Match Preview
- 11/30 鹿島戦
- メディア
クラブに27年間、監督としても3年半、指揮を執った小菊昭雄監督のラストマッチ。勝利で、笑顔で締めくくる
ホーム最終戦となった前節の鹿島アントラーズ戦から中7日。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、今シーズンの最終戦となるFC東京との明治安田J1リーグ第38節に挑む。今シーズンをもって退任が決まっている小菊昭雄監督のラストマッチを飾るため、さらには、届く最高順位である6位で終わるためにも、勝点3のみが求められる。
今節に向けて行われた公開練習では、各選手が積極的にゴールを目指す姿勢が見られた。前節は、何度も作った好機を仕留めることができなかっただけに、最終戦となる今節こそ、ネットを揺らして気持ち良くシーズンを締めくくりたい。「スタッツが示す通り、内容的には悲観するものではなかったのですが、チャンスを作りながらもゴールを決め切ることができなかった」と前節を振り返った小菊昭雄監督。今節へ向けては、「まずチャンスをたくさん作ること、そして最後の決め切るところ。クオリティーと同様、メンタリティーも大事になってきます。最後にみんなでトライしてきたこと、努力してきたことを結果で示したい」と決意を込めた。中でも期待したい選手がエースのレオ セアラ。ここまで開幕から全試合に出場し、21ゴールを挙げている。今シーズンは人一倍、コンディションにも気を配り、「個人的には、日本に来て一番良いシーズン」を送ってきた。ただし、前節は迎えた絶好機でわずかにシュートが枠を外れるなど、「今日は自分の日ではなかった」と悔しさを抱えた。それだけに、シーズンの締めとなる今節はネットを揺らすシーンを心待ちにしたい。試合に向けては、「自分の仕事として、ゴールを決めることでチームの勝利に貢献できるので、どの試合でも、もちろん得点は狙う」とした上で、「可能性がある限り、最後まで得点王を目指して戦いたい」とも話した。
守備面では、前節は立ち上がりに2失点。特に進藤亮佑が課題に挙げたのが、「球際」の部分だ。「ガチャッとなって、相手にこぼれる回数が映像を見ても多かった。ちょっとした中盤での争いや、セカンドボールの拾い合い。それをモノにする力がチームとして足りないと感じたので、明日も重要なポイントになる」と話す。前線からの連動した守備など戦術的な要素はもちろん、局面での競り合いで負けないこと。一人一人が勝負への執念を出してボールに食ら付く姿勢を発揮することが、勝利へつながっていく。FC東京の前線にも、強さ、上手さ、速さと、それぞれ特長をもった選手たちが揃っているが、前節の教訓も生かしつつ、立ち上がりを含めて無失点で進めて、試合を優位に運んでいきたい。FC東京とは開幕戦で対戦し、先制し、2度先行しながら追いつかれての引き分けに終わった。その借りを返す意味も込めて、今節はクリーンシートを達成したい。
そして何より今節は、これまで監督として3年半、クラブには27年間、尽力されてきた小菊監督がセレッソで指揮を執るラストの試合となる。監督自身、「とにかく勝って終わりたい」と何度も口にしたように、目指すモノは勝利のみ。チームとしても、勝利で終わることが、これまでの監督の貢献に報いる最大の恩返しとなる。選手を代表して前日会見に出席した進藤も、「最後、勝って、気持ち良く送り出してあげたい思いは強い」とチームの思いを代弁した。クラブにとって、一つの歴史にピリオドを打つと同時に、新たな戦いへ向けての出発点ともなる今節。選手、スタッフ、サポーターが一丸となって、笑顔で2024シーズンを締めくくりたい。
試合前日コメント
小菊昭雄監督
Q:今シーズンの最終戦であり、自身のセレッソにおけるラスト采配となる今節・FC東京戦に臨む意気込みについて
「明日はとにかく勝利。勝って笑顔で終わりたい。その強い気持ちでいっぱいです。順位も6位から10位まで変動しますので、勝って勝点3を積み上げて、6位で終わりたい。それが私たちの最後の使命だと思っています。とにかく勝って終われるように、精一杯戦います」
Q:前節はチャンスを作りながらも無得点。今節、勝利へ向けて攻撃面で改善したいことは?
「前節の鹿島戦も、スタッツが示す通り、内容的には悲観するものではなかったのですが、0-2の敗戦。チャンスを作りながらもゴールを決め切ることができませんでした。1年をトータルで考えても、そこは大きな課題でした。明日も、まずチャンスをたくさん作ること、そして最後の決め切るところ。今週も、シュート練習を含めて高い自覚をもってやってくれました。クオリティーと同様、明日はメンタリティーも大事になってきます。最後にみんなでトライしてきたこと、努力してきたことを結果で示したいと思っています」
Q:これからのセレッソ大阪に望むことについて
「このクラブも30周年ですが、その大部分、27年間をともに歩ませていただきました。波の大きなジェットコースタークラブと呼ばれる歴史も見てきました。あと一歩で優勝というところで何度も勝ち取れず、J2に3度も落ちて、J2での生活も長い期間、私も過ごしました。ただ、そこからACLにも4度出場し、タイトルも獲れました。色んな紆余曲折を見てきましたが、ここ数年は色んな意味で安定してきたチームだと思います。選手も今までは好不調の波の大きい、やんちゃなイメージもあるクラブだったと思いますが、今は非常に勤勉なチームに成長し、一人一人の準備、選手としての自覚、真摯な選手の集まりだと思っています。その安定した土台から、もう一つ突き抜けてリーグ優勝するためには、色んなことを全員の力で乗り越えないといけないと思っています。育成、スカウトも含め、全員で今の努力を続けていけば、近い将来、リーグ優勝できるポテンシャルを秘めたクラブだと思っています。そうした瞬間が訪れることを私自身も楽しみに応援していますし、そういうクラブになって欲しいと思います」
Q:指揮を執った3年半におけるベストゲームは?
「やはり、思い入れの深いダービーが全てです。6勝1敗という結果でしたが、1度の敗戦も含め、全てが重いですが、やはり最初と最後、監督1戦目のアウェイ・ガンバ戦、そして、今シーズンのホーム・ガンバ戦。この2試合が、より強く記憶に残っています。悔しいゲームで言えば、ルヴァンカップの決勝、サンフレッチェ広島戦です。前年度の悔しさも含めて臨んだゲームでしたが、逆転された内容も含め、非常に重い試合になったと思っています」
Q:最後の練習となった試合前日の練習後について
「全員に感謝の気持ちをお伝えさせていただきました。ケガ人も含め、スタッフ、選手全員で記念撮影もしました。特別な1日になりました。明日は必ず勝って、笑顔で終わりたいと思います」
進藤亮佑選手
Q:今シーズンの最終戦となる今節・FC東京戦に臨む意気込みについて
「昨シーズンの最終節はアウェイで新潟と対戦し、寒い中で負けて、酷い思いをしました。サポーターも同じ気持ちだったと思います。帰りの飛行機も遅れて散々な日だったので、今年は勝って、気持ち良く終わりたいです」
Q:前節は立ち上がりに2失点。今節に向けて、入りも含めて守備で改善したいことは?
「前節は、球際でガチャッとなって、相手にこぼれる回数が映像を見ても多かったので、そこは鹿島がさすがだなと思うところはあったし、我々に欠けている部分でもあると思います。小さなところですが、そのちょっとした中盤での争いや、セカンドボールの拾い合い。それは気持ち的な問題もあるかも知れないし、技術的な問題かも知れない。それをモノにする力がチームとして足りないと感じたので、明日も重要なポイントになると思います」
Q:今シーズンをもって現役を引退されるFC東京のディエゴ オリヴェイラ選手とのマッチアップで印象に残っていることは?
「彼の特長としては、シュートフェイントですね。シュートを打つと思わせておいて、同じフォームでシュートかフェイント、切り返しを選択できる選手という印象が凄くあります。それはブラジル人選手のいい選手の共通点でもあるのですが、2017年の柏でのディエゴ オリヴェイラ選手を見て、そう思いました。2018年にFC東京に移籍して、僕もその年から試合に出始めたので、対戦したのはその年からになりますが、当時のチームメートとも話していたのは、フィジカルの強さ、懐の深さです。お尻の筋肉は見た目にも分かりますが、下半身のフィジカルは特に警戒していました。引退と聞いて驚きましたが、クオリティーは落ちていないと思います。油断するわけがないですが、油断せず、今まで通り警戒したいです」
Q:小菊監督がセレッソで指揮を執る最後の試合になります。感謝の思いも込めて、どういうゲームにしたい?
「前日取材で何を話そうか考え、『進藤亮佑は小菊昭雄の作品です』と締めようかなと思ったのですが、ミシャ(ペトロヴィッチ監督)の時も同じことを言っているので、それは止めておきます。『お前、それ昔も言っていたな』となってしまうので。ただ、それぐらいの気持ち、自分の中では大事な人です。サッカー人生が終わるまで、もしくは今後、サッカーを辞めて別の仕事に就いたとしても、小菊さんの生き方というか、振る舞いは頭の片隅に常に残っていると思います。そういう人なので、最後、勝って、気持ち良く送り出してあげたい思いは強いです」