• X
  • LINE
  • Facebook

Match Review

  • 4/6 広島戦
  • メディア

上位のサンフレッチェ広島相手に攻守に収穫も多かった一戦だが、追加点と試合の締め方に課題を残し、無念の逆転負け



試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)

https://www.cerezo.jp/matches/result/2025040609/

今シーズンのホーム初勝利を手にした前節のファジアーノ岡山戦から中3日。セレッソ大阪は、敵地に乗り込み、今季初の連勝を目指してサンフレッチェ広島との明治安田J1リーグ第9節に臨んだ。先発は前節から2人変更。前節、脳震盪で交代したGK福井光輝はメンバーから外れ、キム ジンヒョンが3試合ぶりにスタメンに復帰。同じく前節に右足を痛めて途中交代した畠中槙之輔に替わり、西尾隆矢がセンターバックの左に入った。

 
21シーズン以来の広島戦勝利を目指して臨んだ試合は前半、セレッソが主導権を握る。開始1分、左サイドを崩してチアゴ アンドラーデがシュートを放つと、8分にはルーカス フェルナンデスの突破が佐々木翔のイエローカードを誘うなど、前節、結果を出した両ウイングが躍動する。その流れのままに15分、セレッソが先制に成功。キム ジンヒョン、登里享平、中島元彦とパスをつなぎ、中島が軽やかなターンで前を向いてチアゴを縦に走らせるパスを送ると、チアゴがドリブルから中にカットイン。その裏を追い越した北野颯太が縦に運んでクロスを入れると、逆サイドから走り込んだルーカスがダイレクトで合わせた。試合後は敵将のミヒャエル スキッベ監督も「ファンタスティックだった」と唸らせる鮮やかな崩しからネットを揺らした。ただし、3分後、同点に追い付かれる。試合前に田中駿汰も「しっかり潰さないといけない」と警戒していたジャーメイン良にサイドで起点を作られると、折り返しのパスに逆サイドで待ち構えた新井直人に決められた。相手に許した最初のシュートで失点を喫したセレッソだったが、気落ちすることなく攻め続けると、31分には再びGKジンヒョンから田中、北野とテンポよくつないで前進し、北野のパスから右サイドの裏に抜け出したルーカスがドリブルで運んでシュート。ただし、ここはクロスバーに弾かれゴールならず。続く40分にもジンヒョンを起点に奥田勇斗、ルーカス、田中、ラファエル ハットンとつないで中央を崩すと、最後はチアゴがGKとの1対1を迎えたが、日本代表の守護神・大迫敬介に間合いを詰められ、シュートは止められた。この絶好機を逃した1分後にも決定機。奥田を起点に中島のパスを受けた北野がシュートも、わずかに枠を外れた。前半は広島のシュートを2本に抑え、再三、相手ゴールに迫るなど、攻守にセレッソが圧倒したが、スコアはイーブンのまま後半を迎えた。



広島のスキッベ監督は後半から塩谷司と中村草太を投入。各ポジションにテコ入れを図って圧力をかけてきた広島に対し、セレッソは後半の立ち上がりから押し込まれる展開が続く。47分にはロングスローからジャーメインに決定的なヘディングシュートを許したが、クロスバーを越えた。続く48分にも広島に決定機を作られたが、最後のシュートはGKジンヒョンがビッグセーブ。54分のピンチは進藤亮佑が懸命にカバーして事なきを得ると、58分のジャーメインのミドルシュートもジンヒョンが阻止。広島の猛攻を耐えたセレッソは、62分に2枚替え。チアゴとルーカスに代えて柴山昌也と本間至恩を投入。セレッソデビューとなった本間は3分後、早速、見せ場を作る。左サイドで起点を作り、カットインから中へパス。中島のミドルシュートにつなげた。56分に登里に代わって入っていた左サイドバック、髙橋仁胡との連係もスムーズで、左サイドの攻撃を活性化させると、76分にもカットインから北野のシュートを導く。「プレー自体は悪くなかったと思います」と試合後に自身も振り返ったように、今後の活躍にも期待が持てる鮮烈なデビューを飾った。本間の活躍もありセレッソが盛り返すと、後半の中盤から終盤にかけては一進一退の攻防が繰り広げられた中、86分、広島のロングスローから失点。ファーサイドで折り返されると、最後は中央で荒木隼人に押し込まれた。その後は広島にうまく時間を使われ、反撃の機会を封じられると、試合は1-2で終了。前半は今季ベストに近い内容を見せ、後半も序盤以外は決して悪くなかったセレッソにとっては痛恨の逆転負けとなった。



終わってみれば、「追加点と試合の締め方」という今シーズンの課題が今節も浮き彫りになった格好だが、「今日に関しては、全体を通して守備もプレスバックできていたし、前線で圧もかけることができていた。特に前半はいい形でボールを取れていた部分も多かった」と奥田が振り返ったように、全体をコンパクトに保ちながら前からしっかりプレスをかけて、奪ったところから素早く攻撃に転じる機会も多く、前半は特に良い距離感からフィニッシュまで行くシーンも作れていた。課題としては、相手に主導権が渡った後半、「攻撃でもう少し厚みをかけて攻める時間を増やしていけたら、もっと自分たちで支配できた」(奥田)こと。途中で入った選手も含め、攻撃での意思統一が必要だった。もっとも、同点の後半にホームチームが押し込んでくることは当然であり、守備でしっかり跳ね返すことも必要だ。「後半は自分たちが受ける形になることが多かった。その中で耐え抜く力もそうですし、奪ったボールをもっと大事にして、自分たちのペースに持っていくことも重要だった」と振り返ったのは北野。「攻撃の選手からすれば、追加点は間違いなく必要ですし、追加点を取れなくてもリードを守り抜く力も付けないといけない。追加点のところは僕が一番責任を感じているので、自分に矢印を向けてやるしかないと思います」と若きエースは次節・鹿島アントラーズ戦での雪辱を誓った。上位の広島相手に十分にやれた手応えと足りなかった課題を受け止め、チームは次節、ホームで12連敗中の天敵・鹿島撃破を目指す。

TOP > ニュース一覧 > Match Review