Match Review
- 4/20 FC東京戦
- メディア
今シーズン初のリーグ戦連勝を目指した今節。ハットンのゴールで先制し、その後も再三、決定機を作るも仕留め切れず、悔しい引き分け
試合データ(選手・監督コメント/スタッツ)
https://www.cerezo.jp/matches/result/2025042008/
JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・FC今治戦から中3日。舞台を再びリーグ戦に移し、セレッソ大阪はホームにFC東京を迎え、明治安田J1リーグ第11節に臨んだ。先発は前節・鹿島アントラーズ戦と同じ11人。劇的な勝利を掴んだ前節に続き、今シーズン初のリーグ戦連勝を目指して挑んだ。
開始6分、前節の勢いそのままに、セレッソが先制に成功する。相手の自陣でのパスミスを見逃さず、田中駿汰、中島元彦が連続してプレスをかけ、高い位置でボールを奪うと、ラファエル ハットンのパスをファーサイドでルーカス フェルナンデスが頭で折り返し、再び走り込んだハットンがヘディングで決めた。直後の7分にもハットンが高い位置でボールを奪って決定機も、チアゴ アンドラーデはシュートを打ち切れず。12分にも決定機。FC東京のGK野澤大志ブランドンのキックをカットしたルーカスがそのままドリブルで持ち運び、シュートを狙ったが、わずかに枠を外れた。前からの連動したプレスで相手のビルドアップを苦しめ、最高の入りを見せたセレッソだったが、17分、自陣でのつなぎを相手にカットされ、ショートカウンターを受けると、ペナルティーエリア内で西尾隆矢が相手選手を倒してPKを献上。これを決められ、FC東京にワンチャンスを生かされて同点に追い付かれた。直後の23分にも自陣でのパス交換がズレたところを拾われ、決定的に近い形でシュートまで持ち込まれたが、ここは西尾がしっかりシュートコースに入り、事なきを得た。30分、セレッソはルーカスのCKに進藤がヘディングで合わせたが、惜しくもゴールとはならず。前からのプレスを起点に両チームが得点を奪い合った前半は、ボール保持、パス数、パス成功率がほぼイーブン。どちらも延長戦までもつれ込んだルヴァンカップ2回戦から中3日というスケジュールにもかかわらず、強度の高いプレーで前半を折り返した。
互角の前半を経て、後半はセレッソが敵陣に入り、ゴールに迫る回数を増やしていく。開始早々の47分、ハットンとルーカスが高い位置でプレスをかけて相手のパスミスを誘い、田中がボール奪取。すぐさま前線のルーカスへパスを送ったが、ここは相手の戻りも速く、ルーカスはシュートを打ち切れず。52分、今度は北野颯太が単独でプレスをかけてボールを奪い、決定機。ルーカスのパスを受けたハットンがシュートを放つも、GKに防がれた。続く62分には、後半最大の決定機。相手DFのバックパスを処理したGKがキックミス。こぼれたボールを拾ったチアゴが中に折り返し、ハットンがシュートを放ったが、GKが自身のミスを取り返すビッグセーブを見せ、セレッソはゴールを割れず。後半は再三、相手ゴール前で良い形でボールを奪いながら、2点目が遠い。71分、アーサー パパス監督は最初の選手交代として、中島を下げて香川真司を投入。さらにボールを保持して相手を押し込むと、78分にも決定機。奥田勇斗が高い位置でボールを奪い、田中、ルーカスと縦につなぎ、最後はルーカスのワンタッチパスを受けたハットンがシュートも、枠を捉え切れず、天を仰いだ。終盤も波状攻撃を見せたセレッソだったが、スコアを動かすことはできず。再三の決定機をモノにできなかったチームに対し、指揮官は、「ゴール前に入っていった後の判断は、もっともっと良いものにしていかないといけない。技術の質、ラストパスの質、最後に走り込むタイミング。得点を確信できるような、より良い判断ができるようにならないといけません」と課題を述べた。もっとも、こうした展開であれば、相手の1発のカウンターに沈み、勝点すら取りこぼしてしまうケースも見られるが、守備陣は最後まで集中を切らさず対応。途中からはスピードとパワーを兼ね備えたマルセロ ヒアンが入り、縦への脅威も増した中、82分、進藤が1対1でしっかりと対処した場面など、決定的な形を作らせることはなかった。後半アディショナルタイムには、途中出場のヴィトール ブエノがゴール前でのワンツーからシュートを放ったが、惜しくもクロスバーを越えた。
試合はこのまま1-1で終了。セレッソとしては悔しい引き分けとなった。先制点を決めたハットンも、「ゴールを決めることができて嬉しいですが、もっと決めるチャンスがあった分、決め切れなかった悔しさの方が大きいです」と笑顔はなく、アシストしたルーカスも、「あれだけのチャンスを作ったことを思えば、勝利につながって然るべき試合でした。本当に悔しい」と無念さを滲ませた。リーグ戦の鹿島戦、カップ戦の今治戦と、100分を超える激闘が続き、やや疲労の色が見られる選手もいた中、それでも最後まで攻め続けてチャンスを作るなど、チームは逞しく戦い抜いた。中4日で迎える次節、アウェイでの東京ヴェルディ戦こそ結果につなげ、勝点3を上積みしたい。