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Match Preview

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状態が上向き、手応えを感じている今、近年、結果が出ていない天敵から勝点3を奪い、成長スピードを加速させたい


無念の逆転負けを喫した前節のサンフレッチェ広島戦から中5日。セレッソ大阪は、ホームに戻り、鹿島アントラーズとの明治安田J1リーグ第10節に挑む。リーグ戦における鹿島戦は17年の第6節を最後に15試合勝利がなく(3分12敗)、ホームに限っては12連敗中という不名誉な記録も残っているが、今節こそ天敵・鹿島から勝点3を掴み取りたい。

勝点こそ奪えなかったが、前節の広島戦は攻守に収穫も多い試合だった。足元でつないでゴール前に向かう場面、シンプルに両ウイングを使って縦に速く攻める場面、まさに「足元と背後」を使い分け、相手ゴールに迫る回数を多く作り出した。守備でも前からしっかりプレスをかけ、全体を押し上げてコンパクトな状態を保ち、前半は広島のシュートを2本に抑えた。「チームは成長している実感があります。あとはそこに結果が付いてくることで、勢いにつながると思っています」とアーサーパパス監督はチームの現状を語る。そうした思いは選手たちも同様で、「試合を重ねるごとに成長している実感はあります。あとは結果が付いてくれば、さらに自信を深めることもできます」と北野颯太は指揮官の思いに同調する。もっとも、広島戦でもそうだったが、作ったチャンスで仕留めること、要所で相手のFWを潰すこと。攻守における細部の詰めの甘さは引き続き課題として残った。今節は、決め切る、寄せ切る、守り切る、といった際(きわ)の部分によりこだわって、1試合を戦い抜きたい。「僕ら攻撃陣からすれば、追加点にこだわっていきたい。もちろん、失点にも目を向けないといけないですが、個人的には追加点にフォーカスしてプレーしたい」と北野は話す。西尾隆矢は、「苦しい時間帯はあるので、その時間帯でどうオーガナイズして守るか。後ろの選手から前の選手に対して、ボールに行くところと行かないところをハッキリさせることが大事」と、運動量が落ちる試合終盤の戦い方に言及する。まさに現在抱えている2つの課題。追加点と試合の締め方を今節クリアして勝利することができれば、今後の戦いへ向けた視界は一気に広がっていく。今シーズン全体を考えても重要な、流れを変えたい一戦だ。



対する鹿島は今シーズンから鬼木達監督を迎え、“常勝再建”へ歩みを進めている。開幕戦こそ敗れたが、第2節からの4連勝で一時は首位に立つなど開幕ダッシュに成功。その強みは何と言っても、2人で11得点を奪っている鈴木優磨とレオ セアラの2トップだ。彼らに仕事をさせないことが、この試合では何より重要になる。サイドにも松村優太や荒木遼太郎、チャヴリッチなど違いを作れる選手もいる。純粋に1対1のバトルや球際で負けないことが鹿島戦では最も大きなポイントになる。もう一つのポイントがセットプレー。過去の対戦を振り返っても、1本のセットプレーで失点し、そのまま試合をクローズされる展開もあった。セットプレーそのものを与える機会をなるべく減らし、しっかりと中で競り勝ちたい。鹿島の2トップ対策を問われた指揮官は、「アグレッシブに相手の陣地でサッカーをして、とにかく自分たちで保持する時間を作ること。それに尽きる」と話すなど、あくまで主体的に自らのサッカーを貫くことで、相手に良さを出させないことが大切だとの見解を示した。鹿島のストロングも尊重しつつ、自らのストロングを押し出して相手を上回ることが勝利へつながる道だ。

今季のここまでを振り返ると、開幕戦を華々しい勝利で飾った後、攻守に課題も噴出し、選手起用の面でも試行錯誤を重ねてきた。ただし、ここに来て外国籍選手たちのコンディションの向上とともにメンバーも固まり始め、直近の公式戦では試合内容も安定してきた。指揮官が求める「攻撃でも守備でもアグレッシブなサッカー」がピッチで表現されている時間帯も増えてきただけに、選手たちも自信を掴みかけている。そうした右肩上がりの状況の今、近年は結果が出ていない鹿島に勝って勝点3を積むことができれば、一気に成長スピードは加速する。試合前日の会見では、パパス監督からサポーターへ、共闘を願う呼びかけもあった。まさに“セレッソファミリー”一丸で戦い、未来へつながる大きな1勝を目指す。

試合前日コメント

アーサー パパス監督


Q:今週の公開練習では、選手たちは今のサッカーに手応えを感じている発言も多く聞かれました。監督自身、ここまでのチームの成長をどう感じていますか?

「チームは成長している実感があります。結果が伴っていないことで、成長しているかどうかの部分が有耶無耶になることもありますが、選手たちはよくやってくれています。いいパフォーマンスを発揮しながら、あとは結果を得ることができればと思っています」

 

Q:成長を実感している中、明日の鹿島戦に勝利すれば、さらに自信も生まれ、一気に成長スピードも加速しそうだが?

「自分たちが掲げているフットボールを継続して発揮すること。一貫性を持ち続けていくことが大切です。鹿島もいいチームですが、相手どうこうではなく、自分たちが構築しているサッカーを試合の中で出し切れるかどうか。それに尽きると思っています。サポーターの皆さんにも、選手をサポートしていただきたいと思います。もちろん、すでに十分な後押しをして下さっていますが、明日さらなる応援で選手たちをサポートしていただければ、チームが勢いづくことは間違いないと思います」

 

Q:前節は広島のような守備がタイトなチームから何度も決定機を作っていたが、特に攻撃面で深まりを実感する部分もありますか?

「試合全体を通して攻撃もそうですが、守備でも成長していると思います。その理由として、広島戦では相手のシュートをボックス内では5本に抑えました。あとはロングスローを含めたセットプレーもしっかり跳ね返して、セットプレーから失点しない形も築いていきたいです。攻撃に関して言えば、やはり作ったチャンスで決め切ることが大事になります。選手たちはトレーニングからしっかりやっているので、あとは結果が付いてくることで、勢いにつながると思っています」

 

Q:鹿島には鈴木優磨選手にレオ セアラ選手、一瞬でもチャンスを与えると得点までつなげてしまうFWがいるが、注意すべき点について

「とにかく大事なことは、相手にボールを渡さないこと。アグレッシブに相手の陣地でサッカーをして、とにかく自分たちで保持する時間を作ること。それに尽きると思います。鹿島の選手のこともリスペクトしていますが、それ以上に自分たちの選手を尊敬してリスペクトしているので、違いを出して欲しいと思います」

 

北野颯太選手

Q:監督から、「チームは成長している実感がある。あとは結果が付いてくれば」という話もあったが、選手としては現状をどう受け止めていますか?

「監督の言われた通り、試合を重ねるごとに成長している実感はあります。あとは結果が付いてくれば、さらに自信を深めることもできます。そこは選手みんな思っていることは一緒だと思います」

 

Q:課題としては、失点の時間帯や崩され方が似通っていること。そのあたり、特に終盤の試合運びについて、チームで共有していることは?

「終盤の試合運びもそうですし、得点後のマネジメントはチームでも意識しています。ただ、僕ら攻撃陣からすれば、追加点にこだわっていきたい。もちろん、失点にも目を向けないといけないですが、個人的には追加点にフォーカスしてプレーしたいです」

 

Q:開幕直後は北野選手がボールを引き出して攻撃にスイッチを入れるシーンも多かったですが、最近では、いい意味でそういう場面が減って、どこからでも攻撃ができる引き出しが増えてきた印象もあります。連係面が深まってきた手応えはありますか?

「そうですね。もっくん(中島元彦)がボランチの位置に顔を出してボールを受けてくれることで、いい意味で負担は減りました。いい関係性でできています。個人的にもありがたいですし、チームとしてもスムーズにビルドアップできるようになっていると思います」

 


Q:ここ数試合、決定機は作れていますが、あと一歩のところで大切になることは?

「仕留める技術やメンタル。そこに尽きると思います。やっぱり点を取ってチームを楽にさせてあげたいので、明日の試合でも得点には人一倍、こだわってプレーしたいです」

 

Q:今週の練習で、シュート、フィニッシュの場面で心掛けたことはありますか?

「今まで外したシーンを振り返ると、気持ちのところで焦ってシュートを打っていた。もっと冷静に、GKを見てコースを狙って打てば入ったと思えるシーンも多いので、ゴール前でもリラックスすることは練習でも意識しました。練習後の自主練でも、試合で起きそうなシーンをイメージして、改善を試みました」


鹿島アントラーズ戦特設サイト


ナカバヤシ サポーティングマッチ


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