Match Review
- 11/9 福岡戦
- メディア
福岡の守備ブロックをこじ開けたのは田中駿汰。ニアへ放った強烈なミドルシュートが決勝点に
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2024110909/
前節の明治安田J1リーグ第35節・北海道コンサドーレ札幌戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、アビスパ福岡との明治安田J1リーグ第36節に臨んだ。先発は札幌戦から2人変更。負傷した阪田澪哉、喜田陽が外れ、カピシャーバが12試合ぶり、奥田勇斗が6試合ぶりにスタメンを飾った。システムは第31節・湘南ベルマーレ戦以来6試合ぶりに4バックで臨んだ。
直近2試合と同じく、入りは相手に押し込まれる場面もあったが、「ああいう展開になることはゲームプランにありました。しっかりと10分間は守備を徹底する。ボールの運び方も徹底する。全員が我慢強くできました」と試合後に小菊昭雄監督も振り返ったように、慌てることなく守ると、前々節・ジュビロ磐田戦の反省も生かし、つなぎの場面では背後も意識。13分に一度、奥田が奪われてカウンターも受けたが、極力、不用意な奪われ方は避けるよう試合に入った。14分、相手のCKを跳ね返したところからセレッソに最初の決定機。ルーカス フェルナンデスがドリブルで運び、最後は左サイドを追い越してきた北野颯太へラストパス。決定的な形だったが、やや角度がなく、シュートは枠を外れた。ただし、この日も北野は抜群のキレを発揮すると、26分には自身が中央で起点を作ったところから好機。右サイドに展開し、最後は逆サイドから走ってきた左サイドバックの為田大貴がフィニッシュ。シュートはGK正面に飛んだが、相手DFを左右に揺さぶる攻撃だった。31分にもスローインの流れから、カピシャーバのクロスがDFに当たってこぼれたところを北野がシュート。DFの素早い寄せに防がれたが、ゴールに迫った。福岡の粘り強い守備の前にゴールこそ奪えなかったが、良いリズムで攻めていた前半終盤、アクシデントが発生する。カピシャーバのクロスに対し、飛び込んだフェルナンデスと、飛び出した福岡GK永石拓海が空中で激突。受け身が取れない形で落下した。そのまま脳振盪による交代で2人はピッチを後にする。前半アディショナルタイムには、フェルナンデスに代わって入った柴山昌也がレオ セアラとのワンツーで切れ込むと、無回転気味のミドルシュートでゴールを狙ったが、惜しくもクロスバーにはじかれた。
スコアレスで折り返した後半も、立ち上がりこそ福岡の攻撃を受ける場面もあったが、すぐにセレッソが盛り返すと、50分に決定機。田中駿汰のパスから背後を取った奥埜博亮がシュートも、GKの好セーブに防がれた。60分にも好機。右サイドで作り、田中を経由して左サイドへ展開すると、カピシャーバがスルーしたボールに合わせたのは大外から入った為田。ただし、シュートはGKに防がれた。跳ね返りを拾った田中がコースを狙うも、ここは力なくGKにキャッチされた。ただし、この場面を教訓に、決勝点のシーンでは、「足を振り抜くことを意識した」と田中。その後の伏線になるプレーだった。1点が欲しいセレッソは67分、山﨑凌吾と山田寛人が同時にピッチに入ると4分後、両者が絡んで決定機。セアラのスルーパスを山﨑が落とし、受けた山田がシュート。GKの足下を狙ったが、ここでも好セーブに阻まれた。後半、最大のピンチは75分、左サイドからのクロスにウェリントンが飛び込むも、為田が懸命に体を寄せて競り、ヘディングシュートは枠を外れた。すると81分、ついにセレッソが福岡のゴールをこじ開ける。複数のパスをつないで福岡DFを自陣に押し下げると、最後は為田のクロスをDFがクリアしたボールを拾った田中がワンフェイントで相手を交わし、左足でシュート。見事ニアのコースを射抜き、ネットを揺らした。
ここから選手交代も含め、同点に追いつくべく攻めてきた福岡だが、90分、相手のカウンターを西尾隆矢が見事なタックルで阻止するなど、セレッソの守備の集中力も途切れない。球際の争いも激しい、肉弾戦の要素もあった今節。最後は鳥海晃司を投入し、後ろを固めて1-0で逃げ切ったセレッソは、第33節・浦和レッズ戦以来、3試合ぶりの勝利で順位も一つ上げて7位に浮上。ホーム最終戦となる次節まで3週間ほど空くが、この間も良い準備を続け、近年、勝利がない鹿島アントラーズ戦に挑む。