Match Prerview
- 3/20 讃岐戦
- メディア
JリーグYBCルヴァンカップ・1stラウンド1回戦。横浜FC戦の敗戦を真摯に受け止め、カップ戦から再スタートを切る
直近のリーグ戦、横浜FCとの明治安田J1第6節から中4日。大会をJリーグYBCルヴァンカップに移し、セレッソ大阪は、カマタマーレ讃岐との1stラウンド1回戦に臨む。舞台は讃岐のホーム、Pikaraスタジアム。キックオフは14時となる。
ここまでリーグ戦は6試合を終えて1勝2分3敗。開幕戦こそガンバ大阪を5-2で破る最高のスタートを切ったが、以降は勝利を手にできず、前節終了時で18位と下位に低迷。厳しい新体制での船出となった。もっとも、目指している攻撃的なサッカーを表現できている試合や時間帯もあり、全てを悲観的に捉える必要はない。前節こそ無得点に終わったが、6試合で10得点とネットを揺らすこともできている。何より、指揮官が目指すアタッキングフットボールを表現する上で重要なのがメンタル。「攻守においてアグレッシブに戦うことが大事。そこが欠ければチームとしてもうまくいかない」(登里)と、前向きな姿勢を失っては、縦への矢印も生まれない。あくまで下を向かず、勇敢に戦うことが大切だ。もちろん、改善すべきことも明確にある。今シーズンは再現性のある失点が多いが、まず修正したいのが、相手にサイドへボールを運ばれた時の対応だ。特に3バックを採用するチームのウィングバックに手を焼いており、こちらのサイドハーフが下がって見るのか、サイドバックを押し出して全体が横にスライドするのか、ファーストディフェンダーをしっかり決めることが重要だ。また、クロス対応も含め、中に人数は揃っている状況でやられているケースも散見されるだけに、選手同士で声を掛け合い、人に行く部分とスペースを埋める部分をハッキリさせることも必要か。いずれもしても、横浜FC戦の敗戦を真摯に受け止め、このカップ戦からしっかりと再スタートを切りたい。
讃岐は現在、J3リーグで2勝2分1敗、勝点8で5位と上位に位置している。ホームで戦う今回の一戦に向けても、モチベーション高く臨んでくるだろう。下のカテゴリーとの対戦へ向けて、アーサー パパス監督は、「いいメンタリティーで準備すること。集中して試合に入ること」をポイントに挙げる。「相手は一瞬の隙を突く形で攻撃してくると思いますし、『失うものはない』状態で我々に向かってくる。しっかりと引き締めて戦いたい」(パパス監督)と、慢心を排除してキックオフを迎えたい。サイド攻撃に警戒しつつ、守備時は5枚で固めてくる相手をどうこじ開けるか。大会やカテゴリーこそ異なるが、直近の横浜FC戦で出た課題を克服することが勝利へつながる。新体制になり、現在は一つ一つ積み上げを図っている段階であり、「1試合1試合を通して成長していくこと、チームの連係を深めていくことが大事。ブレずにやり続ける」(登里)ことが未来へつながっていく。その上で、「勝負事なので、勝たないと意味がない」(登里)ことも確かであり、特に一発勝負のカップ戦は、何より勝敗が厳しく問われる。試合内容の改善とともに、「勝って、今の流れを断ち切る」(登里)ことがチームに求められる。
昨シーズンから大会方式が変わり、最初から1発勝負のトーナメントとなったルヴァンカップ。負ければ敗退となる「難しい試合」(パパス監督)をチーム一丸、一戦必勝の精神で勝ち抜いて、カップ戦の頂点を目指すとともに、その後のリーグ戦にもつなげていきたい。
試合前日コメント
アーサー パパス監督
Q:JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦、カマタマーレ讃岐戦へ向けて
「讃岐さんもいいスタートを切っていますし、相手のホームでの試合になりますので、難しい試合、タフな展開になるのではないかと予想しています」
Q:カテゴリーが下の相手との対戦で注意すべき点は?
「いいメンタリティーで準備すること。集中して試合に入ること。相手は一瞬の隙を突く形で攻撃してくると思いますし、『失うものはない』状態で我々に立ち向かってくる。しっかりと引き締めて戦いたいと思います」
Q:取り組んでいるサッカーに魅力を感じる一方、ウィークポイントを突かれて失点する場面も目立つ。直近の横浜FC戦を終えてから、守備で新たに取り組んでいることはありますか?
「守備の形を整えれば守れるシーンもありますし、一人一人が意識すれば失点しなかったシーンもある中で、少し乏しい失点の仕方をしているな、というところはあります。前節に関しては、相手は前半シュート7本、後半は1本だと思っています。その中でも失点していることを考えると、まだまだ強化していかないといけないところが守備では見受けられます。自分たちは攻撃で能力を発揮できる選手がたくさんいる中で、攻撃はいいと思いますが、失点をしっかりと防げるようになる必要もあると思っています」
登里享平選手
Q:リーグ戦では結果が出てない部分もありますが、そうしたところも踏まえて明日のカップ戦、チームとしてどのような意味を持つ試合にしたいと考えていますか?
「本当にリーグ戦は不甲斐ない成績を残してしまっていることは選手として受け止めないといけません。ただ、大会も変わりますし、カップ戦は勝たないと次がないので、しっかりと開き直って戦って、浮上のきっかけにしていければと思います」
Q:登里選手自身はケガから復帰されて2試合プレーした段階ですが、今までのリーグ戦6試合を振り返ると、新チームが目指すいい部分もたくさん見られる一方、失点も増えています。攻守は表裏一体だとは思いますが、うまくいっている部分と課題はどう感じていますか?
「やっぱりコンパクトさ、攻守においてのコンパクトさは凄く重要になります。攻守の切り替えもそうですし、ハーフコートで押し込むところでも、人がいることが凄く重要になるので、そういうところはしっかり喋ってオーガナイズしていければと思います。あとはやっぱりメンタルの部分はすごく大きいと思います。どうしても成績が出ていないので、(下がりがちにはなるが)、やり続けることが大事ですし、やっぱり勝つことが薬になる。自分が出れば、メンタルの部分でもしっかりとチームを支えていきたいと思います」
Q:今季ここまでのリーグ戦を見ていると、攻撃の組み立ての部分、やろうとしていることが成果につながっている部分も多い一方、先ほども話にあった守備の部分、特に両サイドバックは積極的に高い位置を取っているので、その裏を突かれるケースも増えています。相手に狙われている感覚もあると思いますが、チーム内で改善策など話し合っていることはありますか?
「そうですね。今週、映像で失点のところは見て、スライドする部分など対応に関しては、チームの中でも話しました。チームとしても認識しています。ファースト(ディフェンダー)の部分も、もっと速く行けるんじゃないかと思うこともありますし、見えないところは声で解決できると思う。そこ(スライド)に限らず全体的に、練習していても声が足りないと感じるので。やっぱり、見えている選手が言うべきですし、しっかりと声を出して伝えてあげることは重要なのかなと思います。チームの守り方を改善することもそうですし、声でもしっかり発信できるように、それぞれがやっていければと思います」
Q:攻撃の組み立て方を変えた分、守備の部分でまだ慣れていない感覚がチームとしても残っている感じでしょうか?
「そうですね。運動量も求められますし、攻撃の方であたふたしていれば、立ち位置が悪くなって、守備のスタートポジションになかなか戻れないこともあります。相手あってのチームですし、攻撃時でも守備時でも、立ち位置はもっと整理していかないといけないと思います。選手がそれぞれ味方と相手を見て、つながりを作っていければ、攻守において効果的なポジションを取れると思うので、その辺でもっともっとすり合わせるというか、選手間で話していくことが重要です。1試合1試合を通して成長していくこと、チームの連係を深めていくことが大事。ブレずにやり続けることが大事です。ただ、勝負事なので、リーグ戦もそうですし、勝たないと意味がない。1試合1試合、もっともっとやらないといけないとは思います。明日は大会も変わりますし、勝って、今の流れを断ち切りたいと思います。攻守においてアグレッシブに戦うことが大事ですし、そこが欠ければチームとしてもうまくいかないと思うので、一人一人が意識を高く持って、プレーで表現できればと思います」
Q:相手が讃岐ということで、登里選手としては高校時代を過ごした香川県での試合になります。スタジアムも含めて、思い出というか、試合に臨む心境があればお願いします。
「香川県は3年間だけでしたけど、本当に好きな場所の一つなので、試合をできることが感慨深いです。プロになって、天皇杯や地方での開催がある中で、いつか試合ができればと思っていたのですが、これまではなかなかそういう機会がなかったので。今回こういう機会が来て凄く嬉しいですし、高校のことを思い出したり、楽しみなスタジアムです。(当時の)仲間も見に来てくれるので、しっかりといい姿を見せたいです。(讃岐の)監督もフロンターレ時代、ヘッドコーチをしていたヨネさん(米山篤志監督)なので、凱旋という部分と、ヨネさんの前でもいいプレーをしたいです。成長している部分を見せたいと思います」