選手も含めた総合力で相手を凌駕したい。その一方で、前々節のジュビロ磐田戦を含め、試合の入りは修正が必要。磐田、札幌と、どちらもJ1残留へ後がない状況も影響したとは思うが、セレッソは相手の圧をまともに受ける形で試合に入ってしまった。今節は守備の堅い福岡が相手。先制されると逆転に持ち込むことは容易ではないだけに、前半から主導権を握り、先制して試合を運ぶことを目指したい。
福岡は札幌とスタイルも異なり、攻撃はよりシンプルに、ロングボールも使いつつ、前線のパワーと縦への推進力を生かして攻めてくる。1トップの位置にウェリントン、佐藤凌我、シャハブ ザヘディ、ナッシム ベン カリファと、誰が入るかで微妙にチームのキャラクターは変わるが、前線で収めた後に、2列目のアジリティーを持った選手たちがゴールに向かってくる攻撃は変わらず、警戒が必要。DFラインはチャレンジ&カバーを徹底し、相手に隙を与えないことが重要だ。また、今節に関しては、いつも以上にセカンドボールをどちらが拾えるかで、試合の流れは変わる。3-0で勝利した第15節での前回対戦時は、奥埜博亮を中心にセレッソがセカンドボールを制することで、優位な展開に持ち込んだ。今節もバチバチしたせめぎ合いが予想される中、一歩も引かない姿勢を示したい。その上で、相手の3バック(5バック)をどう攻略するか。相手の守備ブロックをどう打ち破るかが今節のポイントになる。「しっかり縦パスを差すことでサイドも空く。選択肢は、まず外ではなく、中にどんどん差せる時は差していきたい。あとは、足元ばかりになり過ぎず、背後を狙う動きも大事。目的はゴールなので、最短で行けるならそれに越したことはない」と田中も攻略法をイメージする。中に加えて幅と奥行きも使って相手の守備ブロックを広げて打開すること、シンプルに背後やサイドに展開し、シュートやクロスで終えることも重要になる。
今シーズンの明治安田J1リーグも大詰めを迎えている。小菊監督とともに福岡の長谷部茂利監督も今シーズン限りでの退任が決定している中、互いにチームの集大成を発揮したいラスト3試合となる。セレッソとしても、相手の思いに負けない気持ちの強さを発揮し、ヨドコウ桜スタジアムに集まる多くのサポーターの前で、勝利の喜びを分かち合いたい。
試合前日コメント
小菊 昭雄監督
Q:前節・北海道コンサドーレ札幌戦、前々節・ジュビロ磐田戦と、立ち上がりに失点し、後半に追い上げる展開が続いています。今節は前半、特に入りでの修正が必要になる?
「この2試合、相手の矢印、重心をまともに受けてしまうことによって、入りのところで主導権を握られる試合が続きました。明日の福岡も、ロングボールも使いながら押し込んでくることが予想されますので、試合の入りは大事になります。私たちはホームでサポーターの皆様のお力もお借りしながら、自分たちで主導権を握る入りをしたいと思っています」
Q:前節は、試合の入りともう一つ、勝ち切る課題も残ったが、今節は失点が少ない相手に対し、選手起用や戦術も含め、勝ち切るためにどうチームをマネジメントしたい?
「やはり福岡の一番のストロングポイントは粘り強い守備、コンパクトな守備だと思っています。その守備をどうこじ開けていくか。そこは前回の対戦でも、リスタートで先制できて、リスタートで追加点が取れました。そういったところも含め、自分たちでボールを持ちながらゾーン3に入っていく。そしてゾーン3に押し込んだ後のセットプレー、CKやFKも大事にしないといけないポイントだと思っています。それと、相手はロングパス、守から攻への切り替えが速い攻撃も武器だと思いますので、私たちは、最後はシュートで終わる、クロスで終わる意識も大切です。そうしたセキュリティーのところもしっかりケアしないと、彼らの良さを出してしまうことになるので、守備のリスク管理も徹底したいです」
Q:前節は途中出場の選手たちが活性化して同点に追い付いたが、今週の練習も含め、メンバー選びで重視したポイントについて
「毎年、シーズン終盤は難しい時期でもあるのですが、今年は試合の間隔が空いても選手たちは毎日、素晴らしいトレーニングをしてくれています。日々の競争も充実しています。その頑張りの結果、前節は途中から出た選手たちが素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれて、得点シーンに象徴されるように、彼らの力で試合の流れを持っていってくれました。今週はまた違う選手たちもギラギラして、次は自分が救世主になるんだ、先発を掴むんだという雰囲気の中でトレーニングできました。毎日の競争をあと1ヶ月やり続けて、選ばれた18人全員で向かっていく。そこはブレずに大切にやっていきたいと思っています」
田中 駿汰選手
Q:前節・北海道コンサドーレ札幌戦の試合後、引き分けという結果に関して、「もっと色んなことができた」という話もされていたが、今節、より突き詰めたいことは?
「前節は守備の部分でうまく嵌らなかった。相手の立ち位置に応じた立ち位置を取っていかないと、単純に嵌めにいっても難しいところがあります。ただ、今節の福岡は札幌とも全然スタイルが違います。大事なことは、セカンドボールをどっちが取るか、というところだと思うので、全員でアンテナを張りながら、セカンドボールを拾うことを徹底したいです」
Q:福岡はボール保持率が最下位ということもあり、今節はこちらがボールを握りながら試合を進める時間が長くなると思われます。相手の守備を打開するために必要なプレーをどう考えていますか?
「型にハマらず、ポジションを崩しながらでもいいぐらい、ポジションチェンジすることも大事かなと思っています。もちろん、好き勝手に動くというわけではないですが、どんどんチェンジして、相手を混乱させていくことが大事かなと思います」
Q:前節の札幌戦では、同点ゴールにつながったシーンもそうですが、縦パスの意識が強かったと思います。シンプルに背後を狙うパスも含め、今節も発揮していきたい?
「そうですね。もっともっと狙いたいですし、そうすることで、相手のラインも下がりますし、相手の陣形も崩れると思うので。自分も含め、ボランチ、CBと真ん中をやっている選手がしっかり縦パスを差すことでサイドも空く。選択肢は、まず外ではなく、中にどんどん差せる時は差していきたいです」
Q:中に差して相手を寄せれば、サイドも空く、という形ですね
「そうですね。そのまま中で行けたら一番いいですが。あとは、足元ばかりになり過ぎず、背後を狙う動きも大事で、相手にとって脅威になります。目的はゴールなので、最短で行けるならそれに越したことはない。僕自身、後ろで出ても、ボランチで出ても、そういうところは常に狙っていきたいです」